【八ヶ岳・富士見町】人と人をつなげ、「新しい働き方」を生み出す発信基地
神吉 弘邦
2018/02/21 (水) - 08:00

特急や高速道路で都心にアクセスできる利便性を訴え、2拠点居住を推進する長野県諏訪郡富士見町は、この2年ほどで移住者が増えています。きっかけの一つがコワーキングスペース「富士見 森のオフィス」のオープン。同施設を委託運営するRoute Design合同会社のメンバーたちに現状と今後の目標を聞きました。

移住促進の起点として誕生

東京から特急あずさで2時間半で、標高955.2mにあるJR中央本線「富士見」駅に着く。駅前広場からは八ヶ岳を望める高原の駅だ。登山客やスキー客が利用する玄関口は、かつて文化人も多く訪れた避暑地でもある。

駅からクルマで5分ほどの森の中に、あまり使われなくなった大学の保養所があった。老朽化したとはいえ、立派な建材を用いた2階建ての木造施設。富士見町はこの施設を「テレワークタウン構想」の柱とするために借り上げ、大規模なリノベーションを行った。

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オープン時から同施設の委託運営を手がけるRoute Design合同会社代表の津田賀央(よしお)さんが案内してくれた。昨年末まで、東京の大手メーカーに3日間勤務しながら、2拠点居住生活の働き方を実践してきた津田さん。一家で移住したのは2015年5月。7月には富士見で会社を登記した。

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「八ヶ岳に近い別荘エリアのブランドがあって、富士見は移住者がもともと多い町です。特急や高速バスを使えるから、新幹線を使うよりも安く都心と往復できる。森のオフィスには、移住の相談をしに来てくれる人たちも増えています。実際、ここに来てから周りの人を知っていくといった存在になっていると思います」

現在の会員は200人ほど。利用の中心になるのがフリーアドレスのコワーキングスペース。Wi-Fiのほか4Kモニターなども利用でき、1年会員だと利用料は年35000円(共益費込)と都心の施設に比べると破格だ。平日は9時から20時まで、土曜は10時から17時までオープンしている。

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「地元の方、移住してきた方、利用者はさまざまです。エリアは八ヶ岳界隈、諏訪6市町村に広がっています。会社に掛け合ってリモートワークを勝ち取った東京の会社員もいれば、茅野や小淵沢、諏訪でフリーランスで仕事をする会員もいます。農家の方は冬場に事務作業をするといった利用法ですね。面白かったのはミシンを持ち込んで仕事をされていたメイカー系のクリエイターでした」

施設運営だけでなく、人と人も繋ぐ

建物中央のコワーキングスペースをぐるりと取り囲むように1階と2階に設けられたのが、個室型のオフィススペース。スタートアップのオフィスや遠隔地の企業がサテライトオフィスとして借りているほか、会議室としても利用できる数部屋がある。一部が和室タイプなのも面白い。

「富士見町がこの施設をつくった理由は、まずはリモートワーカーの移住促進ですが、地理的なメリットを生かして都心と繋げてビジネスを創出したり、利用者が『自分たちでやってみたい』というプロジェクトを支援する目的もあります。Route Designでは施設の運営管理をしながら、ビジネスサポーターとしても活動しているんです」

他に目を引くのは、広い食堂と本格的な調理ができるキッチン。食堂は日常では利用者たちがリラックスできる場所として、イベント時にはセミナーやワークショップ会場にもなる。キッチンは「コワーキングキッチン」というサービス展開も始まった。

「このキッチンは加工所の認可を保健所から取りました。ここを製造所として使ってもらえれば、6次産業の商品開発が低いリスクで始められます。この町には大きな食品メーカーもあれば、料理の得意な主婦の方もいる。食材をつくる生産者とそれを食品に加工する製造者、両者が繋がる場所にしたいです。オフィスの他のメンバーにプロモーションやデザインの相談もできるのがメリットです」

「単に空間や設備を提供するだけなら、ただの「箱」。全国どこのコワーキングスペースでもできます」と津田さんはいう。人と人を繋げること、そこから新しいビジネスや仕事のかたちを生み出そうとする姿が各所で見られた。

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「東京の大手企業の社員から地元のお豆腐屋さんまで、この場所にいろんな方が名刺を残していきます。『こんなことを募集しています』『こんなことをやっています』という情報が集まっているので、自然と『この人に連絡を取ってみよう』となるんですね」

