地方創生のスペシャリストたちが語り合う、北海道経済の今と、地方が求める人材とは?
GLOCAL MISSION Times 編集部
2019/08/21 (水) - 18:00

「HKPの仕事こそ、地方創生の本丸だ」―。北海道の企業を「伴走型」で支援するために、株式会社日本人材機構と北洋銀行が協力して立ち上げた、北海道共創パートナーズ(以下、HKP)。設立から丸2年を迎える今年、4人のキーパーソンによる座談会が実現した。参加者は、北洋銀行取締役副頭取とHKP会長を兼務する竹内巌さん。HKPの岩崎俊一郎社長と、コンサルタント小鹿智史さん。そして日本人材機構代表取締役社長・小城武彦さんの4名。地方創生の最先端を走り続けるスペシャリストたちが見た、北海道経済の課題と可能性とは?そこへHKPが果たすべき役割と、首都圏人材に対する期待についても、熱く語り合われた。

これまでにないコンサルティング会社の誕生

北海道共創パートナーズ(HKP)は、2017年札幌市に、日本人材機構の100%子会社として設立された経営コンサルティング会社である。北海道内で36%ものシェアを誇る北洋銀行も資本参加。強力な連携体制を強みに、目指すのは従来の銀行やコンサルティング会社の枠を越えたサービスだ。たとえば地方企業の中には、戦略策定、組織制度設計、経営幹部の人材採用など、本来は経営企画部や人事部といった「本社機能」が担うべき分野に潜在的な課題を抱えている企業が多い。そうした地方企業の本社機能を代行・補完しつつ、潜在的な課題の掘り起こしから解決策の検討・実行・フォローアップまでの一貫したサービスを、HKPは推進している。地方企業の持続的かつ自律的発展のために本質的な課題と向き合い、社員1人ひとりが経営者のパートナーとして介在していく様子はまさに「伴走型支援サービス」という表現がぴったり。ではなぜ、そんな会社が北海道には必要だったのだろう。その背景から座談会は始まった。

―まずは北海道共創パートナーズ(以下、HKP)が設立された背景についてお聞かせください。北洋銀行さんはなぜHKPへの資本参加を決断されたのでしょう?

竹内 巌(北洋銀行取締役副頭取・HKP取締役会長)/
以前から多くの地方企業とお取引をしているなかで、経営リテラシーを備えた経営陣の層の薄さを感じていたんです。例えば、この会社にちょっとした参謀役がいれば、もうちょっと事業が伸びるんじゃないか?という事例が非常にたくさんありまして。中小企業の経営は経営陣しだい、という問題意識は以前から相当持っていました。そこでこれまでは、銀行の職員を派遣したり、外部のコンサルを活用するという形で解決しようとしていたのですが、銀行員だと専門性がそれほど高くありませんし、外部のコンサルを入れるにしてもかなりのコストがかかってしまいます。この課題をなんとか解決できないかと考えていたときに、たまたま日本人材機構の小城社長が来られて、「首都圏にはプロフェッショナルな人材がいる、そういった人材と地方企業を結びつけて支援する事業を一緒にやりませんか」というお話をうかがいました。日本人材機構さんは中立性のある企業なので信頼できましたし、何より小城社長の熱いプレゼンに心が動かされまして、それならトライしてみる価値があると判断したんです。

北洋銀行取締役副頭取・HKP取締役会長 竹内 巌

―日本人材機構が、パートナーとして北洋銀行を選ばれた背景もぜひ教えてください

小城 武彦(日本人材機構 代表取締役社長)/
まず我々、日本人材機構の役割は、首都圏の経営幹部の人材が、地方の中堅企業のオーナーの右腕として入る仕組みを作ることにあるんですね。その仕組みをどうやって作ろうかと我々もずっと考えてきたんです。そして気がついたのは、企業に適切な人材をご紹介するためには、事業内容の理解が不可欠だということ。将来的なことも含め、事業の中身をしっかりわかっていないと、どんな人が必要なのかがわかりませんから。では、地方企業のことをいちばん理解しているのは誰なんだろう?と考えると、各地の地銀さんだろうという答えに辿り着いたんです。それでぜひ地銀さんにこの話をわかっていただきたいと思って、僕は全国の地銀行脚を始めたんですね。そのなかでいちばん早くご理解いただけたのが、北洋銀行さんだったんです。当時の竹内常務がその場で「やりましょう!」と言ってくださったので、トントン拍子で話が進みました。

日本人材機構  代表取締役社長 小城 武彦 

―北海道内における北洋銀行さんのシェアは36%。その圧倒的な基盤も決め手の1つだったのでしょうか?

