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食を通じて広げる、ハッピーの輪。めざすのは、人を良くする「食産業」(前編)
株式会社アレフ びっくりドンキー店舗運営部 堀 雅徳さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2019/05/14 (火) - 08:00

1968年、岩手県盛岡市に1軒のレストランが開店した。店の名は、「ハンバーガーとサラダの店・べる」。わずか13坪から始まったこの小さな一歩がやがて、「ハンバーグレストラン びっくりドンキー」のチェーン展開へと発展。今や330もの店舗を全国各地に展開している「株式会社アレフ」。そんな同社には、創業期から受け継がれる言葉があるという。「人を良くすると書いて、食。食に関わる我々は、人を良くしていく産業でなければならない」。この志のもと、安全・安心な食材の調達だけでなく、農業の支援や環境保護活動などにも取り組み続ける同社の素顔と、成長の秘密に迫った。

盛岡から全国へ。成長を導いた出会いと学び

―「アレフ」は今年で創業51年目。ここまで長く愛され、大きく発展されるに至ったターニングポイントは何だったのでしょう?

先輩から学んできたことなんですが、たぶん大きく3つあると思います。創業地は盛岡。「ハンバーガーとサラダの店・べる」という名前で創業しました。その後、福島にも出店して、5店舗ぐらい運営をしている時に、札幌にある経営不振の大型レストランの経営支援をすることになり、創業者である先代の庄司昭夫社長が単身で札幌に行ったんです。札幌の2店舗を引き取りましたが、なかなかうまく経営を立て直せない状況が何年か続いたみたいなんですね。その時に、メニューを盛岡と福島でやっていた商品に切り替えて、一新してやったところ、業績が回復した。それが、「びっくりドンキー」の原点なんです。その後、札幌でお店を増やしていったのですが、そのときの苦難と成功が今の原点になると思います。

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創業店「ハンバーガーとサラダの店・べる」

―大きな決断をされたのですね。2つ目のターニングポイントは?

「商業界」「ペガサスクラブ」「ジット経営研究所」から経営の考え方を学び、取り入れてきたことも、今の成長につながっていると思います。
「商業界」からは、商人としての理念や志を学び、今のアレフの経営理念にも反映されています。「ペガサスクラブ」というのは、チェーンストア研究団体のこと。「商業界」で学んできた理論をどうやって広めていくかという戦略や技術を具体的に教えてくれました。「ペガサスクラブ」からは、日本の暮らしを豊かにしていくという大きな目標の中での、企業としての社会的使命を学びました。単に店数を増やすとか、売り上げを増やすという発想ではなく、社会的使命を果たすために店数を増やし、利益を出すという発想を学び、実践していくようになったのです。

―多店舗展開は、あくまで“結果として”ということですね。

そうです。純粋に利他的な考え方。結果として気づいたら、現在の330店舗になったということです。
もう1つの「ジット経営研究所」(http://www.jit-ken.co.jp)からは、Just In Timeという徹底した無駄取りの思想と技術を学びました。成長していく段階で当社が抱えていた問題を解決するためにジットの門を叩いたんです。具体的に言うと、整理・整頓・清掃・清潔・躾の5Sを学んだり。いちばん大きいのは、ハンバーグを誰が焼いても同じ品質で提供できるシステムを開発できたこと。それがなかったら今の成長はなかったと思います。また工場でいうと、カット野菜のフレッシュ化(リードタイムの短縮)に取り組んだことも、ジットから学んだ大きな成果だと思います。

―びっくりドンキーさんのハンバーグは、味としても視覚的にも記憶に残るものを確立されていらっしゃいますが、まさにそういった努力が原点におありだったんですね

でも私は入社した当時は、「これは2分焼くんだ」ということしか教わらなかったんです。ところが時計なんてどこにもなく、みんな感覚で焼いていました。これを感覚じゃなく、きちんと時間を計れば、誰が焼いても同じ品質でできあがる。今でさえ当たり前のことかもしれませんが、この気付きと実践が本当に画期的だったんです。

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―どこの店舗に行っても同じものを味わうことができる。それはお客様にとってもすごくありがたいことですよね

