転職の成否を握る「情報収集」。何をどう使う?
滝田 元子
2017/06/11 (日) - 08:00

どこにどんな求人情報があるのかを知ることは、希望する仕事と出会う大事なポイントです。また、多くの方は仕事を続けながら転職活動をしますから、使える時間にも限りがあります。情報ソースの特徴を知って上手に活用すれば、効率的なだけでなく、予想以上の成果を出すことも可能です。

転職情報源は複数組み合わせて活用を

厚生労働省が平成25年度「雇用動向調査」をもとに分析したデータによると、入職経路として一番多いのは手軽に入手できる「求人広告」です。

ちなみに民間の職業紹介所(いわゆる転職エージェントなど)は2.7%です。 年齢層別に主な入職経路の比率を見ると、以下のようになります。

求人広告などの公募では年齢が上がるにつれて希望にマッチする案件が少なくなります。結果として、“人となり”を理解している友人、知人の紹介による転職が増える傾向があることがわかります。

ここで情報ソースそれぞれの特徴をまとめてみましょう。

【ハローワーク】
求人件数の多さは圧倒的です。中高齢者の求人もあります。無料なので中小企業が多く利用しています。地元の優良企業が紛れていることも。相談員による面談などの無料サービスが受けられます。

【求人サイト】
検索機能に優れており、希望する条件で求人情報を探すことができます。地方の求人が充実している、特定職種の求人が多いなど、サイトによって特色があるので使い分けるといいでしょう。募集情報だけでなく、会社情報や経営方針、仕事情報なども紹介されています。

【転職エージェント(人材紹介会社)】
登録後は適性診断やカウンセラーとの面談などが用意されています。成功報酬制の会社がほとんどですから手厚いサポートが受けられます。業界・職種特化型や地域密着型など、得意分野を持った会社も多く存在します。

【派遣会社】
一定期間の派遣就業後、派遣先と直接雇用契約を結ぶ「紹介予定派遣」。派遣会社のサポートが受けられるうえ、派遣就業期間に実際の仕事を体験できます。

【転職フェア】
直接求人企業と出会える場。人材関連企業や地方自治体、各種団体などが不定期で開催しています。

【縁故 (友人知人の紹介)】
転職を検討しはじめたら、身近な人に発信しておくといいでしょう。ただし在職中の場合は慎重になる必要があります。親戚や友人知人、学校の先輩や恩師の紹介、取引先なども含まれます。あなたのことも求人企業のこともよく知っている人の紹介なら、マッチングの精度も高く、決定率も上がります。

このほか、自社HPに募集情報を公開している会社もあります。希望する会社が絞られているなら、チェックしてみるといいでしょう。ネット上のすべての求人情報から検索できるindeedも便利です。とくに地方の求人情報収集で威力を発揮します。

転職はタイミングが重要。一つの手段に固執せず、複数手段を併用しておくことで可能性が拡がります。

企業研究は素早くかつ徹底的にやる

求人広告で興味ある企業に出会った時は、「募集理由」と「求める人物像」「経営方針」をチェックしましょう。なぜ今回人が欲しいのか? 欠員補充ならば仕事もポストも明確でしょうから、自分がそこにフィットするかの確認は容易です。事業拡大や新規事業要員であれば、広告からどんな人材が求められているのかイメージし、自分の能力発揮の可能性を伝えると採用の確率がアップします。求める人物像には、必要なスキルや志向、価値観などが書かれています。職務経歴書の内容で証明することが出来れば、説得力がでます。経営方針はぜひ読み込んで下さい。どんな事業戦略を描いているのか、将来の見通しはどうかなど人生の後半を賭けるにふさわしい会社かどうかは見ておきたいところです。「何を期待されて働くのか」、「そこで働いている自分がイメージできるか」を考えて、最終判断するようにしましょう。

企業情報もしっかり調べておきましょう。上場企業・店頭公開企業なら「会社四季報」を活用。財務状況や業績の予測等の成長性・安定性をチェックできる情報が書かれています。上場企業であればwebツールのUllet(ユーレット)も便利。同業他社とのデータ比較なども簡単で、業界内での立ち位置、何を強みに強豪と戦っているかなどをイメージすることができます。
中小企業ならHP等で経営者の略歴や経営理念を確認しておきます。経営者の思いに共感できるかどうかは大事な要素です。
サービス業なら店舗に見学に行き、気付いたことをメモしておくといいでしょう。いい点も悪い点も自分なりの言葉で伝えれば面接場面で役立ちます。

「仕事は今日生まれる。そして明日には採用終了してしまう」とよく言われます。なかなか募集しない企業でも、急な退職者の補充をすることはあるはずです。せっかく見つけた求人も、応募の連絡をした時には締め切られていたということもあるでしょう。常に情報感度を高くして活動を継続すること。そしてこれだと思ったら行動に移すことが、希望の仕事と出会える近道です。

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