新たなビジネスまで創り出す、シェアオフィスの進化系が福岡に誕生
GLOCAL MISSION Times 編集部
2018/06/04 (月) - 08:00

福岡市博多区に日本最大級のシェアオフィス&コワーキングスペースがオープンした。その名も「The Company(ザ・カンパニー)」。その特徴は、単に「場所」を貸すだけでなく、集まった会員によるビジネスコミュニティをめざしていること。すでに新たなプロジェクトが続々と生まれているという。ゼネラルマネージャーの瀬戸智弘さんに詳しいお話を伺った。

異業種のプロ同士がつながりあう新しい形のコミュニティ

―まずは「ザ・カンパニー」のコンセプトと事業内容について教えてください

「ザ・カンパニー」は、「Zero-Ten」という会社が2016年12月に福岡市でスタートした事業になります。わかりやすくいえばシェアオフィスですが、単に場所を貸すだけではありません。コンセプトは「ワークリンク・ワークシェア」。いろんな業種の人が集まって、いろんなクリエイティブなことをすれば、1つの会社になるんじゃないかという発想からスタートし、そのためのコミュニケーションの場所として「店舗」を作ってきました。国内1号店がキャナルシティ博多前、2号店がパルコ店、海外1号店がフィリピンのセブにあります。次の店舗はアジア各国への進出を計画中。
国内外問わず、皆さんの使い勝手を考えながら広げていくイメージでいます。

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―施設を利用する側にとって、どのような点が魅力でしょうか?

コワーキングスペースのほか、会議室、イベントルームなどがあります。コピー機もシェアして使えますし、来客があればコーヒーサービスも自由。受付もあるので、荷物も届きます。スタンダードな秘書サービスがついている感じですね。

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―映像・照明演出・Web制作などを手がける「Zero-Ten」がこの事業に着目されたのはなぜ?

「Zero-Ten」は、プロジェクションマッピングなどの映像サービスや照明演出、Web制作、テナント設営、テナントプロデュースなどを手がけている会社です。
和太鼓エンターテイメント集団 「DRUM TAO」さんの映像演出や、新国立劇場でバレエ団・絵画・映像を融合させた舞台空間の映像演出を企画・制作しました。
福岡では、市内最大の公園である大濠公園の常設ライトアップなども手がけてきました。といっても、僕たちだけですべてをまかなうことはできません。どうしても外注にお願いする部分も出てくるのですが、仕事が発生するたびに1から外注を探し始める苦労も多かったんです。だったら、信用できる会社に集まってもらい、プロフェッショナル同士のコミュニティを作って、一緒に仕事をやってくれる土台を作ろうというのが、この事業の出発点でした。だから決してここを自習室みたいには考えていなくて、コミュニケーションがとれる場所というふうに考えています。このキャナル店もテーブルだらけなんですが、お互いがすぐに声を掛けられるように、あえて動線は作っていません。廊下などもできるだけ作らずに、人が後ろを通れるようにしているんです。

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―導線の設計以外に、会員同士が声を掛けやすくするための工夫はありますか?

受付が結構、“肝”なんです。ICカードがシステムと紐付いていて、どういう業種の、どこの会社の、誰がいるのかが、わかるようになっています。例えば、「デザイナーを探しているんだけど?」と受付に相談すると、受付が「○○さんという方がいます」とご案内できる仕組みになっているんです。

―人と人をつなぐという意味で、受付の方はかなり重要な役割を担っているわけですね。

はい。ただ、いくら仕組みがあるといっても、システム上の情報だけでは的確なご案内はできません。ですから受付スタッフはメンバー資料を見て、どういう会社さんなのか、というのを自分たちで調べて、厳選して、この人だと繋がるかな、ということを繰り返しています。受付業務は各店舗2.5人でまわしているんですが、彼女たちはかなり優秀ですね。

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会員専用のSNSを使って、プロジェクトと人材をマッチング

―御社がHPで掲げられている内容についていくつか伺います。まず、「プロジェクト創生型ワークスペース」とは?

ここは単なる自習室ではなく、何かを生み出すための場所ですよということです。フリーランスであっても企業であっても、その枠を超えて自由にチームを作ることができれば、新たなプロジェクトにチャレンジすることができる。この場所から、プロフェッショナルなチームとワクワクするようなプロジェクトが誕生してほしいと考えています。このコンセプトは入会時に必ず皆さんにお伝えしていますし、施設の内覧のときもしっかり説明する時間を設けています。単なる施設の使用方法だけでなく、こんな感じで使っていただいています、こういう感じで使ってください、という具体的な提案もしています。

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―次に「独自SNSと専任CommunityStaffによるプロジェクト共有」とは?

