一般的な義務教育に+アルファ!地方ならではの特色ある教育とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/06/01 (木) - 19:00

子どもにとって最適な教育とは、義務教育で用意されているような一般的なものばかりとは限りません。時にはいつもと違った環境に身を置き、多様な価値観を学ぶことも子どもの成長にとっては大切なことでしょう。もちろん義務教育にも社会科見学や移動教室など、教室を離れて学ぶ機会は用意されています。ただしやはりそれは一時的なもので、経験と呼ぶにはあまりに短すぎるものです。今回は地方ならではの特色ある教育や、地方自治体が力を入れるデュアルスクールの取り組みなどについて紹介していきます。


地方ならではの特色を取り入れた教育 

多くの地方自治体や教育機関では、その地方ならではの特色を取り入れた教育プログラムを、小・中学校の授業に盛り込んでいます。

たとえば北海道の札幌市では、札幌市が掲げる理想の人間像「自立した札幌人」を育成するために、【雪】、【環境】、【読書】を柱とした教育方針を作成。この教育方針は、札幌が持つ素晴らしい自然環境や人的環境、文化的環境などを活かしながら、生涯にわたって学び、向上し続けようとする意欲を培うための教育基盤として策定されました。

【雪】では雪国札幌を考えることをテーマに、札幌の大切な特色の一つであり、「札幌らしさ」を学ぶための貴重な財産である「雪」を通して、ふるさと札幌への思いを強め、雪に親しみ、雪と共生しようとする心を培います。
【環境】では「環境首都・札幌」宣言に基づき、四季折々の美しい自然と豊かな文化を次世代に伝え、地球と札幌のよりよい環境を創造しようとする心を培います。
また【読書】は、本を読むことにより言葉を学び、感性を磨いて表現力を高め、創造力を豊かにするとともに、「知的好奇心」をふくらませて一生涯にわたり学び続けようとする心を培うことを目的としています。

*情報:札幌市 公式ホームページの情報を参考にしています。
https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/shido/sappororashisatop.html

このように地方では、その地方ならではの自然環境や風土、文化を通して豊かな感性を培えるような教育を行っています。画一的な義務教育ではなく、多様な価値観を子どもに学ばせたいのであれば、地方の個性ある教育方針を一度調べてみてはいかがでしょうか?


地方移住者に向けた教育事業

札幌市の場合は移住者に向けてではなく地域の子どもに対して特色ある学校教育を推進していたわけですが、地方移住者を積極的に受け入れている地方自治体では、家族での移住を推進するために地方移住者に向けた教育事業を行っています。

たとえば愛媛県では、地域にある企業と連携し「木育」とプログラミング教育を融合させた「MOCKUP(モックアップ)プログラミング教室」という教育事業を推進しています。木育とは幼少期から木や森林と触れ合い親しみを感じることで、豊かな心を育てることを目的とした教育方法で、愛媛県は県の特産である国産木材にふれながらプログラミングを学べるような取り組みを行っているのです。愛媛県は特色のある子育てプログラムを通じて広く家族での地方移住者を受け入れており、MOCKUPプログラミングの体験セミナーなども用意しています。

今や地方移住は、定年後のセカンドライフを過ごすためだけのものではなく、子ども達に豊かな感性を培って貰うための「学びの場」にもなりつつあるのです。


地方移住や二拠点生活を加速させるためのデュアルスクール

現行の学校教育制度では、複数の学校に籍を置くことはできません。さまざまな事情で学校に通えない場合、フリースクールに通ったりすることがありますが、フリースクールは学校教育制度で認められた教育機関ではないため、出席日数は籍を置いている学校には算入されないのです。

徳島県では、徳島と都市部の二拠点生活を考えている人と移住に向けた移住体験を検討している人向けに、デュアルスクールという制度を設けています。デュアルスクールは、「区域外就学制度」を活用し、都市部に住民票を置いたまま、保護者の短期居住にあわせて県内の学校に学籍を異動できるようにしています。この制度を利用すれば、子どもは年に数回程度、都市部の学校と行き来することもでき、徳島県の学校での出席日数は都市部の学校に算入することができます。つまり都会に本拠を置きながら、子どもは地方で「地方ならではの教育」が受けられるのです。
徳島県ではこの制度を使って家族で地方移住を経験して貰い、将来的に二拠点生活や本格的な地方移住を検討して貰いたいと期待しています。保護者は子どもと一緒に短期移住を存分に体験でき、子どもは地方と都市部、双方での生活を体験することによって多様な価値観を醸成できることでしょう。


まとめ

今や地方移住は、子育てを終えてから、もしくは定年を迎えてから検討するものではありません。子育て真っ盛りの世代であっても、新しい価値観や生活習慣を求めて地方への移住を検討すべきです。また地方への移住は、子ども達にとっても都会では得られないさまざまな知見を与えてくれることでしょう。多くのことを真綿のように吸収できる、今しかない機会を積極的に応援してあげてはいかがでしょうか?


<参考>
札幌らしい特色ある学校教育
https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/shido/sappororashisatop.html

未来の学びは実は”田舎”に? 話題のえひめに広がる最先端と生きるチカラを両立する教育のリアル
https://e-iju.net/event/0928/

地方と都市を結ぶ新しい学校のかたち「デュアルスクール」
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/gakkokyoiku/2016080900084

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