35歳からの転職でキャリアップするポイントとは
渡部 幸
2017/11/08 (水) - 08:00

以前から世の中では、「転職は35歳までが限界で、それ以上の年齢になるとはキャリアアップは難しい」という「35歳転職限界説」がありましたが、果たしてそれは今でも本当なのでしょうか? 今回は、変化してきている転職市場の現状と35歳以上の転職のポイントについて解説していきます。

転職市場の現状

まず、転職市場の現状を見ていきましょう。転職の求人について、現在職種によるニーズの多い・少ないはありますが、全体的には売り手市場が続いており、35歳以上の人の転職の状況も以前と比べて変化しています。35歳以上だと必ずしもキャリアアップや収入アップが難しいというわけではありません。
なぜ、変化が起こってきたのでしょう? それはやはり、求人数が堅調なため、特に多くの企業が欲しいと思っている、“若手でその仕事の経験がある即戦力で優秀な人”はなかなか採用できない状況が続いているからです。そのため、職種未経験の第二新卒や新卒を採用しようとしている企業もたくさんありますが、その人たちについても、なかなかよい人材が応募してきてくれない、と困っている中小企業が多いのです。
そこで、第二新卒や新卒と同時に候補となっているのが、35歳以上のある程度のキャリアのある人たちです。30代後半から40代の人たちの新卒での入社時期は、1993年以降のバブル崩壊後の時期のため、企業のなかにも在籍者が少ない傾向にあります。その上の世代と下の世代の間の断絶を埋めるためにも、このあたりの人材が欲しいと思っている企業も多くあるでしょう。
年齢のことだけで躊躇せずに、人材エージェントに自分のキャリアやスキルをしっかりアピールする、転職求人サイトのエントリー内容もよく吟味する、などの工夫をしていくと効果的です。

35歳以上転職のもう1つの成功ポイント

35歳以上の人が転職する場合、もう1つキャリアアップや年収アップにつながる成功のポイントがあります。それは、マネジメントの経験があるかどうかです。先ほども説明したように、30代後半から40代の世代が各企業に正社員として少ないという状況がありますので、管理職を担う層が薄いのです。そのため、現場も分かるけれども、ほかのスタッフをマネジメントした経験がある人材、プレイングマネージャーはどこの企業でも重宝されるはずです。
もし、あなたがマネージャーの経験があり、自分が仕事をしていた業界の中で転職したいのであれば、30代でなくても、充分ニーズがあるでしょう。また、自分の経験業界でなくても、たとえば、店舗での販売サービスの業界から人材サービス系の業界など、関連する業界や応用ができそうな業界であれば、同じく40代であってもキャリアアップできる可能性は高いと言えます。
マネージャー、主任、課長、などの役職の経験でなくても構いません。実質的に派遣スタッフの人やアルバイトの人、パートタイム社員の人など多くのスタッフをまとめていた経験があって、これからもマネジメント職を希望するという場合は、ぜひアピールするとよいでしょう。

二極化しているのは50代

今まで見てきたように、現在は35歳が転職の限界ラインということはありません。総合職・専門職の場合、40代になっても充分キャリアップの転職は可能です。むしろ、今二極化しているのは、50代といえるでしょう。50代、特に前半の人はバブル時期入社の世代で、社内に同期の人数も多いのです。
経営的な仕事のキャリアがあり、柔軟性が高い人か、弁理士や社労士などのような起業しても通じるぐらい高度な専門性を持った仕事の人は、退職してからも違う企業でニーズがありますが、大企業の中の枠組みの一部分の経験の人は、自分の管理職などの経験を活かした次の転職となると、難しいのが現状です。早期退職制度などを利用して退職した後、同じ職種で転職をしようとすると収入アップやキャリアップ、または正社員として仕事に就くこと自体が厳しくなっているといえます。

転職を視野に入れるなら長期的にスキルアップを

35歳以上の人でも、何を仕事に求めるのか、何を重視するのかは人によって違うでしょう。一部の、転職が当たり前の外資系金融職などは別として、もし、今の仕事をやめて転職し、より収入のアップを目指そうと思っているのなら、早いうちから自分のスキルを積み重ねることを意識して行動することをおすすめします。
また、自分の市場価値がどのぐらいあるのか、人材エージェントなどに登録して情報を聞いてみるのもよいでしょう。民間のエージェントからいきなり転職の紹介が来るのは避けたいという人は、適職診断などのビジネスコーチングやキャリアコンサルティングを受けて、自分の補強点を探しておき、自己啓発を進めるのもおすすめです。大切なのは、転職でキャリアップを目指すなら、長期的にスキルアップの意識をもって行動していくことなのです。

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