稼げるまち、住みたいまち、30年後には“みんなが一度は行ってみたいまち”へ。 鹿児島県指宿市長 打越 明司 さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/03/10 (金) - 00:00

鹿児島県薩摩半島の南端に位置し、豊かな自然に恵まれている指宿市。コロナ禍を経て、今後は経済的に豊かに活動できるフィールドづくりに注力しています。指宿市市長の打越 明司さんに指宿の魅力、課題と政策、まちづくりへの想いなどについてお話をうかがいました。

指宿市はどんなまちでしょうか?

日本列島の最南端に位置し、海に囲まれ、海岸線には4つの大きな港があります。火山、島、世界でも珍しい砂むし温泉など、豊かな自然に恵まれた地域です。温暖で住みやすく、指宿を訪れて「将来はここに住もう」と決める人も多くいます。市の中心に池田湖、鰻池があり水資源に恵まれ、農業や園芸も進んでいます。

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JR日本最南端の駅「西大山駅」  © K.P.V.B

地域の課題があれば教えてください。

指宿市には観光分野や良質なものづくりの2本柱で成り立っているまちです。特に観光客の受け入れの部分では十分な挑戦ができていません。

空き家が少しずつ増えてきているので、まだ使えるうちに、いろいろな方に提供して、有効活用していきたいと思っています。

人手不足なので、いい意味でいい人材を輸血しないといけません。それぞれの分野の専門知識やスキルを持った方の力を必要とするシーンはたくさんありますね。

また、指宿はかつて「東洋のハワイ」と呼ばれ、ご年配の方にとっては新婚旅行のメッカというイメージがあると思いますが、若い世代には知名度が低いのが現状です。情報発信の取り組みの強化など、若年層へのアピールが課題だと思います。

首都圏人材やフリーランスにとって、指宿市への「関わりしろ」はどこにあるのでしょうか?

どの分野にどういう人が必要なのか、指宿市がリサーチをして把握することが重要だと思っています。どこに住みたいのか、どこで仕事をしたいのか。ご要望に対して空き家や空き店舗、ホテルの改装など提案できるかもしれませんし、可能な限りサポートしたいと思っています。

指宿で暮らしながら仕事をつくるチャンスはいくらでもあります。このフィールドをつかって、持っているスキルを活かし、可能性を引き出していただきたいですね。我々もできることは全力で協力し、指宿に関わりたい人の裾野を広げたいと思っています。

指宿市の企業や団体に期待することはありますでしょうか。

ここ3年間、観光分野は弱まっており、宿泊関係の企業は疲弊しています。絶対にギブアップさせないという気持ちで、少しでも早く体力を取り戻すためのサポートに注力しています。

一方、ものづくりの分野では、海外に通用するものがたくさんあり、東南アジア、北米などへの輸出に挑戦している農家や企業が増えています。いろいろな方々から、アドバイスやしくみづくりの応援をいただきたいですね。

指宿市が力を入れている施策や、注目してほしい政策を教えてください。

指宿はビジネスチャンスがあるまちだと思っています。これから10年かけて、経済的に十分な活動ができるフィールドを作っていきたいと思っています。並行して、10年後には稼げるまち、20年後には暮らしやすさや景観を含めた「住みたいまち」のトップクラスに、そして「みんなが一度は行ってみたいまち」に30年で育てる。大きな夢をもって日々取り組んでいます。

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開聞岳の朝日 © K.P.V.B

まちづくりへの想いをお聞かせください。

移住を考えたとき、働きがいのある仕事と住みたい場所が一番のポイントになると思います。教育や福祉、マイノリティの分野のクオリティを上げていきたいですね。特にまちの活力を維持する若い方が指宿で暮らしていただくためには、子育てしやすく、支援を感じられるまちでなくてはなりません。

僕が鹿児島県議会議員になったのは約30年前で、ずっと指宿の変遷を見てきました。若い頃は、足りない部分ばかりが目につきましたが、今はこのまちを限りなく愛おしいと感じます。僕のモットーは、歩き回っていろいろな人の話を聞くこと。そこで感じたことを市政のなかで少しずつ活かせるように努力したいと思っています。

毎月の市の広報誌は、「文字が大きいこと」「読めない漢字がないこと」「知らない言葉がないこと」「行政語を使わないこと」を大切にしています。「読みやすい」「分かりやすい」と好評で、楽しみにしてくれる人が増えてきました。

愛情をもって、いつまでもこの町が元気でいて欲しいという想いを抱きながら活動することが僕の使命なのかなと。

まちを歩いているとよく話しかけられます。行き交う人たちを見て、本当に大切にしたいと感じますし、それがまちづくりのエネルギーになっています。

最後に指宿市に興味のある方へメッセージをお願いします。

少しでも指宿に興味を持ってくださったら、ぜひこのまちに来てください。本業をもっている方も、指宿で一旗揚げたい方も、声をかけていただければ、できるだけ情報提供をしますし、きっとお手伝いができると思います。

それぞれの方が最も力を発揮できる分野で活躍していただきたいですね。働きやすさ・暮らしやすさを相談しながらどんな形でもかまいません。ぜひ指宿の仲間になってください!

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