「3年経ったから転職」そこにはどんな意味がある?
木下 眞由子
2019/02/01 (金) - 12:00

転職のご相談に乗る際に、よく出てくるキーワードや会話があります。

「そろそろ3年経つので、転職を考えました」
「よく3年っていうじゃないですか」
「新規事業に携われると誘われて、転職しました」
「役職を与えられると聞いて転職しました」

これは、あなたにとってどういう意味で大切ですか?

3年経過したら転職する?

石の上にも3年
最初のキャリアは3年

3年は、最初のキャリアの土台になるような期間とされており、一通り迷いなくその仕事ができて結果が出せるようになるまでには約3年というところから、この3年のキーワードは出てきています。

転職が当たり前になったいま、転職相談に来られる方は「ずっとこの会社にいようとは思わなかった」「3年はやって次に移ろうと思った」とお話されます。
「では、転職を前提でこの3年間で何を得て、何をどうしたくて3年経過したから次に行こうと考えていますか?」の問いに、明確な理由があるわけではないようです。

なんとなく3年経過したからと年数をきっかけに転職するのは、本質的でしょうか?

3年でキャリアは終わりではありません。その先も続いていきます。最初の3年が終わったにしか過ぎないわけです。
3年が経過して、転職をする軸が、会社の組織規模や条件、コンテンツ、役職などに魅かれているという理由なのであれば、それは変化しうるものを追い求めて転職をすることになります。会社が変化する度に、あなたも会社を変えることになります。常に相手に振りまわされるキャリアになってしまうかもしれません。となると、3年がどうだこうだといっていられなくなるようにも思います。

自分を振り返るタイミング

いまの仕事に就いて丸3年という時期は、転職を考える前に、まず、3年で自分は今の会社と経験を通じて何を得られたのか、などの振り返りの節目にすると良いと思います。

3年で自分がやりきった、この先この会社にいて、どんなことをして、何を目的にするかなどを整理したうえで、本当に外と比較したほうがいいかもしれない。と思ったら、初めて外を見る転職活動に踏みきってみたらいいと思います。

転職活動は本気でやったほうがいいと思いますが、一方でいまの会社の大切やまだやりきっていない点などを発見する良い機会でもあります。
ただし、外の会社に失礼にならないように、ちゃんと自分がどうしたいのか、どう生きたいのかを考えたうえで、面談等に臨みましょう。この点を考えないで面談や面接に行くと、人事の人に相談に行っただけになってしまうので、自分の思考整理にはあまりつながりません。

自分がやりたいことが、今の会社でできるのか? 外に行ったらできるのか?
自分がなりたい姿には、今の会社でなれるのか? 外に行ったらなれるのか?

そして、3年経過したら…の話から先に進み、年数が重なっていくと自分のことだけじゃない転職理由も当然出てきます。家族ができた・増えたなど、自分だけのやりたいことやなりたい姿を追い求めばかりもいられなくなるかもしれません。そういうときこそ転職目的は、より重要になります。年齢が重なれば重なるほど、若手に比べるとより具体的な考えがあるかどうかを求められます。

その新規事業と役職の話、大丈夫ですか?

「友人に誘われて、新規事業を立ち上げるために転職しました」という話もよく耳にします。 ところが、現職を退職して、入社したときにはその新規事業の話は立ち消えていた。会社の状況が変わって、役職ではなくなった。など、最初のオファーの状況と入社したときの状況が変わっているケースも少なくはないようです。

もちろん、世の中の動向や会社の状況を、先見の明をもって判断できていたら最高だと思います。一方で、社会、会社、組織は常に変化する、水物のようなものであるという認識を頭の中に入れておくといいかと思います。その文言に踊らされて、ホイホイ入社してしまうのではなく、その新規事業の立ち上げを経験することが自分にとって、どういう意味を成すのか、またそのフェーズの企業に入ることがたとえ新規事業に携わらなかったとしても、意味のある、価値のあるものなのかなどを、立ち止まって考えてみることをおすすめします。

年齢が重なれば重なるほど、役職や新規事業の立ち上げに目がいく傾向があります。それは、自分のステージを上げたいというチャレンジの気持ちですから、それ自体は悪いことではありません。落とし穴となるのは、何のためか? が抜けているからです。

その目先の文言に捕らわれて、本質的な目的を忘れていませんか?
あなたのその3年間はどういうものでしたか? どんな3年間でしたか?
その新規事業、その役職、あなたのキャリアにとってどういう意味がありますか?
もう一歩だけ、もう一段だけ、深く考えてみてください。

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