住みよさランキングで福井が上位に!住みやすさの基準っていったいナニ?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/12/19 (月) - 19:00

毎年発表される「住みよさランキング」という統計があるのはご存じですか?近年、このランキングの上位に福井県の街が入るようになってきています。いったい福井のどのような部分が、人々に人気なのでしょうか?今回は近年人気上昇中の福井の秘密と、住みよさの基準について考えてみました。

住みよさランキングとは?

住みよさランキングとは 、東洋経済新報社が1993年からまとめている自治体ごとの住みやすさのランキングです。ランキングは、さまざまな公的統計で算出された値をもとに、それぞれの自治体が持つ街の力を、安心度(6指標)、利便度(4指標)、快適度(5指標)、富裕度(5指標)の4つの観点に分類して決められます。それぞれの分類は合計20の指標で構成され、各平均値を50とする偏差値を算出、その単純平均を総合評価としてランキングします。

たとえば安心度の指標には「人口当たり病院・一般診療所病床数(厚生労働省の医療施設調査)」や「人口当たり交通事故件数(交通事故総合分析センター調べ)」、利便度には「人口当たり小売販売額(総務省・経済産業省の経済センサス活動調査)」や「人口当たり飲食店数(同じく経済センサス活動調査)」、快適度には「転出入人口比率(総務省の住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数)」や「気候(気象庁の月平均最高・最低気温、日照時間、最深積雪データ)」といった公的なデータを各分類の偏差値算出に用いています。住みよさランキングは、人間が住みやすいと感じる指標の評価をもとにはじき出された、信頼できるランキングと言えるでしょう。

●住みたい街ランキングとの違い

一方、住みたい街ランキングもよく目にします。住宅メーカーや不動産情報誌などが独自調査したデータをまとめ、ランキングとして発表しているもの。調査方法はほとんどが読者や顧客へのアンケート調査によるもので、住みたいと感じる街の名前を回答してもらい、結果を集計したものです。某不動産会社がまとめた2022年の住みたい街ランキングによれば、1位は福岡県福岡市、2位は沖縄県那覇市となっていて、両都市はランキング上位の常連となっています。

福井の住みやすさとは?

上記のようにデータをもとに集計される住みよさランキングでは、近年福井の各都市が上位に食い込んできています。たとえば2021年のランキングでは、9位に福井県敦賀市、7位に県庁所在地である福井市がランクされています。もっとも新しい2022年のランキングでは福井市が2位に大きくジャンプアップし、10位には越前市がランクインしてきました。福井県の各都市はここ数年、住みよさランキング上位の常連になりつつあるようです。

1位 東京都武蔵野市
2位 福井県福井市
3位 石川県野々市市
4位 鳥取県倉吉市
5位 石川県白山市
6位 石川県金沢市
7位 東京都文京区
8位 茨城県つくば市
9位 愛知県長久手市
10位 福井県越前市
※東洋経済新報社 「住みよさランキング2022」から抜粋

東京都の武蔵野市や文京区、石川県の各市は以前から常連でしたが、なぜ今になって福井県の人気が高くなっているのでしょうか?それは一般財団法人 日本総合研究所が2年ごとに発表している「都道府県幸福度ランキング」を見るとわかります。

都道府県幸福度ランキングは、現在の「地域の幸福」を生み出す諸条件の水準を、20指標(5分野×4指標)で評価。また先行指標として「地域の幸福」の持続可能性や、未来の

幸福に向けた地域の潜在力を30指標(5分野×6指標)で評価して算出されます。指標の基本となる5分野とは「健康」、「文化」、「仕事」、「生活」、「教育」で、福井県は「仕事」と「教育」の値が突出して高いのです。結果として、2012年から始まった都道府県幸福度ランキングで、福井県は4回連続(2014、2016、2018、2020)してトップとなっています。

福井県は農業や漁業に加え、伝統産業などのものづくり企業が多いため、有効求人倍率が高いのが特徴です。有効求人倍率の高さは就職率の高さにつながり、男性はもちろん、働いている女性がとても多いのです。また子育てや教育環境では、各自治体で仕事と子育てが両立できるように「子育てしやすい働き方応援プロジェクト」を進めており、共働き率と女性の就業率が全国トップになっています。

他にも男性に育児参加してもらうための「子育て大好きお父さん支援プロジェクト」や、地域全体で子育てを応援する「元気で力強い子どもの育ち応援プロジェクト」、子どもが多い世帯に対して経済的な支援を行う「ふくい3人っ子応援」プロジェクト、やむを得ない事情で一時的に育児ができない家庭のために「すみずみ子育てサポート事業」を行うなど、就業と子育て(教育)の両面で県民を支援する仕組みが充実しているのです。

まとめ

転居や地方移住を考えたときに、住みたい街ランキングを参考にする方は多いでしょう。皆が憧れ、住みたいと思う街なら、住みやすいかもしれません。ただし、住みたい街は「理想」の要素が含まれますので、「住みやすい街」のランキングも確認しましょう!もしあなたが転居や地方移住をお考えなら、住みよさランキングと都道府県幸福度ランキングを、ぜひ参考になさってください。

<参考>

住みたい街ランキング、福岡市が全国首位 3年連続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC2428G0U2A820C2000000/

最新!「住みよさランキング2022」全国トップ50
https://toyokeizai.net/articles/-/595401?page=3

「住みよさランキング2021」全国総合トップ50
https://toyokeizai.net/articles/-/434259?page=3

福井県が移住先におすすめな理由とは
https://workin.jp/hito-shigoto/moving-to-fukui/

令和初公表!47都道府県「幸福度」ランキング
https://toyokeizai.net/articles/-/372861

全47都道府県幸福度ランキングの概要
https://www.pref.yamagata.jp/documents/16952/r1kohukudo.pdf

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