地方移住の課題～住居～　地方移住の課題では常に上位の住居探し！その探し方と支援策の利用について解説します｜GMT - グローカルミッションタイムズ

地方移住の課題～住居～　地方移住の課題では常に上位の住居探し！その探し方と支援策の利用について解説します

GLOCAL MISSION Times 編集部

2021/09/15 (水) - 12:00

地方移住への課題（不安）を挙げたときに、「仕事」や「人間関係」と並んで、いつも上位にランクされる「住居」の問題。都会でも住居選びには悩むものなのに、不案内な地方となれば不安になるのも無理はありません。しかしながら誰しもが考える不安には、自治体などがしっかりとしたバックアップ策を用意しているものです。

今回は地方移住に関わる住居探しの問題について、その探し方と自治体が用意する助成制度についてご紹介します。

地方移住の課題

地方移住を考えたときに、移住前に解決しておきたい課題はいくつもあります。しかしそれは何も特別なことではなく、誰でも不安に思うものばかりです。「仕事はあるだろうか」、「ある程度の収入は確保できるだろうか」、「近隣の人たちとうまくやっていけるだろうか」と挙げ始めればキリがありませんが、必ずランキングされる5大課題（不安）は以下の通りです。

・仕事（収入）
・住居
・子育て（教育機関）
・人間関係
・医療（病院などが近くにあるか）

これらを含めた地方移住の課題は、移住前にインターネットなどで調査できるもの（教育機関の有無、病院の有無）と調査後、現地へ出向いて確認が必要なもの（仕事、住居）、短期移住などの経験が必要なもの（人間関係等）に分かれます。今回お話しする住居の問題は、事前の調査と実地確認が必要になりますが、自治体の支援策や調査方法が充実しているので比較的解決しやすい課題といえるでしょう。

住居を探すならまずは自治体の空き家バンク

地方移住を積極的に支援している各自治体では、ほぼ必ずといって良いほど住宅の確保について支援制度と探す仕組み（以下、空き家バンク）を用意しています。

自治体によってその呼び名はさまざまですが、所有している空き家を貸したい人や売りたい人が登録し、それを自治体が紹介しているのが空き家バンクです（一般社団法人や公益社団法人の運営による物件サイト、民間の不動産情報サイトを紹介している場合もある）。この空き家バンクには、メリットとデメリットがあるので紹介しておきましょう。

メリット

家賃や売買価格が比較的安め
自治体の空き家バンクから住居の賃貸や購入をすると、助成制度を利用できる
家主や売主と直接交渉の場合、仲介手数料が不要

デメリット

そのままの状態では住めない物件もある（リフォームや修理が必要）
リフォームや修理は入居者負担となっていることも多い
賃貸契約や売買契約の場合は、契約トラブルに注意が必要
良い物件は抽選となり、必ずしも入居できない場合がある

空き家バンクの運営方針は自治体によって違います。民間の不動産業者への紹介を行っている空き家バンクも多くあります。この場合仲介手数料はかかりますが契約やリフォームの心配は軽減されるでしょう。いずれにしろ、移住を考えている自治体の空き家バンクの方針をよく理解した上で使うようにしましょう。

助成制度を積極的に使う

自治体の運営する空き家バンクでは、空き家バンクを経由した住居の賃貸や購入に助成制度（補助金支給制度）を用意していることが一般的です。たとえば長野県飯田市の場合には、空き家の改修工事費を最大50万円まで補助してくれます。他にも家賃補助や購入資金の補助、引っ越し代を助成してくれる自治体などもあります。

自治体によっては、空き家バンクの利用有無に関わらず移住者への助成制度を用意している場合もあるので、移住の公式サイトで確認をしてみましょう。

住居を決める際の注意点

すべてではありませんが、空き家バンクはもともと地域の空き家を有効活用しようとして始まった経緯があります。利益を目的としていないので安く物件を見つけられますが、借り手側、もしくは購入する側の手間や責任が増えることにもなります。

賃貸であれ購入であれ、契約後、住むまでにどれだけの費用がかかるのか、その負担割合は借り手（もしくは購入側）なのか貸し手（もしくは売り手側）なのか、賃貸の場合には退去するときにその費用は戻るのかなど、先々のことまで考えて契約に臨みましょう。これらトータルの価格を考え合わせて、貸し手（売り手側）の提示した金額が適正かどうかを判断できると安心です。住宅を決める際の一番の注意点ともいえるでしょう。

まとめ

不案内な地域への移住を考える場合には、いきなり住居を購入するのではなく賃貸から始めるというのが良いかもしれません。まずは賃貸でその地域に住み、目当ての物件を見つけたら納得するまで精査し、リフォーム代などの予算建てが終わってから購入を考えてみてはいかがでしょうか。その際は、将来的に助成が受けられるのか、自治体に確認しておくことも忘れずに。