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転職&Iターン成功の秘訣はブレない目標とポジティブシンキング
イソナガ アキコ
2019/03/18 (月) - 08:00

広島県東部にあたる安芸郡府中町は、自動車メーカー・マツダが本社を置く企業城下町。縁もゆかりもなかったこの地に、東京から転職・Iターンした竹山さん一家。転職を決意したきっかけや、地方でのキャリアアップ成功の秘訣など、転職移住希望者のヒントになるようなお話をたくさん教えていただきました。

転機は同僚の離職と50代で転職した先輩の言葉

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竹山佳吾さんは静岡県出身。大学時代を東京都で過ごし、卒業後は東京に拠点を置く外資系IT企業に就職。2007年、同じ会社に勤めていた奥さまと結婚した。奥さまは結婚後も同じ職場で仕事を続け、勤務先に近い都内で暮らしていたが、ご主人の竹山さんの転職をきっかけに2017年広島県に一家でIターンした。

前職のIT企業では、ITアーキテクトとして自動車産業向けソリューションのプロジェクトに多く携わっていた。ITアーキテクトとは、ビジネス戦略に対して情報システム全体の設計に関わる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計する技術職のこと。それなりにやりがいも感じていたが、ある時期から同期入社の仲間やプロジェクトメンバーの離職が増え始めた。同じプロジェクトで働いていた50代の先輩も「あと10年、何をして過ごすか考えてみた」と言って転職していった。それを機に、「じゃあ、自分はあと20年をどう過ごそうか」と、考えるようになったという。

5年を費やしたプロジェクトがちょうど終わりかけたタイミングで、具体的に転職を考え始めた。そのプロジェクトは他部門と進めていくプロジェクトで、同じ部門の仲間との関わりも希薄になりつつあった。そんなことも転職への気持ちに拍車をかけたのかもしれない、と竹山さんは当時を振り返る。

社内での部門異動も検討したうえでの決断

しかし、初めから他社への転職を考えていたわけではない。「社内でもグローバルな環境でできるプロジェクトやAIなどの新しい技術開発に関われる仕事を探しつつ、外部のユーザー企業への転職も同時に模索していました」。しかし結果的に社内では難しいと判断、いくつかのユーザー企業の面接を経て、マツダへの転職を決断した。

数ある候補の中から最終的にマツダに決めたのはどんな理由なのか。
「自分はずっとグローバルでの仕事がしたいと思っていました。それが一番できそうなのがマツダだったんです」。
いずれは海外を拠点に働きたいという夢があったという竹山さん。前職の外資系IT企業に勤めている時もグローバルのプロジェクトに参加したこともあり、グローバルのロールアウトのプロジェクトでは、アメリカ、タイ、インド、中国など多国籍なメンバーで構成されたチームで、海外拠点へも出張し、現地メンバーとも協業した。マツダでならそういったグローバルなプロジェクトの仕事を続けられそうだったこと、そして海外拠点での仕事の可能性が前職より高いことが、転職の決め手になった。

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前職のIT企業時代の一コマ。バンコクにてグローバルのプロジェクトメンバーと。

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現地サポートで、前職の同僚とジャカルタにて。

念願のグローバルのプロジェクトで

「マツダは他の自動車メーカーに比べて少し規模が小さい分、各プロジェクトにおいて、個人の裁量でグローバルな仕事をさせてもらえることが多いので、その点で前職よりもやりがいを感じています」

現在は、マツダの販売拠点である北米、欧州や、生産工場があるメキシコ、またソフトウェアベンダーの海外拠点等に出向き、システム開発の新技術を展開するグローバルなプロジェクトをリードしている。

業務内容的には前職とほぼ同じだが、グローバルなプロジェクトで自分のスキルを発揮できる機会が増えたこと、そして将来的に希望している業務にチャレンジできる可能性も感じているというところで、転職には満足しているそうだ。

できないことではなく“できること”に目を向ける

一方、同じ外資系IT企業に勤めていた奥さまは、竹山さんの転職・移住の決断をどのように受け入れたのだろうか。
「当時の上司に、家庭の事情で広島に転勤させてほしいと相談したら、ありがたいことに叶えてもらえたんです。でも半年ほどで二人目を妊娠・出産して、今は育児休業中です」。もうすぐ育児休業も終わり職場に復帰予定だそうだが、転勤して早々に育児休業を取ることになり申し訳ないとも思ったという。

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「ただ半年だけでも仕事をさせていただいたことで私という人間を知ってもらえたし、戻れる場所ができたことが大きな収穫です」。できないことにくよくよしても仕方がない。そう考えて、気持ちを切り替えた。そんな彼女に職場の仲間は復帰を楽しみにしているというメールを送ってくれたそう。

「夫の仕事だったり、子どもが生まれたり、そういうことで今までできていたことができなくなったりするのはどうしようもないこと。できないことを無理してやっても続けられなければ意味がないですよね。その時々の条件の中で無理せず、まずは自分ができることを見つけて、そのできることに最大限の力を尽くして成果をだすようにしたい。そういう風に自分自身で折り合いをつけていくということが大切だと思っています」

