全ての場面で求められるは高い志。一つのことをやり切る力。 向島ドック株式会社 代表取締役社長 久野智寛さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/11/22 (火) - 00:00

尾道市の風景の一部となっている向島ドック株式会社。船舶修繕事業を主軸としながら、自らも内航船5隻を保有・管理し、船舶修理業と内航海運業のノウハウを生かした「安定航行供給業」を目指しているといいます。船舶業界が抱えている課題や仕事への想いについて、代表取締役社長の久野智寛さんにお話をうかがいました。

―まず、企業概要について教えてください。

1929年に創業し、船舶の検査・修理をメイン事業として歩んできました。内航船を中心に対応しており5本のドックで年間300隻以上の工事を行っています。セメントなどの建設で使用する産業基礎物資の8割は内航の物流で成り立っています。社会インフラの根幹である物流を支える船を下支えする業界です。

また、プレジャーボートや水上オートバイなどの整備、保管等を行うマリーナ事業のほか、内航海運業も手掛け、現在は、内航海運業と船舶修理業のノウハウを融合した安定航行供給業の構築を目指しています。

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―今、抱えている課題はありますか?

船員の高齢化と新しい人材の不足で、技術やマンパワーの低下が起きています。技術の伝承ができず、内航船を安定的に運航すること自体が難しい危機的な状況です。

向島ドックは、これまでは受け身で船を修理してきました。半世紀以上この生業でやってきて、技術やノウハウが蓄積しています。そこで、これまで培ってきたものを組み合わせて、受け身でなく「提案化」することで、課題になっている部分を補え、産業社会に貢献できるのではないかと考えたのです。

我々は船舶修繕の経験は豊富にありますが、運航の知見はありませんでした。そこで、前社長が「お客様と同じ体験をすることで、新たに見えてくるものがあるのではないか」と考え、向島ドック自ら船を保有して運航、管理するフリート事業部が加わったのです。

広島県企業の求人や、企業・暮らしに関する情報は、WEBサイト「kakeru広島」をご覧ください。
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―貴社では、プロフェッショナル人材にどのような人を求めていますか?

必要なのは、段取り力やコミュニケーション能力、一つのことをやり遂げる力だと思います。工学的なことに興味がない方よりは、バイクや車いじりが好きな方が適正かもしれません。

プロフェッショナル人材でいえば、絶対条件が「志」です。

企業が人材を求める理由は、人材がいないからです。人が会社に残らない原因の一つは、経営者や組織文化が障壁になっているから。ネガティブな言い方をすれば、経営者がワンマン、もしくはやる気がないかのどちらかです。旧態依然の人や組織とのかかわりのなかで、「何のために自分が採用されたのか」、「自分の役目は何なのか」に常に立ち返らないと、上司や組織に文句ばかり言う立場に成り下がってしまいます。

だからこそ、自分の持っている力で社会貢献をしたい、何かの役に立ちたいという志が必要です。

広島県には「仕事と暮らしの両取り」という環境が整っていることは確かですが、ハッピーなことばかりが前面に立つと、何かあれば折れてしまいます。ですから、最初は「両立」よりも「仕事をやり切る覚悟」が重要だと思います。

私はこれまでの経験で、いかなる場面でも結局は「人」なのだと気づきました。ですから、この会社に入社したとき、まずは社員から信頼を得ることを優先して、毎朝7時から現場に立って、社員や協力会社の方に「おはようございます」と挨拶をしました。「挨拶できる会社にしよう」というのが、私が初めて出した行動指針でしたので、それを自ら示そうと思い私はまず毎朝の挨拶を5年半ひたすら続けました。今では随分と挨拶のできる会社になったと感じています。

また、私は前社長に採用されましたので、私が手足となり、前社長が実現したいことを全て叶えようと思ったのです。どんなに小さな仕事もやりました。期待の倍以上のことをしてきたという自負はあります。こうして“信頼の貯金”をつくってきたことで、自分が何かをしようとしたとき任せてもらえたし、周りが動いてくれるようになりました。信頼の貯金があって、さらに仕事で結果を出せば、次にはもっと大きなことをやらせてもらえるようになります。

―広島県に興味ある人材に対してメッセージをお願いします。

向島ドックはポスターや旅行番組で映し出される尾道の風景になっています。ここに向島ドックがなければ、尾道の風景は違うものになってしまう。100年先も風景であり続けるべきですし、この会社で働けることを誇りに思っています。そういった気概をもって仕事をしたいですね。

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広島県は、製造業に対する認知度も重要度も高く、モノづくり人材が活躍しやすい県です。大阪、名古屋、東京へのアクセスも良好で暮らしやすい。何より、瀬戸内の風景、自然、文化、気候が素晴らしく、仕事も生活も「いいとこどり」です。ぜひ、広島に来て活躍していただきたいです。

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