コロナ禍2年目 東京在住者 地方・郊外移住、46.6%が興味あり 障壁は『仕事面の不安』が最多 テレワークの継続実施に関心
GLOCAL MISSION Times 編集部
2021/09/28 (火) - 18:00

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、東京都在住の20歳~59歳の会社員2,479名を対象に、地方移住および多拠点居住の考え方についてアンケート調査を実施しました。調査期間は2021年8月10日(火)~18日(水)です。以下、結果の概要をご報告いたします。

地方や郊外への移住についての興味
回答者の46.6%が地方や郊外への移住に興味があると回答
東京都内在住の会社員に対して地方や郊外への興味について確認したところ、46.6%の人が「興味がある」と回答しました(「とても興味がある」11.5%、「興味がある」35.1%)。「興味がある」と回答した1,156人では、年代間の回答傾向に大きな差異はなく、年代の違いに関わらず一定数の人が、都内から地方や郊外への移住に関心があることがわかります。「興味がある」と回答した1,156人が想定している都心までの所要時間は「都心まで1時間から2時間」が43.3%、「都心まで1時間程度以内」が31.8%でした。

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また地方移住に興味がある人に、検討のきっかけと新型コロナウイルスの感染拡大との関係を質問しました。「新型コロナの影響で、テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため、地方や郊外への移住に興味をもった」が最も高く(43.4%)、時間や場所を選ばない働き方の浸透が、人々の住まいへの意識に影響していると考えられます。

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地方や郊外への移住の実現時期と取組み内容
「将来的に実現したい」が46.5%、具体的な取り組みは情報収集が最多(26.6%)
地方・郊外への移住に興味がある人に、具体的な実現時期と現在の取り組み内容を確認しました。実現時期については、「すぐに」「1年以内」「3年以内」のように具体的な時期を回答した人は35.6%でした。最も多かった回答は「時期はわからないが将来的に実現したい」(46.5%)となり、一定数の人は興味があるが「実現したいとまでは思っていない」(17.9%)と考えていることがわかりました。
具体的な取り組みでは、すでに移住先が確定していたり実際に居住候補の地域を訪れていたりする人が15.0%でした。また、情報収集を進めている人は26.6%でした。なお、地方や郊外の移住に興味があるが、まだ具体的に実施していることはない人は58.5%となりました。

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■地方や郊外への移住を検討するにあたって、現実的にネックになっていることや障壁になっていること(フリーコメント)
・完全テレワークで仕事ができるかどうか(36歳/機械・電気・化学エンジニア)
・ 給与や働き方の面で、自分の希望する仕事があるかどうか(32歳/営業職)
・ 完全テレワークでないと、近郊しか移住先として考えられない(48歳/IT系エンジニア)
・ コロナへの心配がなくなった時、テレワークや在宅勤務がなくなるのではないかという不安(39歳/接客・販売・店長・コールセンター)
・ 都心で仕事をしているため、通勤するのか転職するのかなど仕事面での不安が強い(33歳/営業職)
・ 転職等を行うことになった場合や出社体制が変わった場合、仕事に影響が出るのではないかという不安(28歳/営業職)
・ 仕事は基本リモートだが、出社も月に何度かしないといけないので不安(31歳/IT系エンジニア)
・ コロナが終息して通常出勤が一般的になってしまった場合に生活を継続できないのではないかという懸念( 40歳/事務系専門職)
・ 働き方については今の会社だと通勤必須のため難しい(36歳/営業職)
・ 車を持っていないが、地方は車が必須なイメージがあるため車なしでも生活出来るのかわからない(34歳/IT系エンジニア)
・ 夫はテレワークだが私はそうでないので、そのような仕事がみつかるかどうか(26歳/接客・販売・店長・コールセンター)
・ リモートワークが当たり前になったとはいえ、週に1、2回は出社を求められる状態であり、今後コロナが落ち着いた際にはさらに出社が増える可能性も排除できない(25歳/事務系専門職)
・住もうとした環境の人間関係がうまく出来るかという不安がある(40歳/営業職)
・ 子供の教育環境が、地方でも充実させられるか不安 (40歳/接客・販売・店長・コールセンター)
・ 配偶者や子どもたちなど、家族の同意を得るのが困難(49歳/事務系専門職)
・ 移住に興味はあるものの、いざ何から始めたらいいのかわからない(28歳/営業職)

《 藤井 薫(HR統括編集長)解説 》
東京を出たいが、出勤がネック。コロナ禍2年目、テレワーク廃止・出社再開への懸念。
働く個人は、時間や場所を選ばない働き方・テレワーク継続を求める。
コロナ禍2年目、働く個人の意識はどう変化しているのか? 今回、東京在住の会社員2,479名の声から、地方・郊外移住への興味と障壁について探りました。注目したいのは、回答とコメントから見えてくる働く個人の本音です。

【今回の調査からわかること】
興味:地方や郊外移住に、約半数もの働き手が興味がある(46.6%)
距離:ただし、4人中3人が「都心までの所要時間は、2時間以内」を想定    (75.1%)
契機:「テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため」が最多(43.4%)
時期:移住時期は、「わからないが将来的に実現したい」が最多(46.5%)
不安:移住の障壁は「仕事面」が最多。テレワークへの心配事が多い(64.0%)

【障壁に関するコメント】
▽転職なしで地方移住の場合
・コロナの心配がなくなった時、テレワークや在宅勤務がなくなる不安
・完全テレワークでないと、近郊しか移住先として考えられない
▽転職ありで地方移住の場合
・給与や働き方の面で、自分の希望する仕事があるかどうか
・夫はテレワークだが、私はそうでないので仕事が見みつかるか不安

【働く個人の本音】
『自分の好きな暮らしができる街で、好きな仕事・キャリアをデザインしたいが、コロナ禍が沈静した後のテレワーク廃止や出社再開が心配で、地方移住を逡巡している。』
これがコロナ禍2年目の働き手の、移住に対する希望と不安の実相といえるでしょう。
テレワークの浸透で、多くの人が好感した「時間や場所を選ばない働き方」へ。会社を中心にクラシを犠牲にするのではなく、クラシを中心に仕事で成果を出す在り方へ。企業は、テレワーク廃止・出社再開で、働き方・生き方の選択肢を狭めない。そんなafterコロナを見据えた企業の在り方が問われています。

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