政府や企業も推進する二地域居住!近年増えている二地域居住向けのサービスとは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/03/31 (金) - 19:00

都会と田舎に拠点を設け、オンとオフを切り替えながら生活する二地域居住。テレワークの普及で一挙に現実味を帯びたこの新しいライフスタイルを、政府や勤務先である企業が強力に後押ししています。民間や地方自治体でも二地域居住に向けたサービスを続々と立ち上げており、今後もっと利便性が高まれば、二地域居住はいずれ普通のライフスタイルになってしまうかもしれません。今回は二地域居住の概要から推進される理由、新しく立ち上がっている二地域居住向けのサービスなどを紹介していきます。

二地域居住とは

国土交通省は二地域居住を、以下のように定義しています。「二地域居住とは、都市住民が、本人や家族のニーズ等に応じて、多様なライフスタイルを実現するための手段の一つとして、農山漁村等の同一地域において、中期的、定期的・反復的に滞在すること等により、当該社会と一定の関係を持ちつつ、都市の住居に加えた生活拠点を持つこと」

つまりは都会に加えてもう一つ拠点を設け、両方の地域で生活を送ることを二地域居住と言っているのですが、実はこのような生活は従来から行われていました。たとえば都会の住居に加えて、リゾート地に別荘やマンションを購入することは富裕層の間で昔から普通に行われてきたことです。

ところが近年、二地域居住は富裕層だけのものではなくなり、一般の人たちもこのような生活に関心を持っています。いったい何が変化したのでしょうか?

二地域居住に対する考え方の変化

二地域居住に対する考え方を大きく変えたのは、テレワークの普及です。もともと新しいライフスタイルへの関心から、地方移住への人気は年々高まっていました。内閣府の調査によると、これに加え新型感染症感染拡大の影響で2019年頃から地方移住への関心は一層の高まりを見せ、2021年には東京23区に居住する人の半数近くが地方移住に関心があると答えるに至っています。

一方、地方移住への関心はあるものの、地方へ移住する一番の障壁となっていたのは仕事の問題です。都会とは違って地方での仕事の少なさ、収入の低さが問題となったのです。テレワークの普及は、この悩みを一挙に解決しました。都会での仕事を保持したまま、地方に移住する二地域居住が一挙に現実のものとなったのです。

二地域居住はなぜ推進されるのか?

二地域居住は、政府はもちろん、勤務先である企業もこれを推進しています。政府は地方創生や地域活性化、また地方の少子高齢化や過疎化の防止を目的として、企業は働き方改革やコスト圧縮などを目的として、二地域居住を社員に推奨しています。

たとえばトヨタ自動車では、在宅勤務に関する職場からの距離制限を撤廃し、全国どこからでもテレワークによる勤務を可能にする制度を導入しています。また出社が必要な場合には距離を問わず交通費を全額支給し、従業員の負担も軽減させています。トヨタ自動車はこのように二地域居住を応援することで単身赴任を解消、また育児や介護と仕事の両立を図るなど、働き方の改革を推進しているのです。

二地域居住は、地方の活性化や働き方改革を実現する手段として、また移住する人の新しいライフスタイルを応援することを目的として推進されているのです。

二地域居住を後押しするサービス

政府や勤務先の企業だけでなく、民間企業や地方自治体も二地域居住を後押しするサービスを立ち上げています。

・定額制住居サービス
毎月定額を支払うことによって、複数箇所の住居を利用できるサブスクリプションサービスです。利用可能期間は数日から数週間が多いようですが、全国各地に利用できる住居が用意され、連続して利用すれば定期的に違う地方で移住生活を楽しむことができます。

・定額制オフィス・シェアオフィス
専用個室スペースの利用ではなく、共有型のオープンスペースをデスク単位で使えるサブスクリプションサービスです。会議室やオンラインミーティングルーム、食堂などは別途用意されることが多く、会社にいるのと同じ環境で仕事をすることができます。移住先の住居では家族がいて仕事をし難い、もしくはネットワーク環境が心許ない場合などにも利用されます。

・サテライトオフィス
企業の本社や支社から離れた場所に設置される、小規模なオフィスです。ほとんどの場合は企業が設置しますが、地方自治体が建物を提供し誘致する場合もあります。このようなサテライトオフィスを地方や都市近郊に設置すれば、都会のオフィススペースを縮小することができコスト低減(事務所費用や通勤費の削減)につながります。

・定額制移動費サービス
対象となる区間や地域の交通費(電車・航空機など)を、定額で利用できるサービスです。まだ試験段階ではありますが、このようなサービスが普及すれば、月に何回か本社に出勤しなければならない場合などは使い勝手の良いサービスとなるでしょう。

まとめ

テレワークの普及によってハードルが下がった二地域居住は、今後どんどん普及していくものを思われます。政府や民間企業、地方自治体も積極的に後押しするこの新しいライフスタイルを、あなたも検討してみてはいかがですか?

<参考>

地方公共団体向け二地域居住等施策推進ガイドライン
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/content/001491148.pdf

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