人材派遣型の企業版ふるさと納税とは?その概要とメリットをご紹介!
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/01/26 (水) - 18:00

今や、私たちの生活にすっかり定着したふるさと納税。実質2,000円の負担で地方の名産品を楽しめる魅力的な仕組みですが、企業向けにもふるさと納税の仕組みがあることをご存じですか?中でも今話題となっているのが、人材派遣型の企業版ふるさと納税です。今回は、企業版ふるさと納税の仕組みから人材派遣型の特徴、そのメリットなどについて解説していきます。

そもそもふるさと納税とは?

一般の人が利用する納税方法として、今やかなり普及した「ふるさと納税」。一時期はその返礼品の豪華さだけが話題となり本来の目的が見えにくくなってしまいましたが、もともとは生まれ故郷や応援したい自治体を支援するための仕組みです。

地方創生策の一つ

ふるさと納税は、2014年に第二次安倍内閣によって策定・施行された「まち・ひと・しごと創生法」がベースとなった成長戦略の一つです。少子高齢化や、首都圏への一極集中などによって過疎化する地方を活性化させ、日本全体の活力を上げることを目的とした地方創生。地方の活性策では「政府機関の地方移転」、「工場移転やサテライトオフィスの開設」、「Uターンや地方企業への助成」などが行われています。

ふるさと納税は、首都圏への人口集中と共に集中する税収を分散させるための施策で、地方との税収格差を是正する目的で行われています。一般的なふるさと納税は、支援したい自治体を選んで寄付を行い、代わりに返礼品など(寄付額の30%以内)を受け取ります。寄付した人は、寄付後決められた手続きを行うことにより、寄付金のうち2,000円を超える部分について所得税の還付や住民税の控除が受けられます。

寄付金の70%ほどは地方自治体の歳入増加につながり、地域の活性化や課題解決のために使われます。寄付した人は、実質2,000円の負担で地域の名産品などの返礼品を貰える魅力的な仕組みです。

企業版ふるさと納税とは?

では企業版ふるさと納税と一般的なふるさと納税では、何が違うのでしょうか?一般的なふるさと納税は2008年5月から開始されていますが、企業版は2016年に創設されています。その基本的な仕組みは一般的なふるさと納税と変わらず、任意(ただし寄付を行う企業の本社所在地は除く)の地方自治体に寄付を行い、税制的な優遇を受けるというものです。通常の寄付行為でも約30%の損金算入となり税の控除を受けることができますが、企業版ふるさと納税では最大90%まで税額控除を受けることができます(内訳は約30%の損金算入と最大60%の税額控除)。つまり企業版ふるさと納税で1,000万円を寄付すると、最大で約900万円の法人関係税が軽減されることになるのです。いくつかの条件はあるものの、ふるさと納税は企業にとってもメリットの大きい制度となっています。

※2020年度の税制改正により拡充された税額控除(寄附額の最大60%)により、最大で寄附額の約90%が軽減される。税制改正前は約60%の軽減。

人材派遣型とは?

ではこの企業版ふるさと納税の人材派遣型とは、どのような仕組みなのでしょうか?企業版ふるさと納税(人材派遣型)は、税制改正が行われた2020年に新しく創設されました。その基本的な仕組みは、通常の企業版ふるさと納税のように金銭のみを寄付するのではなく、人材を派遣することによって税額控除が受けられるというものです。

企業版ふるさと納税(人材派遣型)は、地方公共団体などへ専門的知識やノウハウを有する企業の人材を派遣する仕組みです。派遣の際には人件費を含む費用を、企業版ふるさと納税に係わる寄付として納入します。

たとえばある企業では 、ICTに関わる知識を持った社員を「非常勤職員」として地方自治体に派遣し、約9ヶ月間(2021年6月1日 ~ 2022年3月31日)、ICTを活用した地域課題の解決活動に従事させています。この人材派遣には、派遣人材の人件費を含んで1000万円が寄付されており、寄付をした企業は約900万円の税額控除を受けることができるのです。

企業版ふるさと納税(人材派遣型)のメリット

それでは、通常の企業版ではない人材派遣型のふるさと納税には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

地方公共団体のメリット

・期間限定であっても、専門的知識やノウハウを有する優秀な人材を、地方創生のプロジェクトなどで活用できる。
・実質的に人件費の負担なしに人材を受け入れることができる。
・関係人口の創出・拡大も期待できる。
※関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉。関係人口の拡大は、地域の活性化につながると言われている。

寄付を行う企業側のメリット

・派遣した人材の人件費(相当額)を含む寄付により、寄付金の最大約90%に相当する税額控除を受けることができる
・寄付よる金銭的な支援だけなく、地域活性化事業の企画・実施に派遣人材が参画することにより地域貢献ができる
・自社とは違う環境で派遣人材を従事させることにより、人材育成の機会を得られる

まとめ

単に税額控除の利点だけを考えるのであれば、企業は通常の企業版ふるさと納税を行えば良いでしょう。ただし人材派遣型のふるさと納税を行うことにより、地方自治体はもちろん、企業側には更なるメリットが生まれます。

地方の人材不足は深刻で、予算があったとしても有能な人材を雇用することは難しくなっています。企業は社会の構成員として、社会的責任(CSR)も負っているのです。人材派遣型の企業版ふるさと納税は、人材の不足する地方への大きな社会貢献となるでしょう。

<参考>

企業版ふるさと納税とは
https://www.satofull.jp/static/enterprise-ed.php

企業版ふるさと納税 活用事例集
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/R2jireisyu.pdf

企業版ふるさと納税(人材派遣型)
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/R021013_jinzaigaiyou.pdf

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