地方移住の住居問題を解決!空き家バンクで失敗しないためのコツをご紹介します
GLOCAL MISSION Times 編集部
2023/07/06 (木) - 12:00

地方移住を実行するにあたって、多くの人が課題と考えるのが「仕事(収入)」、「住居」、「人間関係」です。この3つはどれも知らない土地へ行く人にとって悩ましい問題ですが、住居については多くの地方自治体で「空き家バンク」と呼ばれるシステムを用意しています。空き家バンクはもともと地域の空き家活用のためにはじまったものですが、基本的に無料で利用でき、地方自治体の助成金制度が利用できるなど、利用者にも多くのメリットがあります。今回は地方移住の住居問題を解決してくれる空き家バンクの概要と、利用時に失敗しないためのコツをご紹介します。


空き家バンクとは?

空き家バンクとは、地方自治体やNPO法人(非営利団体)が、その地方の空き家情報などを提供しているサービスの通称です。一般的に空き家バンクと呼んでいますが、その呼び方は地方自治体によって変わっている場合があります。またその仕組みについても決まったものがあるものではなく、地方自治体ごとに運用方法やルールに違いがあることには注意が必要です。ただし基本的には、空き家を所有している人(貸主)と借りたい、もしくは購入したい人をマッチングするサービスです。

空き家バンクは、もともと地域の空き家活用のために国土交通省の指導ではじまった制度ですが、現在では600を超える自治体が空き家バンクのシステムを用意しており、多くの移住者、転居者が利用しています。


空き家バンク利用のメリット・デメリット

地方自治体が用意している空き家バンクには、以下のようなメリット、デメリットがあります。

●メリット

 住居を借りる際の費用抑制
空き家バンクを利用する一番のメリットは、住居を借りる際の費用を抑えられることです。空き家バンクに地方自治体が紹介する地域の不動産業者が入っている場合は仲介手数料が発生しますが、直接貸主と交渉を行う場合には仲介手数料は発生しません。移住に関わる費用を少しでも抑えたいのであれば、空き家バンクを利用するべきでしょう。

 地方自治体が用意している助成金を利用できる
すべての地方自治体ではありませんが、転居費用や一定期間の家賃補助などを用意している自治体では、空き家バンクを利用することによって助成金を受給できることがあります。直接地域の不動産業者を使った場合でも支援を受けられることは多いのですが、空き家バンクを使えば仲介手数料の削減と合わせて転居費用を抑えることができます。

●デメリット

〇 賃貸借契約を自分で締結する必要がある
空き家バンクでは基本的に不動産業者が仲介しないため(地域の不動産業者を紹介する空き家バンクもある)、賃貸借契約は当事者同士で締結する必要があります。また取引には地方自治体は関与しません。つまり契約行為を含む賃貸の交渉はすべて自分で行う必要があるのです。貸主から賃貸契約書が提示された場合には、必要に応じて専門家を入れて内容を検討する必要があります。

 トラブルは自分で解決する必要がある
空き家バンクで貸し出される住居のほとんどは、築年数が経った中古物件です。場合によっては住むために修繕が必要になる場合があります。このような場合に問題となるのが住居の修繕費用で、この費用は貸主負担なのか借主負担なのかをあらかじめ確認しておきましょう。借りた時点ではわからなかった「隠れたる瑕疵(住居の不具合や傷)」についても、どちらが修繕費を負担するのかはっきりさせておきましょう。

ある地方自治体の空き家バンクの利用条件には以下のような記載があります。この自治体だけでなく、ほとんどの自治体では実際の取引とトラブルには関与しません。


空き家バンクご利用に当たっての注意事項 
・市では、空き家の情報提供、媒介業者との連絡のみを行います。
・売買や賃貸借の交渉、契約等については、媒介業者を通すことをおすすめします。
・媒介業者に対しては、宅地建物取引業法に基づく報酬が必要となります。
・都市計画法、建築基準法等、関係法令への適合状況については、市は責任を負いませんので、当事者の責任で十分ご確認ください。


 住居の詳細情報が載っていない場合がある
空き家バンクに情報を掲載するのは貸主なので、貸主が一般の人の場合には不動産情報が不足している場合があります。空き家バンクを使って住居を探す場合には、必ず現地で住居の状況について確認することが重要です。


空き家バンクの利用時に注意すべきポイント

上記のデメリットも踏まえて考えると、空き家バンクの利用時に注意すべきポインは以下の4つです。

〇 空き家バンク利用の条件についてよく確認する
空き家バンクの利用条件や助成金の有無は地方自治体によって違いがあります。空き家バンク利用の前には、必ず前提となる利用条件を確認しておきましょう。

〇 物件の未入居期間に注意する
物件の未入居期間が長いと、賃貸時に修繕が発生する可能性が高くなります。修繕費用が借主の負担となっている場合には、賃貸のコストが高くなってしまうので注意が必要です。

〇 物件は契約の前に必ず現地で確認する
空き家バンクに掲載されている物件の情報は、情報量が不足している場合があります。契約の前には必ず現地で対象となる物件の内部、外部を確認しておきましょう。

 契約に際しては専門家のアドバイスを聞く
賃貸契約に限らず、契約に使われる文言は一般の人にはわかりにくいものです。契約を交わす場合には専門家に一度見てもらい、一方的に不利な条件などが書かれていないか確認して貰いましょう。


まとめ

空き家バンクは、うまく使えば地方移住にかかるコストを低減できる便利な仕組みです。ただしコストを抑えられる反面、自分で行う事柄が多くなっている点には注意が必要です。不動産取引に不慣れで不安多い場合には、地域で実績のある不動産業者に仲介をお願いすることも考えましょう。


<参考>
空き家バンクの利用で失敗しないために|失敗事例とチェックしたい5つのポイント
https://fukuju-style.jp/4616

空き家バンクで失敗しない!実態と知らなきゃ損する有効活用のコツ3選も大公開
https://albalink.co.jp/realestate/vacant-house-bank-failure/#toc2

「全国版空き家・空き地バンク」の更なる情報の充実化!~空き家等のマッチング促進・地域活性化の実現に寄与~
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000189.html#:~:text=%EF%BC%91%EF%BC%8E%E3%80%8E,%E7%89%88%E7%A9%BA%E3%81%8D%E5%AE%B6%E3%83%BB%E7%A9%BA%E3%81%8D%E5%9C%B0%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%80%8F%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6&text=%E6%9C%AC%E5%B9%B42%E6%9C%88%E6%99%82%E7%82%B9,%E3%82%92%E8%B6%85%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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