まるで、クラウドワークサービスのリアル版のようだ。

「さらにここ1年で力をいれたのが、パソコンの操作方法から新事業の立ち上げまで『いろんな仕事の相談を運営スタッフの僕たちが聞きます』というサポートです。この取り組みの発表をしたら、ルバーブ農家のおじいちゃんが『ホームページをつくりたいけれど、いくらかかるか分からない』と早速やってきて。紹介したオフィス利用者のデザイナーさんと二人で『ものづくり補助金』を申請し、見事に獲得しました。地元のケーブルテレビからの相談を受けたときには、このオフィスからWeb番組の企画が生まれましたね」

利用者との主なコミュニケーションツールは「チャットワーク」。その他に一部でFacebookなどを利用している。会員や移住相談者の傾向はあるのだろうか。

「男女比でいうと男性が多いです。年齢は30代中盤をメインにその前後、家族持ちも半分近いという特色があります」と津田さん。

(扉写真:砺波周平、インタビュー撮影:城田正明)

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Route Design合同会社 代表

津田 賀央(つだ よしお)さん

2001年から2011年、東急エージェンシーにおいてデジタルコミュニケーション領域に関わるプランナーとして、さまざまな国内クライアント企業のデジタルプロモーションの企画やサービスに携わる。 2011年から2017年末まで、クラウド技術を用いたサービス開発やプロトタイプのデザイン、UX(ユーザー・エクスペリエンス)を設計するプランナーとしてソニーに在籍。 2015年5月から長野県の富士見町へ移住。町役場との共同プロジェクトの企画設計や実行を機に、同年7月にプランニング会社Route Design合同会社を設立。地元から東京の企業までをクライアントに、UXデザイン、ソーシャル/コミュニティデザイン、プロダクト開発、スペースの企画運営、コンサルティングなど、東京と地方地域を行き来しながらさまざまなプロジェクトに幅広く携わっている。

Route Design(ルートデザイン)合同会社

「次なる時代の価値に向けた道標となるような取り組みを、共感できる仲間と共に作り育てたい」という津田さんの思いから、地域の取り組みをデザインするプロジェクト・デザインチームとして設立。地域課題や企業課題、商品・サービス課題を拾い上げ、課題の道標となるような取り組みをさまざまな観点からデザインしている。 人や組織、地域を、目指すべき先へ導くための「ビジョン策定」。課題を可視化し解決へとつなげる「コンセプト設計」。コンセプトを具現化する「クリエイティブデザイン」。そのすべてを実現するための「チームビルディング」。これらを一つの取り組みとして、歩むべきルートを描き導くことを仕事にしている。

住所
長野県諏訪郡富士見町富士見3785-3 富士見 森のオフィス
設立
2015年7月
企業HP
http://www.routedesign.net

仕事が繋がっていく好循環

ここで時計の針が正午を指した。会社ではないので昼休みは利用者各自が自由に取れるが、それまで黙々と仕事をしていた人たちが一斉に立ち上がる。その理由はカレーの香り。毎日、日替わりのキッチンカーが森のオフィスにやってくるのだ。

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松田裕多さんは森のオフィスがオープンして半年後、2016年6月からRoute Designのメンバーになった。東京のメーカーで商品企画やデザインをしていたが、知り合いを通じて津田さんと出会う。津田さんの「働き方を変えたい」という思いに共感して退職、グラフィックデザイナーの妻とともに富士見へ移住した。

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松田さんはRoute Designのメンバーとして森のオフィスの運営管理をするが、フリーランスのアートディレクター/デザイナーとしても活動している。東京のデザイン活動と富士見でのデザイン活動を比べて、大変なところはなかったのだろうか。

「東京だとデザイン費用一式いただいてやりますが、富士見では費用感がわからないところがほとんど。どういう契約で組むのかはこちらに来て初めての経験でしたが、そういったところから津田さんと一緒につくってきました」

プロジェクト単位の仕事をスモールチームで進めることを目指していたという津田さんの言葉通りに、柔軟な働き方を実践する松田さん。新しい仕事を生み出すのにもスピード感がある。

