世界に誇る北のネイチャーリゾート。「知床」の稀有な魅力を体感できるホテルに
2018/05/29 (火) - 08:00
GLOCAL MISSION Times 編集部

 

「北のリゾート」を目指して、3つのホテルをリブランド

知床北こぶしグループでは祖父の代に開業した知床グランドホテルを筆頭に、現在3つのホテルを運営しています。昨年6月に兄の桑島大介が先代から事業を引き継ぎ、代表取締役社長に就任いたしました。これをうけて2018年より、ビジョンに掲げる「北のリゾート」に照準を合わせて、「知床グランドホテル北こぶし」から「北こぶし知床ホテル&リゾート」へ、「知床プリンスホテル風なみ季」から「KIKI知床ナチュラルリゾート」へ、「知床夕陽のあたる家」から「知床夕陽のあたる家 ONSEN HOSTEL」へとリブランドし、新たにスタートしたところです。

「北こぶし知床」に関しては創業50年の節目にあたる2010年に、知床テラス「ダイニング波音」を新しくオープンし、食事のスタイルを一新したのを皮切りに、西館客室「オホーツク倶楽部」や1階ロビー「オホーツクラウンジ」や「流氷テラス」をオープンするなど、7~8年かけて少しずつ施設のリニューアルを行ってきました。2017年には食材にこだわったグリルレストラン「Grill Shiretoko」が新たにオープンしましたし、今年も「Cafe&Bar334」のオープンが控えています。

旧「風なみ季」の「KIKI知床」も3月に客室を和室からベッド化するなどの改装を行いました。小さなお子様もホテル内で楽しく過ごせるよう、館内にはボーネルンド監修の大型遊具を導入した本格的なキッズスペースを設けています。「北こぶし知床」とは異なる新しいブッフェレストラン「TREE SIDE BUFFET」もまもなくオープンします。

世界自然遺産「知床」にふさわしい魅力あるホテルづくり

知床北こぶしグループの創業者は私たちの祖父ですが、農家から転身して大変な思いで旅館業をはじめたと聞いています。その苦労を間近で見ていた2代目の現会長は、その規模を拡大。3代目の兄と私は、先代と先々代が築いてくれた土台を活かしながら、世界自然遺産に登録された「知床」という地域のフランド力を、極限まであげていきたいと考えています。

ホテル周辺は「ウトロ温泉」と呼ばれ古くから親しまれてきたエリアです。過去何度かの「知床ブーム」を経て、温泉地ならではの土産物店や飲食店も軒をつらねていましたが、現在は閉店しているところも少なくありません。一方で世界遺産登録以降は、私たちが子どもの頃にはいなかったネイチャーガイドや船会社などが増え、知床の自然を楽しむアクティビティを盛んに展開しています。こうした方々と提携しながら、知床の魅力を広く発信し、新しい知床のイメージを定着していきたいですし、ネイチャーリゾートとしての位置づけや評価を確立したい。それこそが私たち世代の役割であり、目指すところです。
知床は北海道の東端にあって、冬は流氷が接岸し、ヒグマの密集地帯でもあり、海に出ると世界最大級のマッコウクジラやシャチの大群など、稀有な自然に出会える場所です。夏と冬でまったく異なる表情を見せる自然を、いかに魅力あるコンテンツに仕立てるかも重要なミッションです。

もちろん、ホテルそのものに魅力がなければ、お客さまに宿泊していただくことは叶いません。ほかとは違う何か、3つあるホテルそれぞれの「らしさ」を表現するにはどうしたらいいのか、ホテルの魅力づくりのために設計会社やデザイナーとも密接にやりとりをするようになりました。現在はそれぞれのホテルごとにコラボレーションアーティストをたてて、デザイン面での改革を進めているところです。

広い視野で経営改革に取り組める、財務のスペシャリストを待望

まだまだやりたいこと、やらなければいけないことはたくさんあります。そのひとつが、我々とともに魅力あるホテルづくりに取り組んでくれる人の採用です。なかでも、経営陣の一人として財務分野で力を発揮してくれる人に加わっていただきたいと考えています。現在は社長が財務を兼任していますが、専門知識とノウハウをもって実務レベルで動ける人材がいてくれると、ありがたいですね。
社長は38歳、私は37歳、経営トップとしてはまだまだ経験不足な部分がありますので、将来的に事業の拡大をより有利に進めていくためにも、資金調達や投資時期を見極める目を持ち、第三者的な視点で経営に携わってくれる財務のスペシャリストが必要です。

スペシャリストということでは、運営部門のトップとして3つのホテルを統括する総支配人の小岩は、スタッフを鼓舞しながらモチベーションを上げていく教育面に長けた人です。社長と私は宿のオーナー筋ではありますが、ホテル運営に関してはほかのホテルでGMを歴任してきた総支配人には及びません。経営サイドの思いを先頭に立って形にしてくれる総支配人のような人が運営のトップとして社内にいてくれると、私たちも安心ですし、現場で働くスタッフも動きやすいのではないでしょうか。

実際に、社長と私が「あれをしてみたい」「こういうことはできないか」などイメージで話したことに対して、総支配人は「今の人材と組織では難しいから、小さくスタートしよう」「組織の一部をかえてプロジェクトを組み立てよう」など、具体的で実践的な提言をしてくれます。この地で生まれ育った我々とは別の視点から、冷静に意見してくれるところもありがたいですね。総支配人自身は私たちがいろいろリクエストをするたびに、ストレスを感じているかもしれませんけど。いずれにしても、夢をカタチにしてくれる彼の手腕を目の当たりにして、財務に関しても外から迎えたいと考えるようになりました。

「知床が好き」その思いが、ホテルの魅力アップにつながる

財務の人材に関しては、経営企画として投資も含め前向きに事業提案してくれる人を、ホテルや金融など業界を問わず幅広い分野から募集する考えです。今いる経営陣とは違う角度からの意見が加わることで、話し合いがさらに活性化すると期待しています。財務担当といってもベースはホテルですから、しっかり「いらっしゃいませ」が言えることは最低限必要です。当社では役職の上下に関係なく、フロントもレストランもバックオフィスも、忙しいときにはみんなで助け合うという文化があります。 代々育まれてきた家族的な雰囲気も大切にしているところです。離職率が高いといわれる業界ですが、いかに働きやすい環境を整えるか、待遇面も含めて是正すべきところは是正して、きちんとフォローしていきたいと思っています。ホテルはある意味、家族ですから。
それをふまえたうえで、知床が好きなこと。やはり知床が好きで来た人は、長くこの地に留まってくれています。当社にも過去に、知床好きが高じてガイドの仕事を始め、会社を立ち上げた人がいて、ガイドの先駆者として今も知床観光に貢献してくれています。こういう人が増えてくれると嬉しいですね。今も当社には彼に負けないくらいの知床好きがいて、頑張ってくれています。そういう人をこれからも愚直に探し続けていきたいと思っています。

北こぶしグループ
専務取締役

桑島 敏彦

北海道斜里郡斜里町出身。網走の高校を卒業後札幌の大学(観光学部)に進学。在学中に1年間オーストラリアへ留学。卒業後は東京の旅行会社に就職。知床が世界自然遺産に登録された2005年に北海道へUターン、株式会社知床グランドホテルに入社し現在に至る。

 

北こぶしグループでは人材を募集しています。

GLOCAL MISSION Times 編集部