テレビでも各道府県の特徴を取り上げた番組があるように、日本の道府県にはさまざまな違いがあります。その多くは地域性や風土と呼ばれ、移住者にとっては地方移住の楽しみでもあり、不安でもあることでしょう。地方移住への不安や課題は人によってそれぞれ違うものですが、人間関係を含む地域性や風土以外にほとんどの人が持っている共通の課題があります。それは仕事(収入)と住居の確保、子育てに関連する事項です。この課題はそれぞれが生活の根幹となるもので、これを解決できるか否かが移住成功への鍵となります。地方移住を推進する各自治体では、この課題に対してさまざまな支援策を用意しています。今回はこの支援策を知ることができる、各自治体の移住支援サイトをご紹介していきます。
地方移住の課題ランキング
地方移住を考えたときに、多くの人はどのような課題(不安)に直面するのでしょうか?地方移住に関するサイトなどで挙げられている課題を集めると、おおよそ以下のようになります。
・仕事(収入)
地方には仕事があるのか?生活していくのに十分な収入を得られるのか?
・住宅
購入または借りられる住居はあるか?
・教育・子育て
教育水準は低くないか?子育てに適した環境か?
・医療
緊急時などに受診できる医療機関は近くにあるか?
・人間関係
地方独特の人間関係の濃さに適応できるか?
・治安
治安は悪くないか?安全に生活できるか?
上記のうち、「人間関係」を除けば、ほとんどのものは事前に調査可能で、その結果を見て移住の可否を決めることができます。また、「仕事」、「住宅」、「子育て」に関しては、地方移住を推進する地方自治体のほとんどで、独自の支援策を用意しています。では、地方自治体はなぜ、移住者に対して支援を行っているのでしょうか?
地方自治体が移住を支援する理由
政府は2014年に、都市一極化の緩和と地方創生のために「まち・ひと・しごと創生法」を施行しました。これは、都市に一極集中となっている人口を地方に分散することで、少子高齢化や過疎化、産業の後継者不足に悩む地方を創生しようとするものです。
つまり地方移住は、地方でスローライフや自然豊かな人生を楽しみたいという移住者と、人口の不足に悩む地方自治体、両者にとって望ましい課題の解決策なのです。このため地方自治体は、移住の阻害要因となる先述の課題に対してさまざまな支援策を用意しています。お互いにWin-Winとなるこの支援策。遠慮せず積極的に利用していきましょう。
中部地方の移住支援策
ここからは具体的に、中部地方各県の移住支援策を見ていきましょう。中部地方は日本海側ある4県(新潟県、富山県、石川県、福井県)を含む場合がありますが、ここでは山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県を取り上げます。
山梨県
山梨県は、東京・有楽町にある「やまなし暮らし支援センター」が移住支援サイトを運営しています。「都会に近く、自然に近い。」と書かれているとおり山梨県は都心部からの通勤圏でもあり、支援センターや支援サイトには移住はもとより二地域移住(二拠点居住)を考えている人たちが多く訪れています。
支援サイトでは市町村別の「空き家バンク」、「お試し住宅」のリストが掲示されており、先輩移住者の声や移住セミナーやツアーのお知らせが紹介されています。
長野県
長野県は、長野県企画振興部信州暮らし推進課内にある、田舎暮らし「楽園信州」推進協議会が移住ポータルサイト「楽園信州」を運営しています。長野県も山梨同様、都心への通勤圏内であるため、二拠点居住を行う人が多い地域です。
本サイトでは「信州を知る」、「仕事」、「住まい」、「移住者体験」、「支援制度」などのページがわかりやすく整理されています。特に支援制度のページでは、移住を希望する市町村を入力すると簡単にその市町村が用意している支援策を見ることができます。また、東京に2カ所(有楽町・銀座)、名古屋、大阪にも相談窓口を設けるなど、県を上げて移住者を歓迎しています。
岐阜県
東京と大阪のちょうど中間、名古屋からはかなり近い位置にあるのが岐阜県です。岐阜県の公式移住支援サイトは「ふふふぎふ」で、移住・定住に関するあらゆる情報が網羅されています。
仕事では就職や起業をする場合、農業や林業に従事する場合ごとに支援策が載っており、「子育て・教育」、「医療・防災」、「女性支援・結婚支援」など、事細かにページが用意されています。また移住相談窓口は東京、名古屋、大阪にあり、専門の相談員が常駐しています。
静岡県
静岡県も、山梨、長野と並ぶ都心部への通勤圏です。静岡県は公式移住・定住情報サイトとして「ゆとりすと静岡」を運営しています。本サイトには「仕事」、「住まい」、「暮らし(医療、福祉、子育てなど)」、「支援制度」がわかりやすく整理されています。
本サイトの非常にユニークなところは「あなたにピッタリな移住先検索」という仕組み。
その特徴を持つ地域を探すためにチェックボックスが用意されているのですが、「農業」、「林業」、「漁業」に並び、「サーフィン」、「釣り」、「温泉」、「富士山ビュー」などがあります。自然豊かな地方で暮らすというだけでなく、趣味などを存分に楽しみたい人も歓迎しているのです。
愛知県
大都市・名古屋を有する愛知県に地方移住の希望があるのか?と思われるかもしれませんが、愛知県は岐阜や山梨に近い山間部と広い沿岸部を持っています。本サイト「愛知県交流居住センター」は、同名の団体(民間団体と自治体が設立)が、愛知県三河山間地域への移住を通じた活性化を目的として運営しているサイトです。
愛知県では他にも、UIJターンを支援する「あいちUIJターン支援センター 」や東三河の移住・定住支援サイト「穂っとネット東三河 」など、市町村や移住の目的ごとに支援サイトが用意されています。
まとめ
地方移住とは言っても、中部地方5県は比較的都心部に近い地方です。特に山梨県、長野県、静岡県は、新幹線や特急利用による通勤圏でもあります。定住ばかりでなく、都心部で本業を行い週末に帰る、もしくはテレワークを地方で行い月数回は出社するなど、さまざまなパターンが考えられることが中部地方の良い点かもしれません。
地方での副業を探す
あなたの日々重ねている業務に対する知識や経験、実は地方企業にとってはとても知りたい業務スキルです。地方における人手不足がより強まる中、あなたの豊富なスキル・経験を必要としている地方企業は数多く存在しています。
「Glocal Mission Jobs」は、情熱を持った人材と、地域に根差し、地域を担う企業を結びつけることによって、人の力で地方創生を実現するマッチングメディアです。