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食を通じて広げる、ハッピーの輪。めざすのは、人を良くする「食産業」(前編)
株式会社アレフ びっくりドンキー店舗運営部 堀 雅徳さん
GLOCAL MISSION Times 編集部
2019/05/14 (火) - 08:00

全国の生産者と連携し、安全・安心な食材を開発

―各分野における取り組みもぜひ教えてください

まずは、福祉でいうノーマライゼーションですよね。店舗の入口をスロープにして、通路には手すり、トイレには多目的トイレを設置しています。実験段階ではありますが、接客手話や点字メニューを導入している店もあります。

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―飲食業界でも先駆け的な取り組みを早期から実践されているわけですね

安全・安心への取り組みに関しては、アレフナチュラルビーフという肉を使用しています。BSEの発生リスクが少ないニュージーランドとオーストラリアで、成長ホルモンを使用しないで飼育をしています。また、牛にイヤータグを付けて飼育から出荷までを行い、しっかりとした管理体制にも取り組んでいます。
私自身が千葉県にある美浜店の店長をしていた時に、BSEの問題が発生したんですよね。その当時、焼肉を含めて、牛肉を扱う店の業績はガタ落ちでした。でもうちはそういった取り組みをしていることをしっかりアピールしたことによって、早く回復できたんです。その時に、食の安全・安心に真剣に取り組むことの大事さを再認識しました。

―努力が下地として積み上げられてきたからこそ、信頼感も生まれていったんですね

そうだと思います。以前は、お客様に対してPRが下手だとか、アピールされてないと思っていたんですが、ちゃんとお客様に知られていたんだなというのは身をもって実感しましたね。あえて宣伝しなくても、コツコツちゃんとやってきたことが、お客様との信頼関係につながるんだということを学びました。

―顧客からすると、派手なパフォーマンスよりも、そういう実直な姿勢の方が説得力があります

お米についてもそうです。商業界の精神でいうと、「自分たちが実印を押せる商品を出しなさい」という考えがあるんですね。そう考えたときに、農薬や化学肥料を大量に使ったお米をお客様に食べさせて本当に実印を押せるんですか?というところですよね。ならば、極力農薬と化学肥料を使わないお米を栽培できないかということで、開発と研究が進んだんです。今は、やっぱり農家さんの大変さを考えると除草剤は1回はどうしても必要だということで、除草剤を1回のみ使用したお米を、びっくりドンキーでは展開しているんです。

―そのたった1回に抑えるということは、なかなか難しいことですよね

そういったことに賛同してくれる農家さんと歩んできたからこそ、実現できているのだと思います。

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契約農家さんが保有する広大な省農薬米たんぼ

―契約農家さんは現在どれぐらいいらっしゃいますか?

お米だと、1都9県、16団体で約700名の生産者さんの協力を得ています。
もう1つ力を入れているのが、環境負荷を減らす取り組みですね。環境問題が社会の不足と不満を抱えている問題なのであれば、それを解決ことすること自体が、企業の存在根拠になる。だから自分たちで発生している環境負荷に関しては、自らで解決しなさい、という発想です。それが創業者のメッセージでありルーツなので、生ごみの再資源化を店舗から実施しています。(全国142店で実施)
当初は生ごみ処理機を導入して、できた堆肥を植栽の肥料にしていましたが、今はそれだけにおさまらず、店舗で使う食材の肥料にするリサイクルループも進んでいます。最初入った時は、なんで生ごみを分別しなきゃならないんだと思っていたんです。箸などが生ごみの中に混入されていて、なかなか堆肥にできないじゃないかと怒られることもあったんですけれど、こういう風に使われていくんだということが従業員一人ひとりに浸透してきてからは、生ごみに不純物が入らなくなってきて、肥料にも使いやすくなってきました。だから従業員もこの取り組みを通じて、環境に対する考え方を学ぶことができたんです。今では当たり前なんでしょうけれども、昔はごみの分別をするという習慣がなかったのでね。お店で学んで、自宅でも分別するようになったという人もいます。これも「人を良くしていく」活動のひとつなのだなと思うところはあります。
あとは、木製食器やお茶碗などのリユースも全店で進めています。

