リモートでの副業に電子契約は必須!?知っておきたいその仕組みを解説します
GLOCAL MISSION Times 編集部
2021/10/20 (水) - 16:00

会社員を長く続けてきた方が副業をはじめると、仕事を請けるための契約書の多さにきっと驚かれることでしょう。副業とはいえ企業対企業(個人事業主を含む)の取引になると、仕事内容を明らかにした契約書が必要不可欠なので、どうしても契約書は増えてしまうのです。

また最近では、従来の紙の契約書に代わって電子契約での契約締結も多くなっています。テレワークでの就業やリモートでの副業が普通になった昨今、紙のやり取りをしなくても済む電子契約のニーズが飛躍的に増えているのです。今回はリモート時代に必須となりつつある電子契約の概要と、そのメリットなどを解説していきます。

副業で必要になる契約にはどのようなものがある?

契約書、と一口に言ってもその種類はさまざまです。法律などで厳格に名前が決められているわけではありませんが、副業の開始時には目的別に名前の付けられた契約を求められるはずです。ここで副業にはどのような契約を求められることが多いのか、確認しておきましょう。

秘密保持契約
業務上知り得た双方(もしくは片方)の秘密情報を、第三者に漏らさないと約する契約です。NDA(non-disclosure agreement)などとも呼ばれますが、今では仕事の開始時に結ぶ、一般的な契約といえるでしょう。

業務委託契約

仕事(業務)を誰かに頼む(委託する)場合の条件などを約す契約です。主に以下の2種類に分かれます。

・準委任契約
独立して自分の裁量(業務を行う日時、場所、方法などについて定められることがないこと)で、役務を提供する場合の契約。完成品を納めるのではなく、開発の一部を請け負うなど、役務(労務)を提供する場合に結びます。

・請負契約
独立して自分の裁量で、仕事を完成させる場合の契約です。仕様に基づいたプログラムなどを完成させ、納品する場合などはこれに当たります。

発注書
一見契約書には見えませんが、発注する内容、検収の条件、金額などが記載されていれば立派な契約書です。また、これに付随する発注請書、請求書、納品書、受領書、検収書なども契約に関わる書類です。

電子契約とは?

それでは最近増えてきている電子契約とは、どのような契約なのでしょう?ごく簡単に言ってしまうなら「電子データに電子署名が付与された、電子的な契約」ということになります。つまり、契約書を単に電子化(ワープロのデータやPDFデータなど)したものは電子契約ではありません。電子データに「電子署名」が加えられて、初めて電子契約は成立するのです(正確には電子署名とタイムスタンプ)。電子署名は、電子契約のデータが当事者の作成した正式なものであること、そして内容が改ざんされていないことを証明するもので、以下の2種類があります。

当事者型高度電子署名
当事者型高度電子署名は、電子署名の成立要件である電子署名とタイムスタンプに加え、「電子証明書」を用いたものです。電子証明書は、実印などの証明に使われる印鑑証明書のようなものだと理解すれば良いでしょう。当事者型高度電子署名は、使用に際して手間や時間、費用がかかりますが、真正性が高いので厳格な契約(企業の買収に関わる契約など)に使われます。
※真正性:正当な権限において作成された記録に対し、虚偽入力、書き換え、消去、及び混同が防止されており、かつ第三者から見て作成の責任の所在が明確であること

立会人型電子署名
立会人型電子署名の「立会人」とは、契約当事者が指定した電子契約サービス(主にクラウドサービス)を提供する企業を指します。立会人型電子署名の特徴は、電子証明書を必要としないことです。電子署名とタイムスタンプのみで電子署名を行うことにより、コストと手間、時間を節約することができます。

立会人型電子署名は「なりすまし」の可能性があり得るため、当事者型高度電子署名より法的効力が弱いとされてきましたが、国が定める電子署名法の要件は満たしているので安心して使えます。現在、電子契約のシステムを提供している企業の多くはこの立会人型電子署名を採用しており、今後の電子契約のスタンダードになると言われている電子署名の形式です。

電子契約のメリット

最後に電子契約は従来の紙の契約と比較して、どのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

印紙が必要ない
副業をしている人にとって電子契約の一番のメリットは、契約に際して印紙が必要ないことでしょう。通常の契約では請負内容と取引金額によって印紙が必要となりますが、電子契約では必要ありません。

紙代、印刷代、郵送代などを削減できる
印刷や郵送が必要ないので紙代、印刷代、郵送代などを削減できます。さほど大きくない金額かもしれませんが契約数が多くなればバカになりません。

業務効率化と時間短縮
従来の紙の契約に比べ、圧倒的に手間と時間を削減することができます。印刷、封入、切手の準備や投函の手間なども無くなります。

セキュリティ性が高い
電子署名はもちろん、電子契約の内容はすべて暗号化されています。契約の当事者しか確認や変更をすることができませんので、セキュリティ性は従来に比べて格段に高いといえるでしょう。

まとめ

ある調査によると、副業ワーカーの約9割が取引先との「紙の契約書のやり取り」に不満を感じているそうです。契約のコストや手間、時間も節約できる電子契約。取引先が応じてくれるならすぐにでも使いたいものです。

<参考URL>

フリーランス・副業の業務委託契約8つの注意点
https://blog.any-crew.com/708

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