複業Q&A! 複業・副業・兼業の違いを比べてみると?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2021/12/24 (金) - 18:00

テレワークのような働き方が可能になり、今、社会では副業を始める人の割合が増えています。企業側も柔軟な姿勢を見せるようになり、本業に励みながら副業として本業以外の仕事に就くことも可能になりました。

そこで、近年、注目されているのが「副業」ならぬ、「複業」という働き方です。

「兼業」ではないんですか?そうです、兼業でもなく副業でもない「複業」です。「副業」と「複業」、「兼業」。いったいこの3つは何が違うのでしょうか。それぞれを比較・検証してみましょう。

複業の定義を考える

まずは国語辞典から、複数の仕事を持つことという意味を引いてみましょう。(学研「現代新国語辞典」より)

・「兼業」→本業とともに他の事業をしていること。
・「副業」→本業のかたわらに行う仕事。

実際に辞書で調べてみると、「複業」という言葉は見当たりません。この言葉は現代のビジネス環境を表現するために、最近になって使われるようになった造語だと思われます。

兼業や副業との違いはこれから解説しますが、複業とは本業として従事する仕事を、同時に並行して複数持つことを表す言葉のようです。

Q:では、複業と副業とはどこが違うのでしょうか?

本業があってこその副業

A:答えとしては、働き方のバランスが違うということになります。

同時に複数の仕事をする場合、1つ本業として従事する仕事があり、それ以外に、本業と比べて従事する割合が小さい仕事を持っている場合、それを本業に対して副業と呼びます。収入の面でも本業の割合が高く、当然副業のほうが低くなります。

それに対して複業の場合は、複数の仕事のそれぞれがバランス的にほぼ等しいという特徴があります。本業プラス副業という関係に対して、複業イコール複業という関係にあると言えるでしょう。

Q:では、複業と兼業とは同じことなのでしょうか?

兼業にも本業という位置づけがある

A:複業と兼業とは極めて近い働き方ですが、厳密に言うと定義が異なります。

兼業という働き方にも、基本的には本業とそれ以外の仕事という区分けが存在します。例えば兼業農家という場合、農業だけで生計を立てる専業農家に対して、農業を本業にしながら別な仕事でも収入を得ている状態を表します。また、本業以外の仕事の割合が、副業の場合よりも高いという点も兼業の特徴と言えるでしょう。

つまり、兼業の場合も副業と同様に、いわば主役である本業があり、脇役として別な仕事にも就いているわけです。ただし兼業の場合、収入面では本業と別な仕事が等しくなっても構わないようです。

Q:では、いったい複業の定義とは何なのでしょうか?

複数の仕事を等しくこなす複業

A:複業の定義とは、いくつかの仕事を同じバランスでこなすことです。

極端な言い方をすれば、複業には本業という概念がありません。むしろ、就業しているすべての仕事が本業であると考えるべきかもしれません。

実際に複業をこなしている人としては、フリーランスという働き方が思い浮かぶかもしれません。特定の企業に属さずに、自分で仕事を探して契約関係を結び、それを同時並行で進めるフリーランスは複業の代表とも言えるでしょう。

しかし、複数の企業に所属して収入を得るという複業の方法も存在します。ポイントは、それぞれの企業での業務バランスがほぼ等しいことです。どれか1つの仕事が本業になった時点で、働き方としては兼業になってしまうでしょう。

Q:では、なぜ今、複業なのでしょうか?

働き方の多様化が複業に発展

A:国内での働き方の変化が、複業という形態を生み出したと言えるでしょう。

現在の日本では各産業で人材不足が慢性化していて、政府も働き方改革を積極的に推進しています。それにともなって、企業も副業を解禁するようになってきました。その結果複数の企業間で、仕事を掛け持ちすることが可能になり、徐々に本業という感覚が薄れつつあると考えられます。

さらにフリーランスという働き方を選ぶ人が増加し、それらの人々に仕事を依頼する企業も増えてきたため、働き方の自由度が高い複業を選ぶことが可能になったのでしょう。将来の日本のことを考えても、今後は複業のしくみを充実させることが重要な課題になるはずです。

広がる複業の可能性

改めて複業という働き方の定義を考えると、副業や兼業があくまでも本業という軸に固定されるのに対して、同じバランスの仕事を複数こなすのが複業だと言えます。複業のメリットは、働き方の自由度が非常に高いことにあります。

働く側にとっては、自分がやりたい仕事に就けるという魅力があり、仕事を依頼する企業側にとっては、安定的な人材確保につながるという利点が生まれます。当然国内の人材不足を解消する1つの方法にもなります。

今後はフリーランス、企業+企業、企業+フリーランスなど、さまざまな形態の複業が一般化すると考えられます。仕事に対する個人の可能性が広がり、新しい暮らし方の発見にもつながるかもしれません。

参考資料

「複業と副業の違いとは?」KROW Media
https://krow.co.jp/media/archives/85

「複業とは?」カオナビ
https://www.kaonavi.jp/dictionary/multiple-jobs/

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