「富士見は『こんなことをやりたいね』という着想が、わりとすぐに実現してしまう土地です。富士見町に本社を構える小笠原商店という寒天屋さんは、東京の有名な老舗和菓子店に糸寒天を卸している由緒ある会社ですが、創業101年目にして自社のオリジナル商品を出したいという相談を受けました。商品開発、コンセプト、パッケージデザイン、ブランディングのすべてを担当したのが『南アルプス塩ようかん』です」

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この「塩ようかん」は、一棹2700円(税込)の高級商品。オンライン販売のほか、小淵沢にある「リゾナーレ八ヶ岳 星野リゾート」でも販売されている。塩ようかんを目に留めて「こういう商品をつくれるなら、こんなこともできませんか?」と依頼されたのが、北杜市の「セラヴィリゾート泉郷」一部リニューアルに伴うブランディングだった。

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コンセプト部分も含めて「星降る森のレジデンス」というブランドのネーミング、メッセージ、ロゴデザインを練り、コピーは津田さんと松田さんが書いた。彼らが手がけた仕事が評判を呼び、さらに新しい仕事が依頼されるという好循環が回り出した。

自主プロジェクトから始める

Route Designに限らず、次第に森のオフィス全体が「実力のある人が集まっている場所」「何かが起こっている場所」と認識され始めたという。新たな相談が来たときは「誰と誰を繋げると、こういうことができる」と利用者を組み合わせ、相乗効果を生んできた。松田さんはそんな利用者との関係を“ドリームチーム”と呼ぶ。

あるときは3人の利用者から同時に「メディアを立ち上げたい」との相談を受けた。そのうち一人がテレビ番組制作の経験者だったこともあり、津田さんは彼らに「富士見の人をアーカイブしていくウェブメディアをつくったらどうか?」と提案した。

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「sen-nin 富士見の人とくらし」は、記事、映像、音声、写真、ラジオ、冊子などを駆使して標高1000mにある信州富士見町の”ひとびと”や”くらし”を伝えるメディア。
http://sen-nin.life/

「この『sen-nin 富士見の人とくらし』はテキストの記事と映像からなるブログメディアです。まずは自主プロジェクトとしてノーギャラでやっていこうと。でも、これを見たRoute designのクライアントであるSo-netが、彼らに映像制作を発注する運びになりました」(津田さん)

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So-netの約180万人の会員に向けたデジタルではなくリアルな体験を提供する「いきつけの田舎 touch」。富士見町、佐久市、原村の人たちと一緒に登山や農業体験ができる。「あなたにとって行きつけの田舎をつくりませんか?」がキャッチフレーズ。
https://www.so-net.ne.jp/touch/

sen-ninチームと朝日新聞社の協働で「町民ライター」を育てようという企画も生まれた。第一線の新聞記者たちから取材のノウハウと記事の書き方を教わりつつ、映像制作も学べるという盛りだくさんな講座だ。

「誰から依頼されたのでもなく自発的な仕事をしたことで『この人たちにお願いしたい』と声がかかり、結果的にプロモーションになりました。町の人たちにとっても自分たちがアーカイブ化されていくことで残るし、さらにこうした仕事が生まれる森のオフィスに利用者が集まるといういい循環が起こっています」(津田さん)

個室に入居する企業同士で地域電力会社を立ち上げるなど、森のオフィスの2年間の歩みから生まれたものは多い。有志の活動が盛り上がり、今では大勢を集めている試みもある。たとえば、松田さんが担当する「キッズプログラミング教室」だ。

「地元にあるエプソンの専門学校でプログラミングを教えていた主婦の会員さんがいて『せっかくこういう場所があるのだから、子どもたちにも何か教えたい』と6?7人の有志によるボランティアで始まったものです。多様な大人と接点がもてると、子どもにとって将来の選択肢が増えるんじゃないかという発想でした。受講生は小学生から中学生。2020年に学校でプログラミングが必修化されるので、それを念頭に置いた内容です」(松田さん)

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「会場は食堂です。口コミでどんどん広がって、会議室では収まり切らなくなりました。昨年までは無料だったんですが、今年から機材を購入するので有料にしようと思っています。保護者の方が月謝を払ってでもやってほしいといってくださっているのがありがたいです」(松田さん)

(扉写真:砺波周平、インタビュー撮影:城田正明)

