移住希望地ランキングで異例のジャンプアップ!鹿児島県の魅力とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2022/12/16 (金) - 19:00

地方移住を支援するNPO法人 ふるさと回帰支援センターが毎年集計している「移住希望地ランキング」は、ふるさと回帰支援センターに移住の相談に訪れた人たちの移住希望先をランキング形式で発表しているものです。中でも長野県や静岡県、山梨県、沖縄県、北海道は上位の常連ですが、近年トップ20位圏外から毎年ジャンプアップしている注目の県があるのです。それは鹿児島県。今回は、近年人気上昇著しい鹿児島県の魅力についてご紹介していきます。

移住希望地ランキングとは?

NPO法人 ふるさと回帰支援センターは、東京の有楽町に開設されている移住相談のための窓口です。移住といっても地方暮らしだけでなく、UターンやIターン、Jターンといったさまざまな形の移住について相談を行うことができます。また全国各地の地方自治体と連携して情報を提供し、都市と農村の橋渡しによる地方の再生や地域活性化を目指すことも目的としています。ふるさと回帰支援センターには、面談や電話、メールなどで年間49,000件以上(2021年)の相談が寄せられますが、これらの相談者の希望する移住先を集計したものが「移住希望地ランキング」です。

●移住希望地ランキングの上位にはどのような地域が?

ふるさと回帰支援センターでは、2009年から毎年、移住希望地ランキングを発表しています。このランキングで、毎年トップ3を争っているのが長野県、静岡県、山梨県です。トップ5となるとここに沖縄県、北海道、広島県などが入ってくるのですが、トップ20の圏外からこれらの常連に迫る勢いでジャンプアップしているのが鹿児島県です。2019年にはトップ20にも姿を見せていなかった鹿児島県は、2020年には20位、2021年には14位となっています。移住希望地ランキングはその時々の時勢や流行によって変化しますが、この鹿児島県の勢いには注目すべきものがあります。いったい鹿児島県は、移住に関してどのようなことが人気となっているのでしょうか?

鹿児島県の住みやすさとは?

鹿児島県には県庁所在地の鹿児島市の他、多くの市町村がありますが、この中にずば抜けて移住者数の多い市があります。それは黒酢や焼酎で有名な霧島市。霧島市は鹿児島県のほぼ中央に位置し、2005年11月に国分市と姶良郡溝辺町、横川町、牧園町、霧島町、隼人町、福山町の1市6町が合併して誕生しました。霧島市は現在、鹿児島市に次いで2番目に人口の多い市となっています。

霧島市はもともと薩摩地方と大隅地方、宮崎県を結ぶ交通の要所で、道路や鉄道などの交通手段が古くから発達していました。また意外かもしれませんが、鹿児島空港は鹿児島市ではなく霧島市内にあります。霧島市を経由すれば、鹿児島はもちろん、宮崎や九州南部各地にアクセスがしやすいのです。このような交通の至便さは企業誘致にも影響し、大手企業や自衛隊が鹿児島市や霧島市には多く所在しています。移住検討時に問題となることが多い「仕事」に関しては、もとからある農業、漁業、加工業(焼酎や黒酢、麹など)に加え、霧島市の利便性によって誘致された企業や関連企業、周辺の店舗やサービス業によって、選択肢が多くなっていることが魅力でしょう。

●移住を後押しする移住体験研修と移住支援金制度

霧島市では、他の地方自治体に先がけて2006年から移住体験研修をはじめています。たとえば2019年10月行われた「霧島市移住体験研修~ちょっとした農業やってみ隊・秋の陣~」では、稲刈り、掛け干し、梨狩りなどのちょっとした農業体験や、茶碗作り、移住者訪問、空き家などの住宅地や分譲地の見学など、移住者のための体験メニューが多く盛り込まれています。また2022年2月にも「霧島市移住体験研修事業~ちょっとした農業やってみ隊・冬の陣~」が行われるなど、霧島市には移住体験の開催が定着しているのです。

また霧島市は、政府の地方創生事業が展開する「地方移住支援金支給制度」も導入しています。この制度は、移住直前の10年間で通算5年以上かつ直近1年以上、東京23区内に在住、または東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、条件不利地域を除く)から東京23区へ通勤するなど、一定条件を満たした人に支援金が支給される制度です。支援金は単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額、世帯の場合は100万円以内(ただし18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は、18歳未満の者一人につき最大30万円を加算)となっています。

このような取り組みが功を奏し、霧島市では2019年以降、他エリアからの移住者が1.5倍以上に増加しています。また霧島市だけでなく、鹿児島県全体に以下のような特徴があります。

・九州本土最南端で気候が温暖であること
・移住体験など、自治体の支援策が充実していること
・ソニーや京セラなど、大企業の誘致に成功していること
・飛行機や新幹線を便利に使える

以上のようなことから、鹿児島県は移住希望地ランキングで人気が急上昇していると考えられるのです。

まとめ

移住希望地として人気のある地域を調べていくと、そこには単なる思い込みによる人気だけでなく、しっかりとした国や自治体の支援策が存在していることがわかります。移住を検討する場合には、人気の有無や自身の思い込みだけで飛びつかず、自分たちの生活様式や状況に合った支援策が用意されているか、よく調べておきましょう。

<参考>

2019年の移住相談の傾向、移住希望地ランキング公開
https://www.furusatokaiki.net/wp/wp-content/uploads/2020/02/furusato_ranking2019.pdf

「移住希望地域ランキング2020」相談窓口利用者が選んだ都道府県1位は?
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00237/

霧島市 移住体験研修事業の実績
https://www.city-kirishima.jp/kyodo/shise/ijuteju/otameshi/jisseki.html

霧島市移住体験研修事業~ちょっとした農業やってみ隊~
https://www.city-kirishima.jp/kyodo/shise/ijuteju/otameshi/taiken.html

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