
2018年から鳥取県にUターンし、生食ブドウ栽培、醸造用ブドウの栽培から委託醸造によるワインづくり、イチゴ栽培で事業を営んでいるスギモトヴィンヤードの杉本様。ワイナリー(醸造所)の立ち上げに向けて、補助金の申請など、資金調達の手続きのサポートを求め、副業人材を活用されました。副業人材の活用の背景や取り組みや成果などについて収穫が始まっているイチゴハウス内で詳しくお話をうかがいます。
■副業人材を活用しようと思ったきっかけを教えてください。
鳥取県で、委託醸造にてワインをつくっています。現在、自社のワイナリー(醸造所)を立ち上げるため、事業計画を立て、銀行から融資を受けて建設に向けて動いております。その中で「補助金制度を活用すれば、支出の一部が戻ってくる」と知り、経営的に助かると考えました。ただ、私は補助金申請に関する経験や知識に乏しいため、専門的なアドバイスが必要だと感じ、副業人材を活用することにしました。
■実際に副業人材として選んだ決め手は何でしたか?
面接をした3名のなかで、千葉県在住の60代男性の方は実務経験があり、最も信頼できると感じました。
他の事業者の補助金申請業務に関わった経験があり、安心感がありました。補助金事業の審査にも関わったことがある方で、「審査する側の視点」を踏まえたアドバイスはとても説得力があり心強かったです。
■副業人材とのやり取りはどのように行っていたのですか?
基本的にはZoomで週1回、月に3〜4回ほど打ち合わせを行いました。私が昼間は農作業で忙しく、その方も本業があるため、お互いの時間を合わせて、21時からのスタートで調整しました。
補助金申請のための書類作成が大変でした。書類を自分でダウンロードして入力する必要があるのですが、農繁期と重なって、なかなか進められなかったのです。副業人材の方は「インターネットでの申請になるので、アカウントを取得してください」など手際よく指示を出してくださる方でしたので、私自身がもう少し作業を進めていればさらに深いアドバイスをもらえたと思います。1人でやっていたら進まなかったこともサポートしてくれる人がいたことで少しでも動けたのでよかったと思います。
■ワイナリーの立ち上げには特殊な知識も必要ですね?
税務署で交付される酒類製造免許や保健所への届出、酒税法についてなど、ワイナリー立ち上げに関わる特有の知識が必要です。そのため、副業人材の方にも最初は詳しく説明する必要があり、少し時間を要しました。
ただ、一度理解してもらえれば、後のやり取りはスムーズになりますし、次にまた同じ方にお願いできるなら、これらの説明を省略できるので、もっと効率的に進められると思います。
■副業人材活用前と後で、どのような変化がありましたか?
Zoom等オンラインでコミュニケーションを取ることのハードルが非常に下がりました。リモートで人とやり取りし、ビジネスを進めていく感覚が大きく変わったと感じています。
■今後、ワイナリー立ち上げに向けてどのようなチャレンジをしていきたいですか?
副業人材の方は「申請書は作品」と表現されていました。それだけ、自分の想いや事業に対する熱意をいかに書類の中で表現するかが重要だと思っています。副業人材のアドバイスを受け、表現力や伝える力を磨きながら、採択を目指して補助金申請に取り組んでいきたいと思っています。
■今後も副業人材を活用したいと思いますか?
今は明確に「この分野」とは言えないのですが、また何か必要な場面があればお願いしたいです。そのためには自分自身がもっと課題を明確にしていく必要があると感じています。うまくマッチする方に出会えれば、非常にコストパフォーマンスの良い支援が受けられると思います。
■副業人材活用を検討している事業者さんに向けて、メッセージをお願いします。
自分自身の課題や必要な知識・情報を具体的に整理しておくと、副業人材の方も手を上げやすいですし、きっと良いマッチングにつながると思います。
湯梨浜町事業者と副業・兼業人材をつなぐマッチング支援を行っているみらいワークスさんにも感謝しています。どのような副業人材の方が集まっているか丁寧に教えてくださるので安心できましたし、私のメールの返信が遅れても親切に対応していただけて助かりました。夢を追う小さな事業者にも手を抜くことなく親身に向き合ってもらえました。こうしたサポートを受けられるのは本当にありがたいと思っています。