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Route Design合同会社 代表

津田 賀央(つだ よしお)さん

2001年から2011年、東急エージェンシーにおいてデジタルコミュニケーション領域に関わるプランナーとして、さまざまな国内クライアント企業のデジタルプロモーションの企画やサービスに携わる。 2011年から2017年末まで、クラウド技術を用いたサービス開発やプロトタイプのデザイン、UX(ユーザー・エクスペリエンス)を設計するプランナーとしてソニーに在籍。 2015年5月から長野県の富士見町へ移住。町役場との共同プロジェクトの企画設計や実行を機に、同年7月にプランニング会社Route Design合同会社を設立。地元から東京の企業までをクライアントに、UXデザイン、ソーシャル/コミュニティデザイン、プロダクト開発、スペースの企画運営、コンサルティングなど、東京と地方地域を行き来しながらさまざまなプロジェクトに幅広く携わっている。

Route Design(ルートデザイン)合同会社

「次なる時代の価値に向けた道標となるような取り組みを、共感できる仲間と共に作り育てたい」という津田さんの思いから、地域の取り組みをデザインするプロジェクト・デザインチームとして設立。地域課題や企業課題、商品・サービス課題を拾い上げ、課題の道標となるような取り組みをさまざまな観点からデザインしている。 人や組織、地域を、目指すべき先へ導くための「ビジョン策定」。課題を可視化し解決へとつなげる「コンセプト設計」。コンセプトを具現化する「クリエイティブデザイン」。そのすべてを実現するための「チームビルディング」。これらを一つの取り組みとして、歩むべきルートを描き導くことを仕事にしている。

住所
長野県諏訪郡富士見町富士見3785-3 富士見 森のオフィス
設立
2015年7月
企業HP
http://www.routedesign.net

健康経営のビジョンを提供

もう一人、森のオフィス立ち上げ時からのメンバーが松井彩香さん。フリーランスのプロジェクトデザイナーをしながら、Route Designのメンバーとしてオフィスの企画・運営を担当している。

愛知出身の松井さんは、名古屋と東京で編集やPR、プロデューサー、セットデザインなど幅広いキャリアを積んだ後、津田さんが語る「新しい働き方」に共感して森のオフィスの立ち上げに加わった。

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「もともと両親が富士見の隣りにある原村に家をもっていて、大学生のときから遊びに来ていました。東京でフリーランスで働きながら、時間があれば毎月のように訪ねていたんです。ずっと通っていたけど知り合いもいなかったし、ここにコミュニティをもてるというのがいいなと思いました。お仕事の価値観の話がマッチしたので、津田さんとお話しして1週間半で富士見へ来ることになりました」

松井さんの大学時代の専攻は組織心理学。そのバックグラウンドを生かして立ち上げたのが、森のオフィスの利用者に定期的な回診と人間ドックの割引を提供する「Work & Wellnessサービス」だ。きっかけは近隣の茅野市にある「ライフクリニック蓼科」の医師や事務局員が開業前の準備室を森のオフィスに置いたことに始まる。

「地域医療や予防医療などを手がけている昨年建ったばかりのクリニックです。いろんな方の知見をシェアするトークイベント『森の知恵』に院長先生をあらためて招いたとき、森のオフィス利用者の方たちが健康や医療についてたくさんの疑問をもっているのがわかりました」

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「私が大学で健康に関わるオフィス設計などを研究していたこともあり、クリニックと協力して森のオフィス利用者の健康をサポートしたいと思いました。健康状態は仕事のパフォーマンスに大きな影響があるので、そこまで私たちがサポートすることが一種のビジネスサポートになると考えています」

スキルや思いを共有する場に

最後に、今後の目標を津田さんに聞いた。

「地方にどんどんコワーキングスペースができている現状において、どこも『田舎でリラックスして自然あふれるなかで仕事をしましょう』というメッセージを伝えていますよね。僕たちは2年間の歩みのなかで、その良さは十分、証明できたと思います。それだけでなく、僕らは地域のビジネスを活性化させていくことにも力を入れます。プロジェクト型のワークスタイルを一般的なものにさせて、大きな企業ではなくても自分たちで仕事をつくっていけることを実証したいのです」

