新入社員を「モンスター新人」にしないための方法
浅賀 桃子
2018/04/03 (火) - 08:00

4月に入り、新入社員を迎える季節になりました。いつの時代も新入社員は上司・先輩社員から見ると「変わり者」のようにいわれることが多いものですが、ここ数年は「モンスター新人」が注目されるようになっています。モンスター新人とは何か、そして新人をモンスター化させないための方法を考えます。

モンスター新人とは

2012年5月31日の週刊文春で『ゆとりモンスター新人の「ここが許せない!」』という記事がありました。この記事の中で“「ゆとりモンスター」と呼ばれる理解不能な新人が出現している”として、「報告書に絵文字、顔文字を使う」「研修がつまらないとか、すぐにツイートする」「電話の受け応えも出来ない」といった例示がされていました。また最近では2018年3月11日に日本テレビ系で放送された「行列のできる法律相談所」で「モンスター新人」の紹介がされていました。
一般的に会社や上司の考える「常識」から大きく逸脱している言動をとる新入社員のことを「モンスター新人」と呼ぶことが多いようですが、具体的にどのような言動が問題視されているのか、いくつか筆者が相談を受けた例をご紹介していきます。

モンスター新人の例

1.先輩から注意された翌日無断欠勤、親からクレーム
研修ののち総務部に配属された新入社員A。都内の有名大学を優秀な成績で卒業し、これまで学校の成績は常にトップクラスだったといいます。
あるとき、Aが体調不良のため遅刻をしました。遅刻することをAは他部署の同期社員BにLINEで知らせていましたが、BはそのLINEを見ていませんでした。B以外に連絡を入れていなかったため、総務部の誰もAの遅刻について連絡を受けていない状態でした。
いつもより1時間遅れで出社したAに対し、先輩社員Cが「無断で遅刻はよくない」と注意しました。Aは同期Bに連絡したから悪くないと主張しましたが、Bは他部署の社員であること、いつみたかわからないLINEのみの連絡であることを問題視したCは「今度から同じ部署の人間に連絡をすること、LINEはみていないこともあるので極力電話も入れること」とAに伝えました。
その翌日、Aが無断で欠勤。上司Cが自宅に連絡を入れるとAの母親から「ちゃんと遅刻連絡を入れたのに上司から怒られたと聞いた。会社はどういう指導をしているのか」とクレームがつきつけられました。Cは経緯を説明しましたが、母親は怒りが収まらない様子で冷静なやり取りができない状態でした。

2.電話対応を拒否する
新人研修で電話対応の実務トレーニングを受けていたD。この会社では、新入社員が「自宅に固定電話がなく物心ついたころから携帯電話が当たり前にあった」世代であることを踏まえ、1カ月間総務部のかわりに率先して会社にかかってくる電話をとる研修を実施しています。ほかの新入社員は慣れないながら電話を取ろうと頑張るなか、Dだけは全く電話を取ろうとする気がないようでした。指導係の先輩社員Eが「なぜ電話を取らないのか」と聞いたところ「誰が使ったかわからない電話機は使いたくない」と逆ギレし、「電話研修なんてありえない」などとツイッターに書き込みする始末。

3.始業時間ギリギリに出社し、出社後に朝ごはんを食べる
他の社員が始業15分前には出社しているところ、新人Fは毎日始業時間ギリギリに出社しています。それだけでなく、営業時間がスタートしているにもかかわらず自席でコンビニエンスストアで購入した朝ごはんを食べています。上司Gが見かねて注意すると「朝が弱く食欲がわかないので、家を出る前に朝ごはんを食べられない。ただ、出社するまでに少しおなかがすいてくるので食べてますけどそんなにヤバいっすか? おなかがすくと仕事に支障が出るから仕方ないっすよね」と平然としていました。

新入社員を「モンスター新人」化させないために

1のケースのように、社員の言動を注意したところ本人が納得せず、親が会社に介入するケースが増えています。相手の主張は冷静に聴いて受け止めたうえで、会社として必要な指導は毅然とした態度で、かつ感情的にならずに伝えることが求められます。

2や3のケースのように逆ギレしたり、自分が納得できないことがあるとすぐにツイッターに書いたり…という行動も、いわゆる「ゆとり世代」といわれる新入社員世代に多い特徴といわれています。「間違っている」からといって頭ごなしに叱ってしまうと暴発する可能性が高いですが、会社としてその言動に触れずに見過ごすわけにはいきません。

上司にとっての「常識」は、新入社員にとっての常識とは限りません。新入社員が自分の考える常識を職場で押し付けようとしたら、職場のルールに反していることをはっきりと伝えましょう。そのうえで問題行動が改まらないようであれば適切な処分を下すことが、モンスター新人を野放しにしない対処法といえるでしょう。

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