会員様には、独自のSNSを用意しています。Facebook の仕事特化版みたいなイメージですね。検索すると、全店舗(セブを除く)を使っている約150社、330名の方たちのプロフィールが全部出てきます。職種はもちろん、これまでの経歴を見ることも可能です。Facebook でいうタイムラインのような機能もあり、ここにはなんでも書いていいよっていう形にしているので、仕事の受発注なども実際にここで行われています。例えば、「某イベントの海外PRを探しています」とか、「ランジェリーブランドのイベントプロジェクトメンバーを探しています」とか。予算や仕事内容、契約期間なども細かく書かれています。月に約20の案件が掲載されていて、ヒット率もかなりいいそうです。80%くらいと聞いています。

―月に20もの案件が掲載されているとは驚きです。実際に、これまでいくつのプロジェクトが生まれたのでしょうか?

正確にはわかりませんが、たぶん100はあるんじゃないでしょうか。ここをきっかけに1回コミュニケーションが始まると、どんどん広がっていくので。あとは勝手に生まれていく感じですね。笑顔がどんどん増えていくと、僕らもうれしくなります。

―こういった場所は東京にあってもいいと思うのですが、なぜ福岡の地に。何か狙いがあったのでしょうか?

僕たちの目的は賃貸収入ではなく、仕事を生み出すため。だから入居者も、最初は僕たちが考えている会社に「入ってくれませんか」とこちらからお願いして埋めていったんですよ。例えばキャナルシティ店なら、人材派遣会社、システム会社、エンジニアチーム、芸能事務所…といった具合に、それぞれにカラーがあって、象徴となれるような会社に声を掛けました。それができるのが地元である福岡だということで、福岡でのスタートになったんです。それにたぶん、いきなり東京に行っても、300坪のスペースを貸してもらえなかったと思います。コミュニケーションをとろうと考えたら最低でもこれくらいの広さは必要。福岡で実績が生まれてから、東京に持って行った方がやりやすいと思っています。

―「マルチロケーションでメンバーのグローバル展開を支援」について解説していただけますか?

例えばザ・カンパニーの会員さんであれば、セブの店舗も使えるんです。現時点で国内と国外双方を利用している方はまだ少ないのですが、我々の努力しだいで店舗がどんどん増えていけば、会員さんは世界中のいろんな場所で仕事ができるようになります。今はフリー会員が2万300円ですから、この料金でどこでも使え、しかも使える店舗がどんどん増えていくのは、かなりお得ではないでしょうか。

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重要なのは都会か地方かではなく、そこに魅力的な人材がいるかどうか

―どんな方たちが、「ザ・カンパニーを利用されているのですか?

シェアオフィスというと、スタートアップ支援みたいなイメージがあるかと思いますが、うちの場合は、大なり小なり、既にサービスのある企業様が多いです。そのうえでベンチャーキャピタルのつながりを活かして、面接を通ったチームのスタートアップを支援するという取り組みもしたいと考えています。すでに、投資した瞬間から3ヶ月間無料でここを使えるみたいなことは始まっています。
※本プロジェクトの詳細はこちらです→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000018441.html

―利用者にはどういう業種、職種の方がいらっしゃいますか?

Web系のエンジニアや、デザイナーなどが多いですが、イベント制作会社やクリエイターなど様々です。
弁護士や会計士などの専門家も会員になっていただいています。

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―コミュニケーションの場として、オフィス以外にはどんな設備がありますか?

キャナルシティ店は、横にホテルも作っています。また会員さん同士がコミュニケーションできるよう、立ち飲みのお店やカフェも作りました。ラジオステーションも好評です。スタジオ機能があると、音声録音もできるし、固定カメラで YouTuberみたいな動画できますからね。

―地方への進出も視野に?また、どのような狙いを持って選定していますか?

進出先は、都会とか地方とかにこだわらずに考えています。例えばセブって、物価が安いので家賃収入はほぼないんです。でも優秀なエンジニアはすごくたくさんいるんですよ。その方たちと一緒に仕事ができるという理由で店舗を作ったんです。これからも、そこにいっしょに仕事ができる人がいるのであれば、店舗を作りたいと思っていますね。場所にしても、キャナルシティ店は巨大ですけれども、テーブル1つあればシェアオフィスはできると思っているので、そこにあった作り方でいいと思っています。

―最後に、この事業を通して瀬戸さんご自身が描く、今後のビジョンについてお聞かせください

The Companyでは様々なプロフェッショナルが集まりアイデアを出し合うことでより良い成果物が生まれると考えています。
大企業顔負けの集団が世の中にもっと面白いものを生み出す世界を創って行きたいです。

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株式会社Zero-Ten

The Company ゼネラルマネージャー

瀬戸 智弘さん

1978年、高知県出身。専門学校卒業後、音響照明会社にて舞台演出を学ぶ。 その後、2015年より株式会社Zero-Tenの映像ディレクターをつとめ、 現在はThe Company Japanのゼネラルマネージャー。

The Company

「ワークリンク」と「マルチロケーション」をキーワードに、単なる空間のシェアではなく、コミュニティの構築を。個人の働き方・組織のあり方を変革するワークスペース&コミュニティ

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