新型コロナで働き方は変わった? 普及する多様な働き方への影響について考える
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/09/29 (木) - 18:00

2019年12月に中国の武漢市で感染者が報告された新型コロナウィルスは、その後すぐに日本でも感染が拡大し、人々の暮らし方や働き方に大きな影響を与えました。内閣府は、新型コロナの感染が拡大し始めた年(2020年)から、この感染症が国民の生活意識や行動に与える影響を調査しています。今回はそのレポートである「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」の結果を元に、新型コロナウィルスの感染拡大が私たちの働き方に与えた影響について考えていきます。

新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査

「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(以下、本調査と言います)」は、内閣府がインターネットで実施している調査で、新型コロナウイルス感染症が国民に与えた影響を調べることを目的としています。本調査は2020年6月に1回目が報告され、以後、2020年12月、2021年6月、2021年11月、2022年7月と計5回が報告されています。調査項目は「働き方」、「子育て」、「地方」、「その他」の4項目で、それぞれについて生活の意識や実際の行動にどのような変化があったかを集計しています。

5回目の今回は回答者数が10,056人(第4回の回答者数6,481人を含む)となっており、今回の結果を過去に発表されたデータと比較することで、各項目別に意識や行動がどのように変化しているかを見ることができます。※項目によっては実施されていない回もあります

新型コロナはテレワークでの働き方を定着させた

本調査は、働き方の調査項目で真っ先に「地域別のテレワーク実施率」を報告しています。確かに新型コロナ感染症拡大防止策の一つにはテレワークによる在宅勤務の実施があり、毎日会社に出勤する会社員に対しては有効な拡大防止策だったのかもしれません。本調査によれば、2019年12月に17.8%(東京23区)だったテレワークの実施率は、2021年の9月には55.2%となり、5回目の2022年6月には50.6%となっています。また全国では10.3%(2019年12月)だった実施率が2022年6月には30.6%と、やはり実施率は増加しています。この結果を見ると、新型コロナ感染症の感染拡大がテレワークという働き方を普及・定着させたことは間違いないようです。

ただし職業によっては、その実施率にかなりばらつきがあります。たとえば情報通信業であれば最高で75.9%(2021年9月)の実施率となりましたが、小売業、運輸業、農林漁業、医療・福祉、保育関係では10%台(同年同月)の実施率となっています。テレワークという働き方が、すべての職業で等しく行うことができないと考えると、これは働き方改革の決め手とは言えません。これからもさまざまな職業で、その特性に合った働き方改革の方法を考え行く必要があるでしょう。ただし新型コロナ感染症が、テレワークやオンラインミーティングという技術を普及させ、新しい働き方の可能性を拡げたとは言えるのです。

テレワークの普及が新しい働き方を促進する

テレワークを実施するには、デバイス(パソコンやタブレット、スマートフォン)と業務に必要な速度を出せるネットワーク、機密保持のできるセキュリティシステムなどの活用が必須です。テレワーク自体は、働き方改革関連法案が施行された2019年4月以前から、働き方改革を実現する一つの方法として注目されていました。ただし当時は関連技術が未熟であり、現実的な普及には至っていませんでした。これは現在テレワークで普通に使用されている、オンライン会議のシステムにも同じことが言えます。

前章で新型コロナ感染症が、テレワークやオンラインミーティングという技術を普及させたと申し上げましたが、正確に言えば新型コロナ感染症はこれらの技術とインフラを発達・整備させたのです。そしてテレワークの普及は、その技術を活用した新しい働き方の可能性を拡げました。

ワーケーションや地方移住という働き方

ワーケーションとは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせて造られた造語です。ワーケーションはテレワークを活用し、リゾート地や温泉地など、職場や自宅以外の場所で余暇を楽しみながら働くスタイルを指します。また地方への移住では、移住の一番の課題であった仕事と収入の確保を、テレワークによる遠隔勤務で解決するというものです。つまり仕事(就業先)は都市圏に残したまま、移住先の地方では自然の多い環境で田舎暮らしを楽しむというライフスタイルです。

ワーケーションも仕事を都市圏に残した地方移住も、テレワークの技術とインフラが確立されなければ、とても考えられなかった新しい働き方なのです。

まとめ

テレワークが新しい働き方の可能性を拡げたといっても、ワーケーションの実施状況は現在わずか4.0%しかありません。また仕事を都市圏に残した地方移住も、会社の理解が得られなければ継続が困難となることも考えられます。新しい働き方ができる技術やインフラは、既に揃いました。あとは私たちと企業が、真の働き方改革に向けて真摯に話し合う必要があるのです。

<参考>

第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result5_covid.pdf

第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査 調査項目
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/form5_covid.pdf

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