地方移住の新しいカタチ!? 移住体験が気軽にできるサブスクとは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/05/17 (火) - 19:00

今までも地方移住検討の最終段階として、地方自治体の用意した体験移住を利用する人たちは多くいました。ところが最近では、地方の古民家をサブスクで利用できるサービスを使い、特定の地方への移住を検討する前に移住を楽しむ人たちが増えています。またそもそも移住ではなく、「漂流」という生き方を楽しむ人もいるようです。今回は今話題となっているサブスクで利用できる移住サービスと地方移住の新しいカタチについて解説していきます。

そもそもなぜ移住体験は必要なのか?

地方移住や田舎暮らしをしたいと考えたとき、ほとんどの方は特定の地方のイメージを思い浮かべるはずです。たとえば山間部でスローライフを楽しみたければ、長野や山梨など山の多い地方、マリンライフを楽しみたければ温暖で海が近い宮崎や沖縄をイメージするかもしれません。

ただしここで考えなければいけないのが、イメージと現実のギャップです。地方移住を真剣に考え始めたなら、まずはインターネットで移住を希望する地方の自治体ページを訪問し、地方の概要や移住支援策の有無を調べることでしょう。次は地方自治体が用意している移住相談窓口の利用です。多くの自治体では移住希望者が情報を集めやすいように、首都圏や県庁所在地に移住専用の相談窓口を設けています。ここにはネットでは集めきれない情報や、その地方(もしくはもっと限定した地域)の生の情報が集まっています。ここまでの調査でその地方への興味が最大限に高まれば、現地を訪れるか、地方自治体の用意している地方移住体験を利用する流れになるのです。

移住体験は、机上の調査ではわからなかった移住の問題や、現地でしかわからない状況を調べるためのものです。たとえば気候。寒いとは聞いていても、実際の寒さや自分自身の体調変化は、現地で経験してみなければわかりません。またその地域独特のコミュニティや暮らしやすさなども、知識や情報だけではわからないものです。このギャップを埋めていくのが移住体験で、地方自治体によって違いがありますが現地で数週間から1ヶ月程度、実際に移住生活を体験することができます。

サブスクで利用できる新しい生活スタイル

サブスク(サブスクリプション)とは、定期的に料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用できる権利のことです。一般的には毎月一定額のサブスク料金を支払い、映像や音楽配信、カーシェアなどのサービスを利用するのに使われているので、ご存じの方も多いことでしょう。

このようなサブスクのサービスに、近年は全国数百カ所の古民家やコテージなどを利用できるサービスが登場しています。利用できる古民家やコテージには家具や家電が備え付けられ、サブスクの料金には光熱費も含まれています。あるサービスでは、このような古民家に最大2週間滞在し田舎暮らしを楽しむことができます。つまり毎月のサブスク料金を支払っていれば、月に2カ所の地方で移住生活ができるというわけです。

ただしこのサービスの目的は、地方移住体験を提供することだけではありません。コロナ禍や働き方改革の浸透、テレワークの普及がこのようなサービス提供のきっかけとなっているのです。都心に暮らし満員電車で通勤するよりも、気に入った地方に数週間滞在し、旅行気分で観光しながらテレワークで仕事をするという、新しい生活スタイル(ワーケーション)を提供しているのです。

※ワーケーション … ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。
休暇や休日を使って旅行しながら、平日はテレワークで働く生活スタイル。

このような生活を別の言い方で表せば「漂流生活」となるのかもしれません。ただし国内どこでも居住可で、仕事をキッチリやってくれれば良いという企業も増えており、このような生活の仕方が一般化する可能性も高いのです。

地方移住の新しい形

上記のようなサービス利用者の中には、何ヶ所目かに滞在した地方を気に入り、そのまま移住を決めた人たちもいます。移住体験はもはや移住検討の最終段階に行うものではなく、移住先も何ヶ所も地方を試しながら、実体験として選んでいくものになるのかもしれません。

また地方としても、ワーケーションのような生活や気軽な移住体験は歓迎してくれることでしょう。観光地であれば観光業に収益が増え、滞在中に食費や日用品などの生活費を使えば、地元の収益となります。これは地方活性化にもつながることでしょう。

まとめ

イメージからではなく、実体験から入る新しい地方移住のカタチ。このような体験は、移住希望者にとって移住を決める確固たる理由となります。地方移住検討の後半になってイメージと現実のギャップにがっかりとしてしまうより、実体験から入れば納得感が大きくなる可能性があるからです。また手軽な地方移住の楽しみ方は、地方移住への関心を増やす良い機会にもなることでしょう。サブスクサービスの普及は、移住を推進する地方自治体にとっても移住希望者にとっても、メリットが多いのです。

<参考>

暮らす場所はサブスクで お試し移住、地域再生の芽に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE12BI60S2A410C2000000/?unlock=1

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https://www.mapple.net/original/277910/

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