北海道天塩町に世界がやってきた! 地方の中高生をグローバル人材に
田村 朋美
2018/02/28 (水) - 08:00

北海道の北、稚内空港から車で1時間半、人口約3000人の小さな町・天塩(てしお)町。この町で2018年2月4日に、天塩町と早稲田大学の学生団体「セカクル」主催、JAL協力によるグローバル人材育成プロジェクト「All Englishで世界に発信!北海道の魅力」が開催されました。

未来を生きる子どもたちへ捧げる、グローバル人材育成プロジェクト

「セカクル」とは、早稲田大学国際教養学部に通う学生で構成される学生団体。「あなたの学校に世界がやってくる!」を縮めてつけられた名称です。身近に英語を話せる日本人の存在が少ない地方に、国際的な経験をもつ大学生を派遣し、独自のプログラムで英語コミュニケーションと広い視野から考える面白さを伝えています。

今回セカクルがプログラムを提供したのは、北海道天塩町。外務省、首相官邸というキャリアを歩んでいた途中、自ら志願して副町長に着任した齊藤啓輔氏が展開する、「未来への投資」プロジェクトの一環として企画されました。

今回はJALの地域活性化推進部の協力も得られ、インド人スタッフも参加。ネイティブスピーカーと、海外経験を持つバイリンガル大学生主導による、外国人観光客誘致のために北海道の魅力は何かを話し合って英語でプレゼンする、丸1日のプログラムでした。

参加したのは天塩町内外の中高生20名。まずは6チームに分かれ、セカクルとJALの方がオブザーバーとして各チームに入り、北海道の魅力は何なのかを洗い出すところからスタートします。

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自分たちが魅力に思ったのは何かを英語でプレゼンし、その中間フィードバックをセカクルやJALの方からもらいます。

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次は、その魅力を外国人観光客に伝えるための第一歩。ブラジル、イタリア、ロシア、韓国からの旅行客を想定し、それぞれの国の特長や文化、食事といった情報を引き出すために、セカクルメンバーに英語で話しかけ、情報提供を求めます。

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集めた各国の情報を元に、自分たちはどの国の観光客を誘致するかをディスカッションし、その国の人たちが魅力に感じるような旅行プランを立案。各チームに入ったセカクルメンバーから、「イタリア人でもいろんな人がいるよね、家族なの? 女子旅なの? ターゲットを明確にしよう」など、的確なアドバイスを受けながら、中高生はブラッシュアップを重ねました。

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同時に、英語でスピーチするための準備をして、最終プレゼンに入りました。プログラムが始まった当初は英語を話すことを恥ずかしがる人もいましたが、最後は全員が自信を持って英語でプレゼン。どの国の誰をターゲットにした旅行プランなのか、どのような魅力があるのかが伝わるものばかりで、それぞれに見せ方も趣向を凝らしていました。

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最後に、JALのインド支店から来日したNarender Bisht氏が、インド人から見た北海道の魅力をスピーチ。地元の人が考える北海道の観光プランと、外国の人が魅力に思う「行きたい場所」には違いがあることに気付けたのではないでしょうか。

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天塩町の子どもたちに、大きな学びと気付きを与えたグローバル人材育成プロジェクト。開始時に比べると、明らかに子どもたちの声の大きさや目の輝き、いきいきとした表情が違っていました。英語の会話が楽しい、伝わると嬉しい、こうした小さな成功体験を積み重ねることは、「天塩町に生まれ育って良かった」という誇りにもつながることでしょう。

人口減少、超少子高齢化が進む日本。これから社会に出る子どもたちのために、大人がすべき未来への投資のひとつが、子どもたちをグローバル人材に育てることです。そして、子どもたちの視野が広がることで、町に住む大人たちも考え方を変え、自分たちの力で自走できる仕組みをいち早く作らなければいけません。待ったなし状態の日本で、未来を生きる子どもたちのために。天塩町はこれからも未来に投資し続けます。

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(写真:岡村大輔) 

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人口3000人の北海道天塩町が世界とつながる、グローバル人材育成プロジェクト

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