そのうえトレーニングする時間も短縮することができるから、店数も増やせる。店数が増えると〇〇が果たせる。そういう正の連鎖が生まれました。
それから、ターニングポイントはもう1つあります。当社の理念と志を共有してくれた、フランチャイズの加盟社さん。そして生産者さんとの出会いが、当社が成長していく段階で非常に大きなポイントだったなと思っています。今現在45都道府県に出店していますが、直営店だけだったらここまで広がらなかったし、生産者の方の協力がなければ安心安全な食材の提供もできなかったでしょう。非常に大きなポイントだったと思います。

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今回お話を伺った、びっくりドンキー店舗運営部 関東ゾーン 第1・第3エリアリーダーの堀 雅徳さん

外食産業ではなく、「食産業」を掲げる理由

―御社の理念をあらためて教えていただけますか?

創業者の考えにあったのは、“外食産業だけでは狭すぎる”と。食産業というくくりで見ると、まだやるべきことがあるんじゃないかという発想でした。僕らがずっと教わってきているのは、「食というのは、“人を良くする”と書くよね」と。食産業に関わる方たちは、人を良くしていく、良い人を生みだすのが仕事である、という創業者の志が受け継がれているんです。食を通じてお客様に安全で安心な食材を調達して提供すれば、人だけではなく、人に関わる環境だったり、農業だったり、生き物だったり、食に関わるものすべてが良くなっていく。当社が今、環境や農業に関わっているのも、そういう考え方から始まっていると私たち従業員は理解しています。

―非常に多岐にわたる事業を展開されておられる原点は、そこにあるんですね

でも入社した頃は、何をやっているのかわからなかったんですよ。「食は人を良くする」と聞いても、そうだなぁと思うぐらいで。ところが怒られたことがありましてね。「創業者からここでやっていることって、お前たち無駄だと思っているんだろう」と。「びっくりドンキーでやっていることはすべて食産業を良くすることにつながっていて、無駄なことはないんだぞ!」と言われてハッとしたんです。いわゆる「外食産業」だけだと、ただ食材を用意して、調理をして、販売して、ありがとうございます、で終わってしまうんですよね。でも「食産業」は、そうじゃない。食材の調達・生産から、販売までトータルにプロデュースし、マネジメントしていかなくてはならない。そういうくくりで見ていくと、自ずとその中の問題点を解決していこう、ということになり、事業も多岐に渡っていったんだと思います。

―入社して、その理念がご自身の中で腹落ちした時に、その壮大さがわかるのでしょうね

そうだと思います。ただ、私たちが入社した頃は「外食産業に就職する」というイメージがあったんですけれども、ここ数年の新入社員は、最初からアレフの取り組みを理解して応募してくる子たちが非常に多くて、かなり理解されてきているなという認識はあります。

―貴社のコーポレートサイトや採用サイトからは、会社の核となるものをすごくわかりやすく発信されているなという印象を持ちます

自分たちの家族に誇れる仕事、商品を食べてもらった時に胸を張ってお金をいただける、そういう商売をしている自負は大きいですよね。経営理念はおそらく全従業員が言えるのではないでしょうか。理念が1人1人に浸透していることが、企業のエンジンになっていると思います。

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株式会社アレフ びっくりドンキー店舗運営部 関東ゾーン 第1・第3エリアリーダー

堀 雅徳さん

埼玉県出身。住宅メーカーを経て、第2新卒で「アレフ」に入社。4店舗目で店長に昇格。複数の店長や工場経験を経験した後、現職。宝塚店長時代には、中学生の職場体験の受け入れも初めて実現させた。

株式会社アレフ

1968年盛岡で創業。ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」、イタリアンレストラン「ペペサーレ」、生パスタと窯焼ピザレストラン「らくだ軒」など、338店舗を全国に展開。全国や海外の生産者と提携し、安全・安心をテーマにした食材の調達にも注力。2006年からは、環境と調和した循環型持続社会・文化形成への貢献をめざしたエコロジーテーマパーク「えこりん村」を北海道恵庭市に開業している。正社員は714 名(平成31年3月31日現在) 、年商376億円(平成30年3月期)。

住所
北海道札幌市白石区菊水6条3丁目1番26号(本社)
会社HP
https://www.aleph-inc.co.jp/

全国の生産者と連携し、安全・安心な食材を開発

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