企業活動の原点は良心。品質第一、売上第二で歩む株式会社タカキベーカリー 代表取締役 社長執行役員 坂本和久さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/12/22 (木) - 14:00

スーパーマーケットのパンコーナーでもお馴染みのタカキベーカリーのパン。看板商品である石窯パンのファンも多いのではないでしょうか。多くの人にタカキベーカリーのパンが愛されてきたのは、働く人々の「世の中のお役に立ちたい」という一途な想いからでした。日本中の食卓にパンを通じて幸せをお届けしたいと挑戦を続けてきた同社の理念やビジョンについて、代表取締役 社長執行役員 坂本和久さんに、お話を伺いました。

―まず、企業概要について教えてください。

株式会社タカキベーカリーは、ベーカリー事業を展開するアンデルセングループの主要会社の一つです。

全国に9つの製造・物流拠点を持ち、石窯パンをはじめタカキベーカリーの工場でつくる製品を使った事業を展開しています。袋入りのパンをスーパーマーケット様・生協様などに卸売販売をするホールセール事業、業務用の冷凍パン生地や焼成冷凍パンを取り扱うフードビジネス事業、全国に焼きたてパンのお店「リトルマーメイド」を展開するフランチャイズベーカリー事業が3本の柱です。

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タカキベーカリーの石パンシリーズ

―設立の経緯や、会社の歩みを教えてください。

1948年、広島の比治山本町にて高木俊介、彬子夫妻と従業員2名で創業しました。当時、配給の小麦粉をお客様からお預かりし、パンをつくってお渡しする委託加工業をしていました。小麦の外皮などの不純物が多かった黒い小麦粉をふるいにかけ、白いおいしいパンを作り、またきれいな包装紙で包んでお渡ししたところ、大変喜んでいただいたと聞いています。本当においしいものをつくって喜んでいただきたいという思いは今も変わりません。

広島県企業の求人や、企業・暮らしに関する情報は、WEBサイト「kakeru広島」をご覧ください。
https://glocalmissionjobs.jp/lp/hiroshima

―広島という地域との関係性についてお聞かせください。

創業の地ということはもちろん、アンデルセングループにとって大切な場所です。

グループの旗艦店「広島アンデルセン」(広島市中区本通)は、かつて銀行だった被爆建物を買い取り、ベーカリーとレストランの複合店として1967年にオープンしたお店です。2020年に全面建て替えを行いました。パンだけでなく、デリカテッセン、ワイン、フラワーなどが店頭に並び、パンを楽しむための暮らしをご紹介しています。「食卓に幸せをはこぶ」という創業の想いを具現化する大切なお店です。

また、2004年に創業者の想いを受け継ぎ、パンを大切にする心を育てる場として山県郡北広島町に「高木俊介メモリアル アンデルセン芸北100年農場」を開場しました。そこを拠点に、毎年約6名の若手社員が1年半の研修を行っています。製パン技術だけでなく、「土づくりから食卓まで」という考えで、小麦を育てるために開墾から携わり、最後は自分たちで育てた小麦を使って、パンを焼き、パンのある食卓をプレゼンテーションしていきます。思い通りにならない自然を相手に、自ら考えて行動し、自然の恵みに感謝することなどを通して、パンを大切にする心を育んでいきます。

―御社が大切にしていることはありますか?

「品質第一、売上第二」と考えています。

例えば、乳や卵を使わない「すこやかシリーズ」のパンやケーキは、アレルギーをお持ちのお子さまも、みんなと一緒に同じものを食べられる喜びを感じていただきたくて作り続けているものです。お客様に寄り添いながら、商品を開発するのもアンデルセングループの大きな特徴です。本当に良いもの、喜ばれるものを第一に考えています。

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リトルマーメイド

―アンデルセングループのDNAはどのようなものであるとお考えですか?

企業理念の一節に「全ての仕事は素人より始まる」という言葉があります。創業者の高木俊介もパンづくりに関しては素人でしたが、パンに対する情熱は誰よりも強いものでした。

そういった考えで挑戦したことの一つが冷凍パン生地の開発です。パンづくりは時間がかかるため、朝一番でパンをお店に並べようと思うと、夜中から仕込まないといけません。過酷な労働を軽減したいということ、何よりも焼きたてのパンをお客様に届けたいという思いで、日本で初めて冷凍パン生地を開発し、特許を取得しました。合わせて冷凍パン生地を使ったベイクオフシステムを確立させ、焼きたてパンのお店「リトルマーメイド」の展開を開始しました。焼きたてのパンのおいしさを広げることで、パン業界全体の発展に貢献したいと特許を無償で開放しています。

もう一つが石窯パンの発売です。石窯パンは、ヨーロッパの本格的なパンづくりをお手本に、工場でのパンづくりを一から見直すことで誕生した商品です。効率を重視したミキサーではなく、生地にやさしい手作りに近いミキサーを使用しています。そのためキメの細かいしっとりした生地ができます。発酵も低温で長時間かけており、大事な工程ではおいしいものをつくるため、人の手も加えながらこだわりをもって作っています。

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石窯パンの成形の様子

これらは、お客様においしいパンをお届けたいという一途な思いからの挑戦でした。もちろん遠回りすることもありますが、素人だからこそ勉強するし、他社には真似できない独自性が生まれます。各々が成長しながら存在力を発揮する、それがアンデルセングループの強みです。

―大切にしている採用基準、大切にしていることはありますか?

春の新卒採用のほか、時間社員の方から正社員になっていただくために秋採用を実施しています。

企業理念の冒頭で「我々の企業活動の原点は『良心』です。」とありますように、他への思いやり、親御さんや人に感謝する心など、思いを同じくする方とぜひ一緒に働きたいと思っています。

―広島県に興味ある人材に対してメッセージをお願いします。

人の成長をともに喜び、お客様のお役に立ちたいと、従業員一人ひとりが本気で考えている会社です。我々が持っていない視点をお持ちの方と出会える機会を大切にしていきたいと思っています。

広島県企業の求人や、企業・暮らしに関する情報は、WEBサイト「kakeru広島」をご覧ください。
https://glocalmissionjobs.jp/lp/hiroshima

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