そのためにも、今年は「森の知恵」やプログラミング教室といったスキルアップに力を入れていこうとしている。

「これまで通りに仕事相談でビジネスの活性化をフォローしますが、それと同時に、コワーキングスペースの利用者に対してスキルを付けていき『新しいことにチャレンジできる場』に成長しなくてはならない時期に来ています。それは、フリーランスも組織に所属している人も同様です」

松井さんが中心になって始まった月1回のワークショップ型イベント「ignite!(イグナイト)」は、地元企業に勤めるエンジニアとフリーランスがお互いに好奇心を刺激し合うような仕組みを考えている。

「あるとき松井が『ワイガヤ』をやりたいんだといってきました。いろんな人の話や課題を聞いて、それをどう解決できるかワイワイガヤガヤと話し合う。その後、グループに分かれて解決するためのプロトタイプをつくる。つくったら誰かに見せて、アクセラレーションまでやる。12回の年間プログラムで最終的にはベータ版でもいいからリリースを目指す試みです」

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会社勤めの人でも無理なく参加できる、あるいは遠方から駆けつけても間に合うよう、ignite!は平日夜に開催される。発案者のひとりの松井さんが、この企画に込める思いを話してくれた。

「igniteは『着火する』という意味です。企画の発端は、地元の会社に勤めている方たちからの『組織の中で思うようなものづくりができていない』『自分が価値のあるものをつくれているかがわからない』という生の声でした。一方で、農家の方から『農業に役立つアプリの開発に関心があるのだけど、どうやってつくったらいいかわからない』といった相談を受けたりします。働くモチベーションだったり、自分の属する組織をもっと良くしたいという気持ちだったりを大事にして、その火を消さないようにしたい。日々の仕事で感じるギャップを埋めていくことで、皆が幸せになる活動をやっていきたいと思います」

松井さんは「単なる実験でなく、最後はクラウドファンディングなどで形にしていきたい」と力を込める。会社とはちょっと違う、仕事のための場所。新しい働き方への道筋(ルート)をデザインする津田さんたちの挑戦は、これからも続いていく。

「縁もゆかりもなく移住したから、最初は仲間ができるかわかりませんでした。僕たちは場所づくりをしたり、サービスを立ち上げたり、ときにはコミュニケーションを考えることで、働き方に共感する仲間を増やしていきました。困っている人とずっと喋っているだけでもいいと思うんです。リアルな『場』を介することで、そのうち生まれてくるものがあります。それを実感しに、森のオフィスを気軽に訪問してほしいです」(津田さん)

(扉写真:砺波周平、インタビュー撮影:城田正明)

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Route Design合同会社 代表

津田 賀央(つだ よしお)さん

2001年から2011年、東急エージェンシーにおいてデジタルコミュニケーション領域に関わるプランナーとして、さまざまな国内クライアント企業のデジタルプロモーションの企画やサービスに携わる。 2011年から2017年末まで、クラウド技術を用いたサービス開発やプロトタイプのデザイン、UX(ユーザー・エクスペリエンス)を設計するプランナーとしてソニーに在籍。 2015年5月から長野県の富士見町へ移住。町役場との共同プロジェクトの企画設計や実行を機に、同年7月にプランニング会社Route Design合同会社を設立。地元から東京の企業までをクライアントに、UXデザイン、ソーシャル/コミュニティデザイン、プロダクト開発、スペースの企画運営、コンサルティングなど、東京と地方地域を行き来しながらさまざまなプロジェクトに幅広く携わっている。

Route Design(ルートデザイン)合同会社

「次なる時代の価値に向けた道標となるような取り組みを、共感できる仲間と共に作り育てたい」という津田さんの思いから、地域の取り組みをデザインするプロジェクト・デザインチームとして設立。地域課題や企業課題、商品・サービス課題を拾い上げ、課題の道標となるような取り組みをさまざまな観点からデザインしている。 人や組織、地域を、目指すべき先へ導くための「ビジョン策定」。課題を可視化し解決へとつなげる「コンセプト設計」。コンセプトを具現化する「クリエイティブデザイン」。そのすべてを実現するための「チームビルディング」。これらを一つの取り組みとして、歩むべきルートを描き導くことを仕事にしている。

住所
長野県諏訪郡富士見町富士見3785-3 富士見 森のオフィス
設立
2015年7月
企業HP
http://www.routedesign.net

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