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アクセンチュアで身につけた専門知識とタフネス、 ベンチャー企業とGoogleで得たグローバルな視野を武器に Uターンでチャレンジする地方雇用の創出
akippa株式会社 取締役CMO 兼 akippa事業部長 広田康博さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2017/07/03 (月) - 08:00

いつかは自分でビジネスを、と思っていた広田康博さん。大学在学中に海外旅行の楽しさに魅了されます。大手コンサルティング会社へ入社し、専門知識とともにバイタリティやタフさを身につけ退職。約1年間のユーラシア大陸横断旅行からの帰国後は再就職に苦労するも、かねてから考えていたベンチャー企業へ進み、コンサルとベンチャーそれぞれの業務を経験。その後Googleへ入社し、グローバルな視野や考え方を学びました。現在は生まれ故郷の関西圏でakippaの経営に取り組む広田さんに、これまでの体験談と今後のビジョンをお伺いしました。

短期間で成長できる環境としてコンサルティング会社を選んだ

実家が自営業であったことに影響を受けたのか、子どものころからビジネスに興味がありました。商売をやってみたいと具体的に思ったのは高校の時で、直接ビジネスに役立つ商学部に進学しました。
在学中にビジネスプランコンテストの運営に携わり、自身でも日本最大級の学生向けのビジネスプランコンテストに出場し優勝するなど少しずつアクティブになっていましたが、あまり目立つ存在ではなかったので、もっと人間的な面白味や深みが必要なのでは、と感じていました。
あるとき、同級生に誘われて海外旅行に行ったところ、それがものすごく楽しくて。帰国した翌日には、世界中の航空チケットにキャンセル待ちをかけて、すぐにまた海外へ飛び出していったほど魅了されてしまい、卒業する頃には海外旅行が趣味になっていました。
一生で一度は長期間の海外旅行がしたいと、「3年は働いて資金を貯め、1年は海外に行く」ことを就職する前から決意。就業先の条件は3年で成長できる環境、つまり短期間で学べる企業だと考え、コンサルティング会社とベンチャー企業に絞ることに。そして、希望通り、アクセンチュア株式会社に入社しました。

3年のコンサルティング業務をこなし、念願の海外旅行へ。帰国すると景気はどん底

アクセンチュア株式会社で担当したのは、業務改革のコンサルティングです。大きな会社なのでプロジェクトが多く、希望通りの仕事をさせてもらえたのはラッキーでした。業務のプレッシャーは大きかったですが、1年間を海外で過ごす分まで働く必要があると、多忙なことをむしろポジティブにとらえて働くことができたと思います。ここでビジネスの基礎力やバイタリティを身につけることができ、ほぼ予定どおり3年1か月勤務した後、退職しました。海外で危険な目に遭うことを想定していたので、在職中に護身術を習得するなどしっかり準備を整え、念願の長期海外旅行へ出発しました。
1年間のユーラシア大陸横断旅行から帰ってきたところ、なんと時代はリーマンショックのさなか、転職活動は敗戦続きで、20社以上落ちまくりました。しばらくフリーランスのコンサルティングやベンチャー企業の手伝いをしていましたが、ほとんどニート状態です(笑)。この時期にNPO法人の運営にも携わるなど活動の幅を広げることができました。

業界トップのコンサルティング会社から、規模の小さなベンチャー企業へ

就職が決まらない間もずっと考えていたのは、「次に働くならベンチャー」ということでした。前職のコンサルティング業務は、クライアント側に常駐し、ともに業務を遂行していくスタイルです。半年や1年と期間が決まっている中で成果が求められますが、あくまで実行のサポートにとどまり、継続的に成果が上がっているかどうかを追うことができません。せっかくなら主体的な立場で仕事を進めて成果を実感したいと考えていました。
そんな時にRSS広告社(現在はFringe81株式会社)の取締役から誘いを受け、入社を決めました。
アクセンチュア株式会社という大企業から、当時はまだ社員数が17名だったベンチャー企業に就業したわけですが、特に不安はありませんでした。今日はどこにいくか、明日は何をするかも決まっていない1年間の海外体験で、自然とリスクに対する耐性が身についたような気がします。

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仕事の広がりを求めて世界的企業のGoogleへ飛び込む

コンサル→ベンチャーと経験してきて、それぞれの良い面、やりづらい面がある程度わかってきました。ベンチャーは1つのことに深く対応できますが、領域はどうしても狭くなる。コンサルティングはその逆で、領域は広くとも長い間継続して続けていくことができない。
そんなジレンマを感じて始めた頃、つてあって、Google株式会社に出会いました。強く転職を希望していたわけではありませんが、友人の紹介で軽い気持ちで訪れたところ、社内の雰囲気がよく、豊富なデータやプロダクトを使って、マーケティング戦略の提案ができることに魅力を感じました。
世界を代表するサービスを提供しながら、自由な社風をあわせ持つGoogleでなら、広く深い提案ができるのでは、という期待が私を転職へと向かわせました。
実際、入社後には、そのビジョンのダイナミックさや組織形成のあり方、事業への柔軟性等、学ぶところが大きかったですね。大企業でありながら、やりたいことを自由にやらせてもらえたことは、大変な収穫でした。

