ストレスオフ県ランキングにみる、女性が住みやすい地方とは
浅賀 桃子
2018/11/27 (火) - 17:00

全国の20~69歳の女性を対象に「ストレスオフ度」を推定し、2016年よりストレスオフ県ランキングとして発表しているメディプラス研究所(※1)によると、2017年ストレスオフ県第1位は愛媛県となっています。以下2位島根県、3位徳島県、4位大分県、5位鳥取県と続き、中国・四国地方が上位にランクインしています。
現在都心部近辺に住んでおり、日々のストレスをためている方は特に、将来の「地方移住」候補を考えるうえで参考になるランキングになるでしょう。このランキングから「ストレスが減る」地域の特徴を考えてみます。

ストレスオフ指数とは

このランキングで使用されている「ストレスオフ指数」算出にあたっては、厚生労働省作成の「ストレスチェック」項目が使用されています。ストレスチェックは2015年12月から従業員50名以上の事業所に実施が義務付けられたため、自身の所属企業で受けたことがある方もいらっしゃるでしょう。
各都道府県の高ストレス者、低ストレス者を算出し、高ストレス者が多いほど「ストレスオフ指数」が下がる仕組みになっています。東京都はこの指数が‐0.3と、高ストレス者の割合が多い結果が伺えます。首都圏でみると、神奈川県+3、埼玉県‐2.5、千葉県‐6.7など、軒並み低くなっています。一方、1位の愛媛県はなんと+51.3となっています。

中国・四国地方のストレスオフ指数が高い理由

1位に選ばれた愛媛県の特徴として、「温暖な気候」「街と自然が近い」そしてサイクリングの聖地としても知られることから「自転車で移動しやすい」などが挙げられます。 愛媛県に限らず、中国・四国地方は観光地にサイクリングコースが設けられていることが多く、自然の景色を眺めながら走ることができます。サイクリングはランニング同様、代表的な有酸素運動として知られています。有酸素運動を行うことで、ストレスのもとになるホルモン「コルチゾール」の分解が促されやすくなるため、ストレス解消につながるのです。

中国・四国地方の「温暖な気候」も大きなポイントです。暑さ寒さ、湿度、気圧などもストレスになりますので、気候変動が少ないことでストレスを感じづらくなると考えられます(気候だけが理由ではないでしょうが、秋冬の寒さが厳しい北海道のストレスオフ指数は‐5.3となっています)。

また、子育ての面でも特筆すべき点があります。例えば、3位に選ばれた徳島県は、女性従業員の育休取得率70%以上などの条件をクリアするなど子育て支援で成果を上げた事業所に厚生労働省が交付している認定マーク「くるみん」の取得率が全国1位(※2)です。また、幼稚園の人口10万人比率も徳島県が全国1位(4位香川県、6位岡山県、7位島根県など、こちらも中国・四国地方が上位)など、首都圏を中心に問題になっている待機児童関連のストレスも少ない傾向にあります。

中国・四国地方への移住検討にあたって利用できる制度とは

1位の愛媛県では、えひめ移住支援ポータルサイト「e移住ネット」(※3)にて、移住を検討している方向けの情報を紹介しています。例えば新居浜市では、1週間~1ヶ月の間の好きな日数「お試し移住」できる制度があります。市内中心部に家具・家電・寝具完備のマンションが用意され、1日1,000円で利用することができます。

2位の島根県では、「しまねUIターン総合サイトくらしまねっと」(※4)にて、仕事、暮らし、移住体験イベントなどの情報を紹介しています。東京・大阪・広島には県外事務所の定住アドバイザーがおり、島根県に来る前に相談することができます。地元の方との交流や生活体験ができる「しまね暮らし体験プログラム」も開催されています。県外の高校生を県内の学校が積極的に受け入れる「しまね留学」など、定住促進の先進県としての取り組みも魅力の一つになるでしょう。

3位の徳島県では、「住んでみんで徳島で!」(※5)サイトにて、支援制度や移住情報を発信しています。とくしま移住コンシェルジェに移住に関する相談がサイト上から気軽にできる点も見逃せません。もちろん対面での相談も可能で、とくしまジョブステーションと連携した仕事に関する情報提供や、東京近郊の方向けに東京事務所での対応も行っています。その他、県内の各市町村での子育て関連施策などの気になる情報がまとめられているなど有益なサイトになっています。起業を考えている方向けに、創業にかかる経費の一部を補助する制度を設けている市もあります。

いかがでしたか。保育園に入れない、育児休業がなかなかとりづらい、運動したくてもなかなか環境的に難しいなど、人口密集傾向のある都心部ならではの問題が、中国・四国地方を中心とした地方では解決するかもしれません。ストレスをすり減らしながら都心部で生活し続けたくない、あるいは子育ての環境を改善したいといった皆さんにとって、今回ご紹介した各県への移住はひとつの選択肢になるでしょう。

※1 女性の“ストレスオフ県ランキング2017”発表! 日本で一番「ストレスオフ」な県は“愛媛県” PR TIMES 2017年4月18日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000018482.html

※2 徳島の「くるみん」認定企業が40社に!!~認定率は全国第1位~ 徳島労働局
http://tokushima-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/houdou/20150328_007/_119932.html

※3 愛媛県で暮らそう!えひめ移住支援ポータルサイト「e移住ネット」
https://e-iju.net/

※4 しまねUIターン総合サイト くらしまねっと
http://www.kurashimanet.jp/

※5 住んでみんで徳島で!
http://tokushima-iju.jp/

(2017年5月15日掲載)

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