ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合を承認。地域経済の成長に向けた貢献を
GLOCAL MISSION Times 編集部
2018/08/28 (火) - 07:00

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県を地盤とする十八銀行の経営統合が承認された。
両社は同一県内での融資シェアが高すぎるとして公正取引委員会による審査が2年以上も続いていたが、両社は2019年4月に統合、十八銀はFFG傘下の親和銀行(長崎県佐世保市)と合併し、新体制が始動。統合後の中小企業向け県内シェアは約65%と高水準だが、公取委は公正な競争環境が維持されると判断した。

人口減少や低金利などで経営が圧迫され、同一県内で複数の金融機関が貸出金利の引き下げ競争を続け体力をすり減らしているケースは多い。そのため、コスト削減などで効率的な体制を目指す経営統合は、地域金融機関によって有力な生き残り策となる。

統合行はモデルケースとして注目を集めるだけでなく、独占禁止法をクリアにするシェアについて一定の目安が示されたことで、地銀再編の動きが加速する可能性もある。経営陣には、地域経済の成長に向けた貢献がこれまで以上に求められるだろう。

従来の計画に対し、公取委は難色を示したが、結果、統合行が約1千億円の貸出債権を他の金融機関に譲渡してシェア低減を図ることで決着。それでも従来の基準と比較するとシェアはまだ高い。貸出金利の状況を監視する対策を実施するとしているが、シェアの高さを背景に、顧客に不利な取引を強いるようなことがあってはならない。

政府は、地方の人口減少が深刻化する中で、地域に不可欠なサービスや公正な競争の確保に向け競争政策見直しに着手した。地銀やバス会社の再編を後押しすることを念頭に、年度内に結論を得る見通しだ。これは、独禁法の運用変更につながる可能性もある。高度成長が望めない時代のなかで、ルールをどう見直すか、検討が急がれる。

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