エプソンは、四季折々の自然が豊かな信州・長野の諏訪湖のほとりに本社を構えています。長野県にあっても、なぜ都市部の優秀な人材がエプソンに集まっているのか、人事部の広瀬豪人さんに伺いました。
今のエプソンを真摯に伝えることで辞退率が下がった
自然豊かで移住希望地としても人気の長野県ですが、「都会こそが自らのキャリアが成長できるステージ」と考えている人にとっては、「勤務地は長野」であることで足踏みをするケースがあります。実際に、かつての内定後の辞退率は、平均で30~40%、営業については40~50%もありました。
「僕が採用されたのは、89年のバブル期です。当時も7割は県外出身者で、グローバルに働きたいと都内や関西圏から優秀な人材は集まってきました。あの時代でもこれだけの人材を集められたのであれば、会社としてメッセージをきちんと伝えれば、長野にあっても、候補者が集まるはずであると考えました。」
「エプソンは家庭用プリンター「カラリオ」のイメージが強くあると思いますが、それだけでなく、商業・産業用プリンター やプロジェクター、産業用ロボット、半導体・水晶デバイスといった事業領域に加え、独自のコア技術を応用した技術開発なども進めています。エプソンは2022年、「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」というパーパスを制定し、社会課題の解決に貢献するべく 新しい領域に積極的に取り組んでいます。エプソンの CM“Why Epson?多くのなぜ”でも、エプソンのそういったメッセージを伝えています。仕事内容に関心を持っていただき、自分のキャリアをどのように形成するかを考え、その上で、“勤務地は長野”であることを判断してほしいと思っています。特に応募者のほとんどの方がホームページ上で公開している、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」を読み、エプソンのこれからに共感していただいていることが、応募への強い意欲になっているようです」
エプソンの 取り組みを伝えること、魅力的で先進的な仕事内容を知っていただくことで、都市部の人材を獲得できるようになったエプソン。募集要項は、営業も開発もすべて書き方を変え、エージェントの力も借りて、社内用語や専門用語を使用せず分かりやすく改善し、これを3年間続けたところ、結果が伴ってきたのを実感したと言います。
キャリアの形成と地方移住
エプソンが積極的にメッセージを発信する一方、近年、地方移住についてのイメージ、地方でのキャリア形成のイメージについて、変化があったと広瀬さんは言います。
「コロナ禍の前は、地方には仕事がない、高度なキャリアを形成できない、文化的な刺激が少ない、生活インフラが不安と考える人が多かったように思います。しかし、コロナ禍を通して、働き方改革が進み、リモートワークも普及しました。また、実際に会えなくても、オンラインで打合せや商談もできるようにもなり、今では都会や地方に関係なく、様々な職種を選択できて、高度なキャリア形成ができ、地方と関わりながら仕事ができる環境が整いました。」
「インターネット検索で 地方×移住といえば、地域おこし協力隊や就農、古民家カフェ、パン屋、介護職など、一から新しいことにチャレンジするイメージがあると思います。しかし、地方に移住して働くことに特別な能力は必要ありません。都市部で培った個々の専門性 をキャリアとして生かして働いてほしいと考えています。」
また、広瀬さんは自らの経験に照らし合わせて、キャリア形成を考えるときの意識についても話します。
「僕も都市部にこだわり、34歳まで都内で働いていました。しかし、自分がやってみたいグローバルな仕事がエプソンにあった。本社の所在地がどこであろうとも関係ありません。自分がやってみたい仕事ではないのに都市部にこだわり、働き続けることの意味について考えてほしいのです。僕はエプソンで、新規事業の立ち上げやグローバルな仕事などのキャリアを形成することができた。エプソンには想像もできないようなキャリア形成をできる仕事がある、そのチャンスがみんなに与えられている環境であると思います。」
エプソンが100を超えるポジションで人材を募集する理由
「現在、エプソンでは100を超えるポジションで募集を行っています。長期ビジョン「Epson 25 Renewed」で掲げているように、エプソンは様々な社会課題を起点として新しい領域で事業展開を進めており、BtoB経験者や知見・技術をもった人材の確保が求められています。
産業用プリンターやロボティクス技術を応用した製品ビジネスに関する人材や、DX推進や環境対策に強いブレインも必要です。また、エプソンの売り上げ比率は約80%が海外です(2023年度実績)。そのためグローバルに活躍できる人材の確保が重要になります。
さらに、自由闊達で風通しの良い組織作りにも力を入れ、従業員の対話会、組織風土サーベイの実施を通じて、組織風土の見える化を実施し、キャリア形成ができやすい環境作りを目指しています。
全社のキックオフ大会でも、必ず最後に、会社の目的は、社会貢献と従業員の幸せであり、利益は「目的」ではなく「手段」、安全、健康、コンプライアンスが業績より優先されるというメッセージで結ばれます。変化を恐れず、挑戦していく組織風土がエプソンにはあります。」
「エプソンでは、新卒と中途採用の二極化で、第二新卒やジョブ型の採用がありません。この点においては、今後変えていかないと思っています。特にDX分野は年齢や経験ではありませんよね。これまでのエプソンは内定辞退者にはやさしくなかったかもしれません。でも、僕は、他の会社に入社した人が戻ってきてくれたら経験を生かして働いて欲しいと思っています。人事のあり方は時代に合わせて変えていかなければなりません。」
移住は特別なことではない。エプソンなら都会のキャリアを生かして活躍できる
エプソンの売上高の海外比率83%(2022年度実績) 。欧米やアジア、南米の主要国に拠点を置き、グローバルなフィールドで活躍できる企業は、日本では少ないでしょう。長野という素晴らしい地域で働きながら、コアな技術を磨き、グローバルに展開できるのがエプソンの強みです。
「僕が一貫して伝えたいのは、“移住”は特別なことではないということ。自分のキャリアが形成できる環境があれば、勤務地は関係ない。エプソンでは、地球儀感覚でマーケットを考えて、世界基準で事業を推進する基盤があります。世界で活躍できる日本のブランドメーカーとしての魅力を多くの方に感じていただきたい。都会で築いてきたキャリアを思う存分生かして、さらなるキャリアを形成できる環境がここにあります。
最後にみなさんに伝えたいメッセージがあります。
信州から、世界に彩りを
信州で創るローカルキャリアの実現
グローバルに働く夢を、信州から叶える
進化し続けるエプソンと共に新しい未来を創造し、活躍してくれる人たちとの出会いを楽しみにしています。」