株式会社守谷刃物研究所
たたら製鉄の流れをくむ高級特殊鋼「ヤスキハガネ」に、日本刀作刀の伝統技術を応用した精密加工で挑む
株式会社守谷刃物研究所
古代から鉄づくりが盛んで、玉鋼(たまはがね)の積み出し港として栄えた島根県安来(やすぎ)市。たたら製鉄の伝統を引き継ぎ、日立金属株式会社安来工場で製造される高級特殊鋼「ヤスキハガネ」を材料に、刀匠であった創業社長の日本刀作刀の伝統技術を応用。熱処理と精密研削加工を施した一貫生産体制で、ものづくりを行う特殊鋼精密加工メーカーが株式会社守谷刃物研究所だ。自動車に搭載される油圧ポンプ用ベーンの製造で、同社は2017年5月時点で世界シェアNO.1を誇る。
2017/06/19 (月) - 12:00

特殊鋼にさらに高い価値を与え、他を圧倒する品質で勝負

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島根県安来市は県の東部、鳥取県との県境に位置する。JR安来駅はJR米子駅から10分ほどの距離だ。民謡の安来節で有名だが、安来の名を冠したブランドはもう一つある。日立金属安来工場でつくられる高級特殊鋼「ヤスキハガネ」だ。高硬度でありながら、粘りと耐久性があるのがヤスキハガネの特性だが、その硬さゆえ加工が難しい難削材でもある。

このヤスキハガネの加工、熱処理、精密仕上げを社内で一貫対応し、すぐに使える形にして世界中に送り出しているのが守谷刃物研究所だ。ヤスキハガネという特殊鋼にさらに高い付加価値を与える加工技術、安定的かつ高水準の品質を維持する検査技術が同社の「質の量産」を支える。

その一つが自動車のパワーステアリング等に使用される油圧ポンプ部品である「ベーン」。守谷刃物研究所製のベーンは世界トップシェアを誇り、毎年1,000万台以上の新車に搭載されている。

日本の主力大型ロケット、H-IIAロケットの切り離しに用いられる「ロケットカッター」も同社の製品で、高い精度や耐久性が求められる航空宇宙関連の分野で使われている。他社には真似できない精度の高い技術と安定した品質で、守谷刃物研究所には世界から引き合いがある。

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株式会社守谷刃物研究所

株式会社日立製作所安来工場の専属協力工場として、刃物を開発する守谷作業所を1953年に創業。1956年に日立製作所安来工場刃物研究所の閉鎖に伴い、守谷刃物研究所を設立し、独立した。世界的に高い品質と信頼性を誇る「ヤスキハガネ」の特性を最大限に生かした加工技術と安定した品質を維持する検査技術で、自動車・航空宇宙機器・医療器具など、さまざまな分野の製品開発を行う。

住所
〒692-0057 島根県安来市恵乃島町113-1
設立
1956年1月
従業員数
186名
資本金
1,000万円

1953年04月

安来市潮美町に守谷作業所を創業。守谷善太郎が代表取締役に就任

1956年01月

日立製作所安来海岸工場内に守谷刃物研究所を設立

1966年09月

安来市黒井田町200-29に工場を移転

1979年10月

守谷弘善が代表取締役に就任

1984年08月

安来市恵乃島町113-1に本社・工場を移転

1989年06月

守谷光正が代表取締役に就任

1996年07月

Hitachi Metals America, Ltd.との共同出資により、米テネシー州ニューポートに新会社NPI(Newport Precision Incorporation)を設立

2001年06月

守谷光広が代表取締役に就任

2003年03月

車載用(トラック、乗用車等)および油圧ポンプ用ベーンの製造でISO9001:2000認証を取得

2008年04月

東京営業所を開設

2009年03月

NPIを解散

2013年10月

ISO/TS16949:2009認証を取得

信頼性がシビアに求められる自動車関連部品の製造で世界トップシェア

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