ヤマトグループとJALが連携し、日本の新鮮な農水産品を販売するアンテナショップをパリに開設
GLOCAL MISSION Times 編集部
2018/07/24 (火) - 07:00

ヤマトホールディングス株式会社(以下:「ヤマトグループ」)と、日本航空株式会社(以下:「JAL」)は、日本の生産者のフランスでの新たな販路拡大、フランスの消費者のより豊かな生活の実現に貢献するために、日本の新鮮な農水産品の輸出入手続きから、各種輸配送、現地販売までをトータルで提供するプロジェクトを開始することを発表した。

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日本国内における食品産業の市場が、少子高齢化や人口減少に伴い縮小が見込まれる一方で、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、海外での日本食や日本食材への需要は高まりを見せ、日本の農水産品の生産者や企業も拡大する海外市場への販路拡大の検討を進めている。

特にフランスは、日欧EPAの発効や、日仏交流160周年を記念したジャポニスム2018の開催、また食に造詣が深いといった文化的背景もあり、日本企業にとっては非常に魅力的な市場となっている。しかし、日本の生産者が海外への販路拡大を図るにあたっては、煩雑な輸出入手続きや現地での販売先の開拓、言語の壁などが課題となり、多くの生産者が進出を諦めているという現状があった。またフランスなどEUは食品に関する安全基準が厳しく、輸出入に関わる各種許可申請や輸入禁制品などをしっかりと把握した上での対応が求められていることも市場参入を困難にさせる原因のひとつになっていた。

その様な日本の生産者や企業が抱える課題を解決し、現在日本の国策の1つである地域活性化・地方創生を実現および農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標達成に貢献するため、これまで日仏間で輸送業務やそれに関わる各種輸出入手続きを行ってきた両社によって今回のプロジェクトが発足された。

その第一弾として日本の農水産品の日本からフランスまでの輸出入手続きから、フランス・パリ市内の配送までをトータルで行うことができるプラットフォームの構築と、フランスのパリ中心部に位置するWorkshop ISSE内に、販売する拠点としてアンテナショップ「Le gout du Japon(※1)」を2018年9月上旬開設し、日本の農水産品の販売およびテストマーケティングを行う。

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ヤマトグループとJALが各々持つ機能を連携させ、商品の調達から日本・フランス間の輸出入及び配送、販売場所の提供、実店舗での販売までをトータルで提供することで、日本の生産者が容易にフランス・パリに輸出し販路を拡大できるサービスを提供し、フランス国内での配送は、欧州第二位の国際エクスプレス事業を行うDPDグループに属し、フランス国内最大手のエクスプレス事業者であるクロノポスト社と連携し行なっていく。

今後はアンテナショップでの直接販売だけでなく、日本食レストランへの食材の提供や、クロノポスト社(※2)のフランス国内におけるネットワークを活用し、ECで注文を受けた商品をフランスの消費者に直接配送する等、販路の多様化を検討していく。また、将来的にはDPDグループのネットワークを活用した事業拡大を行っていく予定だという。

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【主な役割】
①ヤマトグループ
・日本国内からフランスまでの各種輸送に関わる手続き業務
・商品提案(取引先の生産者・事業者や、各都道府県・国などの行政と連携)
②JAL
・日本フランス間の航空輸送
・機内誌での宣伝や機内食活用などによる販促・インバウンド喚起
※現地販売は、フランス国内で日本食材を扱う店舗、レストラン、卸を運営するWorkshop ISSE が実施。

【サービス利用によるメリット】
①日本の生産者
・国内販売取引のみでフランスでの販売が可能となります。
・商品について、フランスでのテストマーケティング(嗜好調査)が可能となります。
②フランスの消費者
・日本からの産地直送の「旬」な食品を、自国の販売店で新鮮な状態で入手することができます。

※1 Le gout du Japon :直訳すると「日本の味」の意味。日本の美味しい食材をフランスに届けることで、消費者のより豊かな生活に貢献したいという思いをこめている。
※2 ヤマトホールディングスとクロノポスト社との連携について
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h29/h29_05_01news.html

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