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そんな前向きな彼女であっても、やはり知り合いが誰もいない場所で、小さな子どもを抱えて生活することに不安はなかったのだろうか。
「離れている友人たちの近況もSNSなどで分かるし、連絡も頻繁にとっているので距離感もあまり感じないですね。また子どもがいることで、保育園や学校を通じて新しい友人や知り合いも増えましたし、街を歩いていても声をかけてもらうことも多くて、寂しいとか不安を感じることはほとんどないですね。それに夫は最終的に海外で仕事をしたいと言っているので、言葉も文化も違う海外へ子ども連れでいきなり行くことを考えたら、日本内ならどこでも大丈夫と思えました(笑)」

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小学校1年生の長男の学校ではPTA役員も務めているそうだ。学校のPTA役員といえば、ほとんどの保護者ができれば避けたいと思うものだが、それをあえて引き受けたのは、PTAの活動を通じて友達や知り合いを作りたいと思ったからだという。そんな風に、どういう状況であっても柔軟に適応できる奥さまの存在は、竹山さんにとってまさに心強い存在だ。

人も街ものんびりしていて暮らしやすい

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江田島でミカン狩りを楽しむ長男。広島に移住して自然と触れ合う機会が格段に増えたという。

そんなお二人に広島の印象を聞いてみると、部屋は広くなりましたが、思ったより家賃が高いという答え。さらに「育児支援の面でも、広島県は世帯所得によって乳幼児医療費や保育料の補助が決められるので、共働きの我が家は痛いところです。東京では所得に関わらず補助があったので、その分の負担は増えました」

それでも、人も街もどこかのんびりしている広島での暮らしは気に入っているという。
「お買い物をしていて驚いたんですが、探しているものがそのお店になかったら、『あちらのお店ならありますよ』と店員さんが親切に教えてくれるんです。品物の種類はやっぱり東京の方が多いですが、お店の方が親切なのはありがたいし、どうしても必要なものはすぐにネット通販で手に入るので不便はありません。あと、東京のようなひどい渋滞や混雑はないので、車での移動が苦にならなくなりました」。
旅行やスキーが趣味だという竹山さん夫妻。休日には九州や中四国地方へドライブしたり、広島県北のスキー場でスキーを楽しんでいるそう。

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友人に誘われてMAZDA Zoom-Zoomスタジアムで試合を初観戦。

そして何より広島での暮らしを満喫しているのは、今ではすっかり広島弁もマスターした長男だという。広島といえば、地元野球チームのカープ人気の凄さで知られているが、長男もカープにすぐに夢中になった。お気に入りの選手は野間選手だそうで、背番号入りのTシャツももうすぐゲット予定だ。通学時にはカープの赤い帽子を毎日被って行く。

「東京で例えば巨人の帽子をかぶっている子どもってほとんどいないですよね、でも広島の子どもたちは普通にカープの帽子をかぶっているんです(笑)。テレビをつけたらカープのニュースや番組ばかりやっているし、引っ越してきたばかりの時は驚きました」。そんな竹山さん一家も今ではみんなカープファンだそうで、去年はMAZDA Zoom-Zoomスタジアムでカープの試合観戦も楽しんだ。

「野球をきっかけに、子どもが体を動かすのが好きになってくれたのもよかったなと思います。東京では公園に行きたいと言うことはなかったのですが、広島では、放課後、校庭で友達と野球をしたり、休日も親子で公園へ行って、サッカーやキャッチボールしたりします」と竹山さんは嬉しそうに話す。

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東京時代に比べてライフスタイルも健康的になったそうで、最近受けた健康診断の結果がとても良くなっていてびっくりしたとのこと。プライベートの充実度も増しているようだ。

移住するなら子育て中の30代・40代がおすすめ

そんな竹山さん夫妻に、これから「転職」「移住」を考えている人へのメッセージをお願いした。

竹山さんは自身のキャリアアップを考えての「転職」が結果的に「移住」を伴った、という感覚だそうで、移住についてはあまり意識したことはなかったとしながらも、「地方だからなのかどうかはわからないけど、こちらの方が人が優しいというか、会社の中の雰囲気も仕事を進めやすいと感じます。仕事内容も今の方がやりがいを感じているので転職してよかったなと。物理的なところでは、人混みとか渋滞から解放されましたね。それを考えるともう東京には戻れないかも(笑)車を運転して出かけるのが好きなので、地方での暮らしに満足しています」

一方、奥さまは「新しいことにチャレンジするなら、落ち着いてからというよりは、少しでも若い30代、40代の方がいいかなと思いました。やっぱり移住するにはパワーも必要だし、あと子育て中の方が新しい環境でも、友達や知り合いを作りやすいと思います。」

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年に一度、地域住民や社員を対象にマツダ本社にて開催されるマツダオープンデーにて家族と記念撮影。

場所にこだわることなく、自身のキャリアアップを視線の先に見据え転職・Iターンした竹山さんと、ポジティブシンキングで子育てしながらの移住も軽やかにこなす奥さま。「考えるより動く」何事もうまくいく秘訣はやっぱりそこにあるのかもしれない。

竹山 佳吾さん

1977年、静岡県出身。大学時代を東京で過ごし、新卒で外資系IT企業に入社。前職ではITアーキテクトとして、自動車業界のお客様のシステム構築を担当していた。海外拠点で活躍できる職場を求めて、2017年にマツダ株式会社に転職。それに伴い、家族とともに広島へIターンする。転職先のマツダ株式会社では、システム開発における新技術の導入を担当。奥さまと子ども2人の4人暮らし。小学校1年生の長男を筆頭に、今では一家揃って広島東洋カープに夢中。

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