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東京出身者が家族総出で福岡移住&拠点設立! さくらインターネット株式会社 櫻井裕氏
浅賀 桃子
2019/02/08 (金) - 12:00

東京生まれ東京育ち、これまで転勤の経験もなかったにもかかわらず、2015年に福岡移住を決断。家族総出で福岡に居を移し、さらには自社の拠点も作ってしまったというユニークな経歴を持つ、さくらインターネット株式会社の櫻井裕氏にインタビューしました。福岡移住のきっかけから、実際に暮らしてみての生活のことなど、ざっくばらんにお話して頂きました。

福岡移住のきっかけ

さくらインターネットは大阪本社、東京支社、北海道オフィス、そして2017年2月から福岡オフィスを開設し、4拠点体制となっています。現在は当社福岡オフィスの拠点責任者を務めていますが、それまでは東京支社のマーケティング部門責任者でした。
福岡は日本の国家戦略特区となっていて、IT都市として有名ということもあって様々なIT企業が進出しています。市をあげて盛り上げていこう、としているところですので、当社もマーケティングとしてチャンスがあるのでは?と、実際に福岡に移住することにしたんです。

「福岡にチャンスが」と言い出したのは私ではなく、実は部下なんです。当時彼だけ転勤させて、私は東京で報告を聞いていてもよかったんです。ただ彼は、東京生まれ東京育ちで転勤の経験が無く、1人で福岡に送り込めるのかって不安もあって。さらに私自身も同じく東京生まれ東京育ちで転勤者の気持ちが分からなかったので、じゃあ一緒に行こう、と。

当社のお客様は圧倒的に東京、関東圏が多く、ついで大阪、名古屋となっています。当時福岡のお客様がたくさんいたからということではなく、あくまでマーケティングの中で「ちょっと福岡攻めに行こう」というモチベーションでした。福岡に1年行ってみて、うまくいかないからそのまま東京へ戻るということも当時想定していました。ありがたいことに半年くらい活動しているうちに、こちらを振り向いてくださる新しいお客様も出てきまして、このまま続けていこうということになりました。

福岡オフィス設立から現在まで

マーケティングとして、2人でコワーキングスペースを使って細々とやっていたわけですが、お客様も増えてきて、オフィス作ってやりなよというところにまでなったんです。2017年2月に正式に福岡オフィスを開設し、2017年4月からは東京から営業のスタッフが転勤してきて3名体制になりました。

当社はレンタルサーバなどのデータセンターサービスを提供している会社ですので、拠点は基本的にデータセンターがあるところに設けるというのがこれまでの歴史なんです。大阪も東京も北海道も然り、でも福岡だけ事務所のみで。これは当社においてはチャレンジしやすい反面、ある意味撤退もしやすいとも言える状態です。データセンターがあればおいそれとは撤退できませんからね。

オフィス自体に関しては、2、3人しかいない割に広い空間になっています。ここで3、40人くらいのセミナーも開いています。人が集まって何かが生まれるということを阻害しないスペースにしたかったんです。イベントスペースめいたものにしてしまうと、それ以上にならないと思っていて。福岡ではアポなしでの訪問が本当に多くて、今日もこのインタビュー開始の5分前に急遽来客があって対応しましたし(笑)。暑いので寄りました、ということでもいい。自由な人の動きを排除しないで、大切にしていきたいと思っています。

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福岡オフィスの風景。このスペースで3、40名までのセミナーも実施できる
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福岡で事業をやって感じていることは、東京と比べてこちらでは食事等を通じて人となりを知ってから購買行動に繋がる傾向があるのではということです。東京の場合営業して、見積書いて、受注して、それから食事してといった割と明確なステップがあったりしますが、こちらではまず会食。人間性が重視されているように思います。

福岡で暮らしてみて

いざ福岡に住んでみて、東京って人が多かったんだなと感じています。それから、東京は広く、移動に時間がかかるなと。
例えば、新宿から品川に行くときはJR山手線に20分乗るわけです。福岡って、2、30分電車乗るってことがそもそもないように思います。30分歩けば大抵のところに着きますし。

