株式会社中澤建設は経営課題を明らかにし、アクションプランを策定するために副業兼業プロ人材を活用しました。活用に至った経緯や活用によって得られた効果などについて、専務取締役 中澤太輔さんにお話を伺いました。
貴社の事業についてお聞かせください。
総合建設業といいまして、あらゆる土木工事や建築工事に携わる仕事をさせていただいています。土木事業では公共工事がメインで、道路や橋を作ったり補強したり、災害復旧工事などに対応しています。また、建築工事においては、公共および民間のお客様の新築やリノベーション工事などを行っています。
副業人材の活用を検討されたきっかけを教えてください。
県の「よろず支援拠点*」に相談に行ったとき、島根県プロフェッショナル人材戦略拠点を紹介され、担当者の方から副業人材の活用について教えていただきました。熱心に説明していただいて大変参考になりましたし、実際に実績も出ているという話を伺い、我々も試してみようと思ったのです。担当者の方から、副業人材の旅費なども県が支援しているから積極的に活用してみてはどうかと教えていただいたので、実際に利用しました。副業人材の方とのマッチングについてのすり合わせが大変スムーズだったのを覚えています。
*中小企業庁が全国に設置した中小企業・小規模事業者の方のための無料経営相談所
数ある選択肢の中で副業人材を選択された理由は何でしたか?
コンサルタントの方にお願いすると非常にコストがかかりますが、副業人材の方であればコストを抑えられますし、スポットでドンピシャの方に相談できると聞いたので、活用してみたいと思いました。
初めて実際に副業人材を人材紹介会社経由で募集して面談を進められましたが、スムーズでしたか?
いろいろな方が応募してくださったのですが、副業人材を実際に活用した経験がなかったため、副業人材の方と面談をしてお話を伺っても、どのような基準で選んだらよいのか正直わかりませんでした。そこは少し困った点でした。
紹介された副業人材について感じられたことや、採用の決め手となったことはありますか?
思った以上に優秀な方がいらっしゃるなというのが正直なところです。ご自分で会社を経営されている方や大手企業で部長職をなさっている方など、本当にたくさんの経験豊富で優秀な方が応募してくださいました。我々のような中小企業に、そういった方が興味を持ってくださることに驚きましたね。
今回、お願いした副業人材の方は、「どのようなお困りごとがあるのですか?」という質問から入ってくださり、「課題を一緒に解決できたら」というアプローチで、最初からとても丁寧な印象でした。直感ですが、何となくこの方なら、この会社にフィットするのではないかなと思い、誠実さが決め手となって選ばせていただきました。
副業人材にはどのような形で役割や業務内容を決めて進められましたか?
副業人材の方は神奈川県にお住まいで、遠方ですから、基本的にはオンラインで打ち合わせをしました。ただ、我々の環境を知っていただく必要があると思ったので、島根県の補助金を活用して、一度、弊社に足を運んでいただき、実際にこういうマーケットで、地元密着で仕事をしているところを肌感覚で感じていただくところから始めました。
月に1回か2回、月に8時間程度稼働していただき、1回4時間ずつの月もあれば、4時間はミーティングで、残りの4時間は実際に手を動かしていただくなどして、進めていました。
8時間/月という稼働時間は短く感じますが、問題はありませんでしたか?
8時間でできることは、決して多くはありませんが、限られた時間のなかで、いかに優先順位の高いものに着手していくかを考えながら進めたので、無駄はなかったと思います。全く後悔していませんし、とても良い投資だったと考えています。
副業人材とは全てオンラインのコミュニケーションで完結されたとのことでしたが、問題はありませんでしたか?
オンラインでのミーティングに対しては、最初は不安があったのですが、今回の活動を通して、抵抗感が全くなくなったのは副産物でした。
副業人材によって解決、改善されたことがあれば、教えてください。
今回は中長期経営計画の策定支援を副業人材へお願いしていました。基本的には、まず副業人材の方から問題提起をしていただき、それに対して我々の方で検討してそれをまたぶつけてみるといった形で進めました。
副業人材の方からは、会社の課題点を具体的にご教示いただき、また決算書の数字の観点からもいろいろとアドバイスを頂戴しました。私では気づけなかった課題について指摘を受け、アクションを起こしやすい助言も多くあったので、大変ありがたかったです。
具体的なアウトプットや成果物があれば教えてください。
初めは中長期経営計画策定支援を考えてご相談していたのですが、中長期計画を練ること自体、あまり効果がないのではないかという課題が浮き上がってきました。もう少し優先度の高い課題があるのではないかと助言をいただき、私も本当にそうだなと感じたので、そちらの課題への対応を進めていったのが実際のところです。
これという成果物があったというよりも、具体的な課題に気づいてアプローチできたことが、一番の成果だと思っています。
今後副業人材活用を検討される企業様へ、メッセージをお願いいたします。
副業人材の活用にはコストがそれほどかかりません。試してみて、もし合わなければ休止できますし、別のアプローチで副業人材を活用することも可能です。柔軟に取り組みやすく、メリットも多いので、ぜひおすすめしたいですね。