WILL×CAN×MUSTからWILL×CAN×NEEDへ~起業に欠かせない考え方とは?~
加藤 晶子
2018/01/12 (金) - 08:00

『WILL CAN MUST』という言葉を聞いたことはありますか? 理想のキャリアを描くときに、よく使われるフレームワークのことです。就職活動の際にもよく使われるフレームワークですが、今回はこちらをご紹介しつつ、起業に必要な『WILL CAN NEED』のフレームワークについて触れていきます。起業に欠かせないNEEDの視点とは? どうやってNEEDを見つけるのかについてもご紹介します。

WILL×CAN×MUSTで充実した「働く自分」を描く

このフレームワークでは、WILL(やりたいこと・意志)とCAN(できること)とMUST(やるべきこと)をかけ合わせ、3つが重なる部分の仕事をすることで、個人が力を発揮でき、充実度も高いといわれています。

具体的には、WILLは、将来やりたいと思っていることやありたい姿のことです。「こんな風になりたい」「こんな仕事をしてみたい」など、想いは人それぞれです。これがかなえられることで、やる気が持続します。

CANは、才能やスキルのことです。生まれながらにもっていたものに加え、今までの経験によって培われたその人ならではのできることです。例えば、営業やマネジメントといった一般化されたスキルや、「人の気持ちを察する」といったものまで、多岐にわたります。自分のできることを活かせる仕事に就くほうが、成果があがりやすいと考えられます。

MUSTは、やるべきこと、つまり会社や組織に求められていることです。会社員である以上、会社が求めていることを実現していく必要があります。例えば、日々の報告書の提出やミーティングへの出席など、仕事をしていくうえで欠かせない実務があります。自分の気持ちとは関係なく、会社や上司に求められて果たす役割も重要な要素です。

起業に必要なWILL×CAN×NEEDという考え方

WILL CAN MUSTのフレームワークは主に、会社員の方の理想の仕事を見つけるためによく使われますが、複業を始める際に必要なことが、NEED(求められること)の観点です。
MUSTはやらなければならないことでしたが、NEEDは、未来のお客様になる方、市場のニーズのことです。

会社では、与えられた役割があり、今日やるべき仕事がないという状況はないと思います。しかし、ゼロからスタートする場合の複業においては、まずはお客様を探すところから始まりますので、未来のお客様がどういう人で、何を求めているのか入念なリサーチが必要です。
NEEDが曖昧な状態で始めてしまうと、誰にも必要のない商品やサービスをつくったり、そもそも誰を対象にしているか分からなくなったりしてしまいます。

また、会社員の場合、WILL、CAN、MUSTが欠けていても、明日から仕事がなくなるということはありませんが、起業して自分で事業を行う場合、WILL CAN NEEDの一つでも欠けていると、事業の継続が難しいといえます。

具体的には、WILLが欠けていた場合、「自分のやりたいことやありたい姿、目指す方向性」が定まっていないので、何のためにやっているのか分からなくなり、人もついてこないことが予想できます。売り上げは上がっていても、自分に迷いが生じてしまいます。また、CANが欠けていると、自分の得意でない領域で事業を行っているため、競合他社との差別化ができず、競争に負けてしまうことになるでしょう。

NEEDをうまくつかんで成功する

それでは、どうしたらNEEDをうまくつかみ、お客様にも受け入れられるようなビジネスができるのでしょうか。

具体的な例をご紹介させていただきます。
例えば、あるWEBデザインスクールを運営しているAさんは、もともとはWEBデザイナーとして活動していました。そのなかで、周囲でデザインスクールに通っているにも関わらず、ソフトの使い方だけを習ってデザインが全くできず、仕事が見つからない、というようなデザイナーをたくさん見てきたことから、実務に即したデザインスクールを立ち上げようと思い立ち、起業しました。

「デザインスクールで学んだにもかかわらず、仕事に直結しないので困っている」方のニーズをうまくとらえ、今ではAさんの立ち上げたデザインスクールは、毎月受講生が途切れず大人気のスクールとなっています。
このケースではNEEDに加え、Aさんの、WILLである「実務に即した仕事のとれるデザイナーを育てたい」と、CANである「自身がWEBデザイナーとして培ってきたスキル」がうまく重なって成功している事例といえます。

このように、起業するには3つの要素が重なっていることがとても大切です。いつか起業したい、起業しよう、と思っている方は、ぜひこのフレームワークで考えてみることをオススメします。

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