第三ステージへと進んだ道の駅！地方活性化の要となる可能性は？｜GMT - グローカルミッションタイムズ

第三ステージへと進んだ道の駅！地方活性化の要となる可能性は？

GLOCAL MISSION Times 編集部

2022/12/01 (木) - 18:00

ドライブが好きな方なら、一度は幹線道路沿いに設置された道の駅を利用したことがあるでしょう。近年の道の駅はドライブ中の休憩所として利用されるだけでなく、周辺地域の特産物を買い求める観光客で賑わう、重要な観光施設となっています。国土交通省はこの道の駅の役割を更に発展させ、地域活性化の要として活用して行く新たなコンセプトを打ち出しました。今回は国主導で第三のステージへ進化する、新しい道の駅のコンセプトをご紹介します。

道の駅の概要と従来の役割

道の駅は、増える長距離ドライバーや女性ドライバー、高齢者のドライバーに向けて、一般道路でも安心して立ち寄ることができる「休憩のためのスペース」として、1993年から設置が始まりました。従来、高速道路にはPA（パーキングエリア）やSA（サービスエリア）がありましたが、交通量が増えるにつれ一般道路にも同様のスペースが求められたのです。

当初、休憩所としてスタートした道の駅は2013年から第二ステージへと進み、観光地として、また地域の拠点として発展していきます。これが冒頭でお話しした、道の駅の観光施設化です。第二ステージの道の駅は従来の休憩所の機能に加え、以下のような機能を持つことになりました。

・休憩機能（第一ステージまでの機能）
24時間利用可能な電話やトイレ、駐車場を備えた誰でも使える休憩所としての機能です。これに加えレストランや公園、温泉、宿泊施設などを備えた道の駅も、少ないながら設置されていました。

・情報発信・観光施設機能（第二ステージで加わった機能）
近隣の道路情報や地域の情報、歴史・文化、名産品や観光地などを紹介する案内板、資料館などが設置され、地域の情報発信センターとしての役割が追加されました。物産販売コーナーも充実し、郷土芸能や朝市、展覧会などのイベントも開かれるようになりました。

道の駅の第三ステージでは、上記の機能に「地方創生と観光を加速する拠点」としての機能が加わることになりました。

国の主導で道の駅は第三ステージへ

道の駅の第三ステージは2020年から始まり、2025年には地方創生と観光を加速する拠点としての機能を持つよう進化することになっています。道の駅が第三ステージに進化して機能するために、国土交通省は以下のようなコンセプトを打ち出しています。

・ネットワーク化で活力ある地域デザインにも貢献
県内外の道の駅や民間企業、大学・高専、交通事業社などが連携することにより、地域経済発展の拠点として道の駅を活用します。道の駅と他の事業体がネットワークでつながることにより、地域の活性化や地域デザインに道の駅を寄与させる計画です。

・世界ブランドの「Michi–no-Eki」へ
海外へのプロモーションやプロジェクト展開を国が推進し、道の駅（Michi–no-Eki）を世界ブランドにして行くコンセプトです。多くの外国人を道の駅へ誘導し、周辺の観光施設や風景街道などを連携させて周遊観光ルートを創り出します。またそのために、道の駅の多言語対応やキャッシュレスなどの基本サービスも充実させていく計画となっています。

・新「防災道の駅」
災害発生時の防災機能（避難所としての活用や防災用品の備蓄など）を道の駅に持たせ、他の防災施設と連携しながら安全・安心な場として道の駅を発展させます。国土交通省は、2025年までに防災機能を持たせた「防災道の駅」を、約500箇所まで増やす計画を立て、現在も実行中です。

・あらゆる世代が活躍する舞台となる地域センター
地域の子育てを応援する施設の併設や、高齢者の生活の足を確保するための自動運転サービスのターミナルとするなど、あらゆる世代が道の駅を活用できる環境を作っていきます。また地域の課題解決や民間のアイデアを活かす「地域活性化プロジェクト」を、ボランティア団体やさまざまな団体との協働を通じて推進していきます。

このように道の駅の第三ステージは、より地域との連携度を深め、国内はもちろん世界から観光客を呼べる総合的な観光施設へと進化する計画となっています。また地域経済発展の拠点としてだけではなく、災害発生時には防災の拠点としても機能するように発展していきます。地震や大雨による洪水など、自然災害の多い日本ならではの取り組みと言えるでしょう。

まとめ

そのほとんどが幹線道路沿いに設置されている道の駅は、交通・流通の便が良く、観光はもちろんのこと、地域経済発展の拠点としてもこの上なく活用しやすい施設といえるでしょう。過疎化が進み、少子高齢化が問題となっている地方では、このような施設は地域経済活性化のために欠かせないものなのです。第三ステージへと進化していく道の駅は、地方の抱えるさまざまな問題を解決できる可能性を秘めた、重要な施設となっていくことでしょう。