私は結婚して子供がいて、当時東京の昭島市というところに住んでいたんです。自宅から東京のオフィス(新宿)まで大体1時間半くらいだったんですね。当時はまあ当たり前だと思っていたので何とも思ってなかったんですけど、いざこっちにきてみると、あの時間って何だったんだろうと思いますね。今住んでいるところは大濠公園の近くで、公園の端から端まで歩くと福岡オフィスに着く感じです。毎朝優雅に鳩や鴨などを見ながら歩いているわけで、満員電車につめこまれることがないのはいいですね。

読者の皆さんの中には、私のようにUターンではなく縁もゆかりもない土地に移住することを検討されている方もいらっしゃるかもしれません。当然心理的なハードルはあると思いますが、福岡に関していえば東京からの転勤者も比較的多いですし、同じような境遇の人がつながって仲良くなったりもしやすいです。私は子供がいることに助けられた部分もありますが。現地の友達を作れるかどうかは大きいと思います。

また、東京=都会と考え、「田舎暮らしをしたいから地方に」という考えの場合注意が必要です。私は東京の三多摩地域と呼ばれるところに住んでいましたが、そこと今住んでいる福岡市中央区を比較すれば、福岡のほうがよほど都会です。田舎暮らしをしたいのであれば福岡じゃなくて東京の三多摩地域のほうがいいと思います。同様の理由で、都会暮らしを楽しみたいなら、東京だけが選択肢ではありません。

私自身は場当たり的な人なので、何のリサーチもせずに移住してしまいましたが、交通事情や、子供がいる方であれば保育園のことなども調べておくと良いと思います。例えば私も移住にあたり「福岡は電車ちゃんとあるから、車なんかいらないよ」と周りから言われましたが、実際全然違いました。車を売らずに東京から持ってきて大正解でした。公共交通機関では縦移動が結構大変で、特に子供を連れて移動することを考えたときに、地下鉄が何本も走っている東京の感覚で考えると痛い目にあいます。子育てに関しても、行政の手当なども確認したほうがいいと思います。東京23区の待機児童問題のようなことにはならないにせよ、「地方だから問題ない」という感じで移住してしまうと、期待値との乖離が大きくなるかもしれません。

私自身は福岡での生活に満足していますが、その理由として大きいのは、住環境もそうですが食生活の満足度が高いことですね。福岡は海と山が近く、例えば玄界灘直送であれば市内まで20㎞くらいしか離れていませんので、美味しいわけです(笑)。1日3食ありますから、この点の満足度は結構生活への影響があるなと感じています。

福岡オフィスの今後の展望

今は全員東京からのメンバーですので、現地での雇用をどのように生み出していくかが課題ですね。福岡拠点責任者としての私の目標は、3年以内に地場の人に拠点責任者をお譲りするということ。家族で移住してきて福岡の住環境にほれ込んで、できればこのまま住み続けたいと思っていますけど、とはいえ東京出身者ですので、あくまで自分の役割は福岡オフィスを立ち上げるときの責任者であった、ということでいいと思っています。

地方に移住するというと、「賃金が安い」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、これって日本の悪しき慣習ではないかと思います。当社はどこのオフィスでも同じ待遇(東京と同じ賃金)で同じ仕事ができます。「地方だから賃金が安い」という風にしたくないんです。

今はまだ夢のような話ですが、福岡オフィスを「当社を象徴する場所にする」という野望があります。通常のオフィス、拠点というのは機能的なところが優先されると思いますが、そういうことは後からついてくると考えています。当社の「自由にチャレンジできる場所がある」、そして「東京や大阪と同じように開発やお客様とのやり取りができる」、という良さを実現できる場所にしていきたいです。

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東京支社からテレビ会議で福岡オフィスへ接続。左は東京支社でご対応頂いたセールスマーケティング本部マーケティング部広報 高田祐輔様
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櫻井 裕(さくらい ゆたか)さん

さくらインターネット株式会社 セールスマーケティング本部 福岡オフィス拠点責任者 東京都練馬区出身、成蹊大学卒業。2010年さくらインターネット入社。 2016年1月に家族5人で福岡へ移住。現在は同社福岡オフィスの拠点責任者として従事。

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