移住から定住へつなぐ充実した支援制度が魅力
かほく市 企画振興課 沖野富士郎さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/03/24 (金) - 00:00

海と緑に囲まれた自然豊かなまち「かほく市」。石川県のほぼ中央に位置し、金沢へのアクセスは良好で、人口は増加傾向にあります。同市の特徴や魅力、移住・定住の施策や子育て支援などについて、かほく市 総務部企画振興課地域振興係の沖野富士郎さんにお話を伺いました。

「かほく市」の特徴を教えてください。

石川県のほぼ中央に位置し、西側に日本海、東側には宝達山と自然に恵まれています。金沢へは車で20分。東西で約9km、南北で約13kmとコンパクトなまちです。人口は3万5927人、世帯数1万4090世帯(令和5年1月末)となっており、平成27年度から人口が増え続けています。

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かほく市の魅力やおすすめスポットを教えてください。 

日本海の夕日が美しく、夕景とのリフレクションが撮れることで人気の高松海岸が有名です。また、道の駅高松はかほく市の情報発信拠点となっており、特産品や繊維製品を取り扱っています。海側の里海館芝生広場には、「ブドウノオウチ」という、住みやすい街と高松ぶどうを組み合わせたモニュメントが設置されています。金沢学院大学の学生がデザインしたもので、SNSの映えスポットです。

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「ブドウノオウチ」

かほく市の暮らしはいかがでしょうか。

石川県の真ん中なので、金沢にも能登にも行きやすいですね。交通網が発達したことで、車での移動時間が短縮されました。かほく市に住みながら金沢市で働く人も多くいます。

特徴的な産業や有力企業について教えてください。

繊維産業が盛んで、ゴム入り織物、例えばパンツひもの素材を作っている会社が多く、全国シェアは約65%です。皆さんが身に付けているものも、かほく市の製品かもしれません。

スキャナやキーボードを製造している株式会社PFU本社が市内にあり、イメージスキャナは全国シェア約50%です。ふるさと納税返礼品としても使わせていただき、納税額が一気に上がりました。バレーボールチームの「PFUブルーキャッツ」はVリーグに所属するトップチームで、まちぐるみで応援しています。

ほかにも、剣道、バドミントン、ソフトボール、軟式野球などが昔から強く、スポーツが盛んな地域です。

関係人口や移住に関して、かほく市で特徴のある施策はありますか?

地方創生が叫ばれる前から移住・定住促進に力を入れています。移住から定住へつながる施策として、まずは「1週間おためし移住」でかほく市に住んでいただき、そこでかほく市の様子を感じていただいています。

婚姻届を提出してから1年未満の新婚さんであれば、最大3年間家賃補助が受けられる「新婚さん住まい応援事業」を実施しており、年間約90世帯が利用しています。勤務先と実家との中間地点だからという理由でこの辺りを選ぶ方も多いですね。

また、県外から移住した世帯を対象とした「UIJ ターン住まい補助金」の制度もあります。こちらは2年間の家賃補助です。

最終的に定住を決めた方には、「かほく市若者マイホーム取得奨励金制度」があります。市内に住宅を新築・購入して生活する45歳未満の人を対象に最大200万円の奨励金を交付しています。申し込み件数はまもなく2,000件を超え、これまで約6,000人がこの制度を使って定住しています。

移住者からはどのような声がありますか?

「子育てに優しいまち」とよくいわれます。子育て支援策が充実していないと、子育て世代にかほく市を選んでいただけません。ですから、出産から高校まで切れ目のない施策に力を入れています。

子育て支援センターを利用されるママさんからは、「市の職員が親身になって話を聞いてくれるので、リフレッシュして帰ることができる」という声があり印象的でした。補助金や18歳まで医療費が無料になる制度もありますが、様々な相談に対応している職員の力が大きいのではないかと思います。

都会過ぎず、田舎過ぎずバランスが取れたまちで、交通の便がよく、大型商業施設もあって便利なところが強みです。

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かほく市の課題について教えてください。

進学や就職のタイミングで20~24歳の若者の転出が多いのが課題です。地元に働き口が少ないことが要因の一つでしょう。若い世代に残ってもらえるような、また転出しても戻りたいと思ってもらえるような取り組みが必要だと思います。

補助金制度は県内ではトップレベルだと自負していますが、そのことが知られていません。

県外の方にはかほく市を知っていただくことから始めて、今後は認知度の向上に努める必要がありそうです。

かほく市でプロフェッショナル人材はどのように活躍できると思いますか?

近年のDX化やコロナ禍などもあって、世の中の働き方が変わってきていますが、かほく市はその点が遅れていると感じています。

それに、若い方は製造業よりもIT関連の方向に行く現状があるとお聞きしていて、ますます新しい働き方が求められますよね。そうした若い方たちの受け皿をつくって、いろいろと仕掛けてくださる人材がいたら有難いですね。「若いまち」というイメージを醸成できると思います。

まちづくりへの想いをお聞かせください。

「ここに住むといいよ」とほかの地域に自信を持ってお勧めできるまちにしたいですね。若い世代の転入も増えているので、もっと楽しめる場所にしていきたい。飲食店やおしゃれなカフェが増えると、相乗効果が生まれると思います。

かほく市では空き家や空き店舗を使って飲食店や雑貨店、テイクアウトのお店などを開業すると補助金が出る「空き家空き店舗活用事業補助金」があるのですが、これを利用して、おしゃれなカフェやパン屋さんなどが増えています。

例えば、ご夫婦で経営しているワッフルと紅茶のお店は、本場のスリランカティーを味わえる人気の店舗です。

最後に、移住を考えている方へのメッセージをお願いします。 

移住は人生の一大イベントです。焦らずにゆっくり考えて、十分に情報を調べてから決断することが大切だと思います。

かほく市は冬が長く、曇り空が続きます。風が強く雪も降るので、冬が苦手な人にとってはデメリットに感じるでしょう。車は一人一台必要ですし、実際に住まないと分からないことがたくさんあります。移住したからといって、理想が叶うとは限りません。そういったこともオブラートに包まず、しっかりとお伝えするようにしています。

かほく市は四季が豊かでいいところですし、マイナス面もポジティブさがあれば大丈夫です。行政としては、切れ目のない補助金制度を準備して、皆さんをバックアップしたいと考えています。定住後もご相談にのりますので、ぜひ、かほく市においでください。

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