リスクを怖れず、やりたかったベンチャーにチャレンジ

Googleでの勤務が3年ほど経った頃、妻が第二子を妊娠。夫婦ともに実家に近い関西での転職を考え始めました。
Googleでは、かねてから希望していた大阪転勤が叶い、第二子も生まれる。「なぜこのタイミングで転職する必要があるのか」と、当然妻には反対されましたね。待遇、給与、勤務条件、ワークライフバランスのどれをとってもGoogleのほうがよい条件でしたが、私は次のステップとしてどうしてもakippaでチャレンジしてみたかったのです。年を取るほどにチャレンジするリスクは高まるので、今こそやらなければ、という強い思いを妻に伝えることで、どうにか理解してもらい、akippa株式会社に転職、地元の関西へ戻りました。現在は、奈良の妻の実家に住んでいます。
思えば、以前Googleに転職した際も同じで、転職、出産、引越しという人生の一大イベントがすべて一時期に重なりました。普通なら調整や回避をするのかもしれませんが、私の中ではリスクを怖れて動かないよりも、「アクションしないほうがリスク」という意識が強かったのです。このような考え方は、何もない長期の海外生活で得た価値観からきているのかもしれませんね。

※akippa株式会社
”なくてはならぬ”サービスづくりをMissionに掲げ、全国の空いている月極や個人の駐車場をかんたんにシェアできるサービスを展開。ウェブサービスにより駐車場不足という社会問題の解決にチャレンジしている。

akippaのビジョンやその世界観を強く大きく推進していきたい

そこまで私がakippaに惹かれたのは、事業のビジョンや世界観がマッチしたからです。自分もユーザーとして駐車場に困ったことが何度もありましたし、シェアリングエコノミーもこれから進めるべき概念、サービスです。シェアすることでよりオーナーもユーザーも幸せになれる、それを推進できるのは大きなやりがいです。
また、私自身は大きなビジョンを描く人間ではないので、独立するよりも大きなビジョンを持つ人間と組んで、会社を大きくするほうが向いていると思ったのです。
実は、当時のakippaはびっくりするくらい規模が小さくて(笑)、事業は赤字、正直本当に大丈夫なのかと迷いました。それでも入社を決めたのは、ビジネスモデルの秀逸さと資金調達ができていること、何より一緒に働く人たちの人柄に惹かれた部分も大きかった。あとは自分が引っ張っていくんだ、という覚悟だけでした。
akippaにはマーケティング担当で入社しましたが、3か月でマーケティングの成果が10倍に。自分のスキルや実力が明確に発揮できて、お客様が付いてきたのは本当にハッピーで、「やったー!」という気持ちでしたね。
今はakippaに入ってちょうど1年半になります。経営を担うことになり、これまでで一番楽しく、充実しています。経営陣は代表と副社長と取締役である私の3人ですが、規模が小さい分、経営が近いこともベンチャーの魅力です。物事を決めるための意思疎通はよくできていると思います。

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仕事はどこでもできる。サービスを大きくして地方での雇用を増やす

私が事業戦略を練るのは駐車場の現場。パソコンの前では分からないことも何十箇所もakippaの駐車場を回っていると見えてくるものがあるんです。例えば、甲子園界隈では一軒家に住んでいる方がご自分の駐車場を直接貸していたりするので、そこへ車で乗り付けて「akippaやりませんか」と営業もしました。
最近は経営者として、さらなる高みを目指しているので、まだまだだと実感していますが、とにかくこのビジネスを大きくするんだ、という気概はあります。経営をするうえで役に立ったのは、コンサルティング会社やGoogleでの経験です。さまざまな会社に継続的な提案を行うことで、多様なパターンを知ることができました。Googleはwebサービスを作る会社のベストプラクティスとして学ばせてもらいましたし、その頃の人脈が直接ビジネスにつながっています。
これまで、東京、愛知、大阪で仕事をしてきましたが、どこも住みやすかったですし、その土地ならではの良さを感じました。私の場合、地域に対するこだわりではなく、チャレンジすることで環境を変えてきたわけですが、友人の中には、地元で働きたいけれど仕事がないから東京にいる、という人も多いのが現実です。
私にできることは、akippa株式会社のサービスをさらに拡大して、より多くの人をよりよい条件で雇用できるようにすること。地方で働く人を増やすことに寄与していきたいと思っています。

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akippa株式会社 取締役CMO 兼 akippa事業部長

広田 康博さん

大阪府出身。学生時代に海外旅行の面白さに目覚める。2004年に大阪市立大学商学部を卒業し、同年アクセンチュア株式会社に入社。東京、愛知、中国などで経験を積む。3年1か月で同社を退社し、1年間は念願のユーラシア大陸横断旅行へ。2009年、Fringe81株式会社(旧RSS広告社)に入社。2012年、Google株式会社へ転職。2015年に本社を大阪に構えるakippa株式会社に入社し、関西へUターン。現在、妻と子ども2人の4人家族。

GLOCAL MISSION Times 編集部

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