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リサイクルユースは、環境に対する従業員の意識向上にもつながっているという

お腹だけでなく、心も満たす店づくり

―貴社らしさを象徴するあの木製食器も、牧歌的でホッとする印象的な器ですよね

そうですね。一般的には食器も効率を重視しますよね。大きさや重さについても持ちやすいように考えるものなのでしょうが、あの木製の食器は大きいじゃないですか。合理性も効率も悪そうですよね。だけどあれがあるから、うちらしさがあって、お客様に価値が伝えられていくんだよ、と先輩からいつも教えられてきました。確かにああいった食器を使うことによって、人を1人増やさないといけないかもしれない。なのに、うちはそれをやる。その一方で、人がやらなくてもいいところは、自動化していく。でも人がどうしてもやらなきゃならないところは、あえて非合理にやっていく。それもまた、“当社らしさ”なのかなと思っています。

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―店舗の雰囲気もテーマパークのようでワクワクしますね

お客様に対してドキドキワクワクしてもらいたいというDNAはありますね。独創的な店内装飾であったり、ディッシュもそうですけれども、お客様を良い意味で驚かせたい、楽しませたいという考えが店づくりの根底にあるんです。
どこに行っても同じような作りだと、食事は美味しいんだけれども、なにか心が満たされない。そういうレストランではないんです、びっくりドンキーは。お腹もいっぱいだし、帰るときも車の中で、今日は美味しかったね、楽しかったね〜と語り合ってもらえるようなレストランでありたい。お腹も心も満たしたい。内装だけでなく、商品名だったり、商品のデザインだったり、盛り付けだったり、食器だったり、すべてにそういった思いがあって、設計されているんです。

―商品も遊び心があるから、メニュー選びも楽しいですよね

そう、遊びがある。それが最終的にはびっくりドンキーがめざす顧客価値なんです。数年前まではそういったことがおとなしくなっていたんですけれども、またここ最近、商品の価値を上げるためにはどうしたらいいんだろうかと考え始めているところです。例えば商品のネーミングを社内で公募してみたり。
チーズフェアという企画があるんですけれども、去年まではチーズバーグディッシュを重点販売していただけだったんです。でもなんか面白くないよねということで、今うちにあるチーズを使って、どんな商品ができるのか考えてみた。そうしたらホワイトとイエローという楽しい商品ができましてね。それが4月10日から発売されました。大ベテランの50代の先輩社員にも、「最近、商品が面白くなってきたね」と言われたんです。嬉しかったですね。やっぱり自分たちが面白いと思わないとお客さんも面白くない。自分たちが販売していて、楽しいな、美味しいなと思える商品は、それが伝わって、またお客様が来てくださる。そうして、派手にお店の何かを変えなくても、今あるものを掘り下げていって、商品の価値を上げていくという活動も始まっています。

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株式会社アレフ びっくりドンキー店舗運営部 関東ゾーン 第1・第3エリアリーダー

堀 雅徳さん

埼玉県出身。住宅メーカーを経て、第2新卒で「アレフ」に入社。4店舗目で店長に昇格。複数の店長や工場経験を経験した後、現職。宝塚店長時代には、中学生の職場体験の受け入れも初めて実現させた。

株式会社アレフ

1968年盛岡で創業。ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」、イタリアンレストラン「ペペサーレ」、生パスタと窯焼ピザレストラン「らくだ軒」など、338店舗を全国に展開。全国や海外の生産者と提携し、安全・安心をテーマにした食材の調達にも注力。2006年からは、環境と調和した循環型持続社会・文化形成への貢献をめざしたエコロジーテーマパーク「えこりん村」を北海道恵庭市に開業している。正社員は714 名(平成31年3月31日現在) 、年商376億円(平成30年3月期)。

住所
北海道札幌市白石区菊水6条3丁目1番26号(本社)
会社HP
https://www.aleph-inc.co.jp/

現場の声も聞きながら、丁寧に変えていく

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