東京23区のタワマン、売り出し物件数が前年対比66%と大幅減少
GLOCAL MISSION Times 編集部
2021/06/09 (水) - 15:00

マンションの資産価値が一目でわかるアプリ「カウル」を運営する株式会社Housmart(以下:ハウスマート)が、東京23区における20階以上の高層タワーマンション(以下:タワマン)と19階建て以下のマンション(以下:非タワマン)の売り出し状況に関して、独自のデータベースを元に調査。その結果、どちらのマンションも売り出し物件数(※)が減少し、前年割れしている一方で、平米単価が高騰していることがわかった。

(※売り出し物件数=新規売り出し数+在庫数)

また、併せてカウル会員を対象にどちらの建物を希望しているのかアンケートを実施。

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タワマンにおいては、2021年6月の売り出し物件数が888件と、対前年比66.2%にまで減少。また、売り出された物件の平米単価の平均価格は前年対比108%の約146万円となっている。なお、2019年6月と比較すると113%と、高騰し続けていることがわかった。

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19階建て以下のマンションにおいても、2021年の売り出し物件数が対前年比77.0%に減少し、2,583件となった。平米単価においては110万円を突破し、対前年比114.3%、2019年対比120.0%と、大幅上昇している。

タワマンと非タワマンどちらに住みたい?

カウル会員を対象に「20階建て以上のマンションと19階建て以下のマンション、どちらが希望か」アンケートを実施したところ、83.7%が非タワマンを希望していることがわかった。

(調査期間:2021年6月1日〜6月4日、回答者数:166人)

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以下、回答者のコメント抜粋 −

<非タワマン希望理由>

タワマンは災害時が不安のため

駅近物件が多いので利便性は評価するが反面、周辺環境が良好ではない物件が多い

予算に合う物件がない 

<タワマン希望理由>

眺望を楽しみたい

資産価値が低下しにくいと考えている

タワーに拘ってはいないが、値段や出口を考えると可能性は高い

ハウスマート代表・針山の見解

新型コロナが広がった結果、転勤や既に家を持っている人の住み替えが抑制され、2020年4月頃から市場の中古マンション在庫数は下落傾向にあります。一方、テレワークの普及によって「もっと広いところに住みたい」というニーズが広がり、購入希望者は増加。結果として、供給を需要が上回り、市場の不動産価格は上昇しています。

高層マンション、いわゆるタワーマンションは、利便性の高い立地に多くの戸数を分譲するために開発されたマンションです。コロナ禍においても、電車に乗らずに近所で買い物や生活の用事を済ませたいというニーズは強いため、タワーマンションの人気も根強いものがあります。

 一方、タワーマンションが普及し始めたのはこの20〜30年のため「なんとなく怖い」「災害の時に大丈夫か」といった不安や好奇心の対象にされやすいといった特徴もあります。また利便性の高いエリアに分譲されているため、平均価格も高価格帯の部屋が多いのが実際です。

今回の調査から、タワーマンション、非タワーマンション共に、コロナ禍であっても根強いニーズがあることが確認されました。販売中物件の減少を受け、中古マンションにおける売り出し開始から販売終了までのスピードの早さは目を見張るものがあります。郊外への移住、駅距離を気にしない顧客層が出始めていることは事実ですが、まだまだ中古マンションのニーズが強いことが明らかになったと言えます。

 

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