こんなはずじゃなかった！田舎移住で後悔した地域コミュニティ編｜GMT - グローカルミッションタイムズ

こんなはずじゃなかった！田舎移住で後悔した地域コミュニティ編

GLOCAL MISSION Times 編集部

2022/04/29 (金) - 18:00

地方移住の課題によく挙がる「仕事（収入）」や「住居」、「人間関係（人付き合い）」のうち、住んでみなければわからないのが人間関係の問題です。隣近所や自治会の人、転職先の同僚など、移住すれば新しい人たちとの付き合いが即座に始まります。このような移住に関わる人間関係で後悔しないためには、何か対策があるのでしょうか？今回は地方移住につきものの、地域コミュニティとの関わりについて解説していきます。

常に課題上位にランクされる「人間関係」

地方移住に関わる課題（問題）をランキングすると、必ず上位にランクされるのが「仕事（収入）の確保」、「住居」、「地域コミュニティとの付き合い（人間関係）」です。たしかに収入が無ければ生活ができませんし、住居も快適な生活をする上では欠かせないものです。ここまでは理解できたとしても、なぜ地域コミュニティとの付き合いが地方移住の課題となるのでしょうか？

人口の多い都会では想像できないことですが、地方は人口密度が低いため地域の人たちはほぼ顔なじみであることが一般的です。良くも悪くも人間関係が濃厚なのが地方の特徴で、地方特有の消防団の集まりやお祭りの役員会などをわずらわしく感じる人も多いことでしょう。

地方移住を検討している人は、都会では少なくなったこのような濃い人間関係を問題なく継続していけるのかに不安を感じているのです。地方では、地域（町や集落）から離れた一軒家でもない限り、人間関係の緊密さを避けて通ることはできないでしょう。

事前の対策が難しい地域コミュニティの問題

この問題をもっと難しくしているのは、事前の対策が難しいことです。仕事であれば事前に地元企業に転職する、あるいはテレワークで本来の職業を継続するなど、事前の対策が可能です。住居も移住前に物件を見学し、転居に先だって契約を済ませておくことができます。ただし地域のコミュニティ（近隣住民や自治会、仕事の同僚、等）との人間関係構築は、移住後にしかできないことで、事前の対策は困難に思えます。このことが皆わかっているからこそ、常にランキングでは不安要素の上位に入ってくるのです。しかし地域コミュニティに関する課題は、本当に事前対策ができないのでしょうか？

地域コミュニティーの課題を3つに分類する

実は地域コミュニティの課題は、3つに分類することができます。課題を小分けにすることで、それぞれの対策が見えてきます。

・近隣の住民

地方移住で一番密接に関わるのは、近隣の住民でしょう。仕事先の人間であれば主に世帯主、学校の同級生であれば子どもだけに限定されますが、近隣の住民となると家族全員に関係してくるからです。

課題に対して対策を立てるのであれば、前もって情報を入手しておくことが肝心です。近隣住民に関する情報は、住居を借りる際に家主から入手することができます。狭いコミュニティは、良い意味でも悪い意味でもさまざまな評判が筒抜けになります。家主さんにさりげなく評判を聞くことで、前もって近隣住民に対する心構えをしてしまいましょう。

・地域もしくは町内会

地域や特定の町が、独特の文化を持っていることは地方でも稀です。地域や町内会ではどのような集まりがあるのか、また参加は必須なのかそうでないのか程度を確認しておけば良いでしょう。

地方自治体にも依りますが、移住を推進している自治体の多くは数日から数週間程度の移住体験を用意している場合があります。実際に移住を希望する地域に移住体験できるかどうかは問い合わせが必要ですが、可能であればこの機会を利用して地域の情報を集めてしまいましょう。消防団や自治会などの集まりがあれば、会長さんや幹部の方と仲良くなっておくのもおすすめです。

・仕事先の上司・同僚

仕事に関わる上司や同僚との付き合いは、地域コミュニティの課題とは少し違っているかもしれません。ただし新しい環境で新たな人間関係を築かなければいけないという意味では、ストレスに感じる人もいることでしょう。「会社で一番難しい仕事は人間関係だ」とも言われるように、会社での人間関係の難しさに都会や地方の違いはありません。もし転職先の企業が就業体験などを実施しているのであれば、前もって上司や同僚と知り合っておくのも一つの手段です。

まとめ

ここまで地域コミュニティの課題と対策についてお話ししてきましたが、人間関係の濃さは決して悪いことばかりではありません。ほとんどの人が知り合いであれば、不審者を防ぐ効果を発揮するなど、子どもの安全にもつながります。消防団や自治会も、地域の安全と快適性を守るための、地方ならではの仕組みです。根拠のない先入観で不安を感じているよりも、思いきって地元に溶け込む努力をしてみてはいかがでしょうか？