節税効果抜群の企業版ふるさと納税!その概要と利用時の注意点を解説!
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/01/28 (金) - 18:00

2008年に始まったふるさと納税に続き、2016年に創設された「企業版ふるさと納税」が話題となっています。一般のふるさと納税では、寄付へのお返しとして郷土色豊かな返礼品を受け取りますが、企業版ふるさと納税にはどのようなメリットがあるのでしょうか?今回は企業版ふるさと納税の概要とメリット、寄付を実施する際の注意点などについてご紹介していきます。

地方創生とふるさと納税

ふるさと納税は、少子高齢化や過疎化によって衰退する地方を活性化させ、日本全体の活力を上げることを目的とした「地方創生策」の一つです。地方創生は2014年に第二次安倍内閣によって施行された「まち・ひと・しごと創生法」がベースとなっており、ふるさと納税をはじめとして、政府機関の地方移転や企業の工場移転、支店開設への支援(助成)などが行われています。

ふるさと納税の仕組み

一般的なふるさと納税は、まず支援したい自治体を選んで寄付を行い、その地方の特産品などを返礼品(寄付額の30%以内)として受け取ります。寄付した人は、寄付後に決められた手続きを行うことにより、寄付金のうち2,000円を超える部分について所得税の還付や住民税の控除が受けられるという仕組みになっています。

企業版ふるさと納税とは

では一般的なふるさと納税と企業版ふるさと納税では、何が違うのでしょうか?基本的な仕組みは一般的なふるさと納税と変わりませんが、企業版ふるさと納税では返礼品を受け取ることはしません。企業版ふるさと納税は、寄付を行う企業の本社所在地以外の地方自治体に寄付を行い、税制的な優遇を受けるという仕組みになっているのです。

通常、企業が寄付を行う場合には、寄付額の30%を損金算入し節税することができます。2016年に企業版ふるさと納税が始まった際には、更に30%の税額控除を受けることができました。企業版ふるさと納税の開始時には寄付額に対する企業の実質的な負担は40%だったわけですが、2020年の税制改正によりこれが大きく変わります。

税制改正で更にメリット増大!

2020年度の税制改正では、寄付額の最大30%だった税額控除が一挙に最大60%まで拡大されました。これにより税制改正前は最大約60%だった税額控除が最大約90%となり、企業の実質的な負担は約10%になりました。つまり企業版ふるさと納税で1,000万円を寄付すると、最大で約900万円の法人関係税が軽減されることになったのです。この税制改正により、企業版ふるさと納税はメリットの大きい節税対策として注目を集めるようになりました。

企業版ふるさと納税のメリット

上記のような節税効果は、企業版ふるさと納税の大きなメリットです。その他にも、活用することにより継続的に得られるメリットがあるのでご紹介しておきましょう。

企業のイメージアップやPR効果

企業は社会の構成員として、社会的責任(CSR)を負っています。CSR活動の一環として企業版ふるさと納税を行えば、社会貢献やSDGsの達成に取り組む企業としてイメージアップにつながります。このようなPR効果やイメージアップは、人材の採用時においても大きな効果を発揮します。

地方公共団体とのつながり強化による新しいビジネスの可能性

寄付する地方公共団体とのつながりができれば、新しいビジネス展開の可能性も高まります。たとえば工場の移転や支店の開設など、働き方改革に影響する事業展開時なども相談に乗ってくれることでしょう。

地域との連携による地域資源などを使った新規事業展開の可能性

地方公共団体とのつながりだけでなく、地元企業などとの関係強化も可能になります。その地方の活性化に協力している企業というイメージは、地元企業や住民との関係構築に役立つものです。

企業版ふるさと納税利用時の注意点

このようにメリットの多い企業版ふるさと納税ですが、利用時にはいくつか注意するポイントがあります。企業版ふるさと納税を行う際には、以下の注意点を確認しておきましょう。

・寄付額は10万円以上であること
一回あたりの寄付額が10万円未満の場合、企業版ふるさと納税の対象にはなりません。

・青色申告法人であること
寄付を行う企業(法人)は、青色申告をしていないと税額控除の対象にはなりません。

・経済的な利益を受けることは禁止
寄付の見返りとして補助金を受け取る、有利な利子で融資を受けるなど、経済的な利益を受けることは禁止されています。

・本社所在地への寄付はできない
寄付を行う企業の本社所在地がある地方自治体へは、ふるさと納税(寄付)できません。

・寄付を行う都道府県及び市区町村には制限がある
地方交付税の不交付団体である都道府県や、地方交付税の不交付団体であり、その全域が地方拠点強化税制における地方活力向上地域以外の地域に存する市区町村(首都圏整備法で定める既成市街地・近郊整備地帯など)へのふるさと納税(寄付)はできません。

まとめ

節税効果以外にも多くのメリットがある企業版ふるさと納税ですが、最大約90%の税額控除については、現在のところ2024年までの時限措置となっています。企業版ふるさと納税の利用を検討中であれば、早めに利用するようにしましょう。

<参考>

節税にもなる!企業版のふるさと納税のメリットとは
https://pca.jp/p-tips/articles/fl200302.html

企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0102/kigyobanfurusatonozei.html

企業版ふるさと納税 活用事例集
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/R2jireisyu.pdf

Glocal Mission Jobsこの記事に関連する地方求人

同じカテゴリーの記事

同じエリアの記事

気になるエリアの記事を検索