株式会社ワコールが、京町家や古民家を活用した宿泊や物販、サービス事業への参入を5月30日に発表した。
職住一体の空間として長く利用されてきた京町家は、京都の都市景観を特徴付ける建築物だが、所有者の高齢化に伴って老朽化物件や空き家が増加しており、地域や行政にとって問題となっていた。一方で、国内外から関西へ訪れる観光客が増加する中、京都を中心とする宿泊施設は慢性的に不足している現状もあった。
今後ワコールは、宿泊施設運営を中心に事業をスタートする計画で、2018年4月に2～3店舗の開業を予定しており、5年後に京都市内で約50前後の施設展開を目指し、その後、京都府下や他府県での展開も視野に入れて事業拡大をはかる。
観光客に印象深い滞在体験を提供するだけでなく、歴史的価値のある京町家・古民家を保全・有効利用しつつ、地域の生活環境改善やコミュニティ形成にも役立てるコンセプトを軸に事業を進めていく。
本事業はグループ会社で東京・青山の複合文化施設スパイラル（SPIRAL）を運営する株式会社ワコールアートセンターと連携して展開し、リノベーションに関する意匠・デザインや各種サービスなどのディレクション業務をワコールアートセンターが担当し、ワコールは行政や地元不動産会社を介した物件所有者との賃貸借交渉・契約業務や施工業者の選定および宿泊事業運営全般を担当する。