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
それはもちろんです。道内では断トツのトップですから。あとはやっぱり、地銀さんの存在が、人材の不安を解消する大事なポイントでもあるんですね。なぜなら首都圏の人材は、地方企業の多くの存在も名前も知らないわけですよ。そこへ銀行さんが間に入っていることで、安心するんですね。この国の人の流れを変えるためのいちばんのポイントは、地銀さんと手をつなぎあうことだと我々は考えているんです。

北海道はまだまだポテンシャルを活かしきれていない

―なるほど。首都圏のビジネスパーソンにとっては、北海道のビジネス環境や地方経済の現状も気になるところなのですが、皆さんはどのように感じていらっしゃいますか?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
現在の北海道の経済状況については、インバウンドの観光需要ですとか、建設事業が非常に活発なので、良い傾向ではあります。北海道という地域はもともと開拓者精神にあふれてる地域なんですよ。ただ、産業においては、構造が旧態依然としている感は否めません。建設業が地盤となっていますし、あとは漁業も全国の生産量の約2割を占めていますが、お上からお金をとってくる、海で魚を獲ってくるみたいな構造が根付いてしまっていて、開拓者精神というのがいつの間にか薄れてきていると感じています。育成するとか、育てるとか、地道に積み重ねて将来の利益をめざすというような体質が薄れているような印象です。

―つまり、恵まれた環境を活かしきれていないと?

その通りです。北海道はもともと自然環境や食において、非常に大きなポテンシャルを持っているんです。海外に行くと、ASEAN地区では「北海道」というだけでソフトクリームが売れるほどのブランド力があります。にも関わらず、モノに付加価値をつけて高く売っていくというのがなかなかできていません。例えば、「たらこ」なんかは、九州や京都では何倍もの価格で売れています。要するに商売が下手なんですね。儲けるためには、外部から知恵をもらうことが必要。そのぶん、コンサルが活躍できる余地もたくさんあると思っています。

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
僕も北海道にはまだまだ多くのポテンシャルが眠っているように見えますね。でも、それらを目覚めさせるのはそんなに難しいことではなくて、少しの知恵なんです。その知恵を、適切な人が、適切なタイミングで、適切な人に提供できれば、きっと花開く。それをやる人が今まではいなかっただけなんですよね。だから北洋銀行さんがまず、HKPを通じて第一歩を踏み出されたことが大きいと思っているんです。

小鹿 智史(HKPコンサルタント)/
北海道は業歴が浅い会社がほとんどで、かつ家業に近い会社も多いんです。その中には、外部からのアドバイスを聞いたことがない会社や、ポテンシャルはあるんだけれども、それに気づいていない会社が多いというのが実態です。そのスイッチを押してあげることによって、潜在力を引き出せる会社が多く存在していると感じています。例えば釧路は港町なので新鮮な魚が豊富に手に入ります。ところが刺身にしたり焼いたりが基本で、加工したり、料理をする飲食店が意外と少ないんですね。そこへ首都圏で経験を積んだ人材がアドバイスすることによって、釧路の可能性を「カタチ」にすることができるかもしれません。そういうポテンシャルを北海道の各地方はまだまだ秘めているんじゃないでしょうか。

HKPコンサルタント 小鹿 智史

岩崎 俊一郎(HKP代表取締役社長)/
僕は東京から北海道にやってきたんですけれども、まず驚いたのが外国人の多さです。札幌はもちろん、ニセコにも、道東の知床にも、こんなところまで外国人が来ているのかと知った時は、かなりの驚きでした。北海道は「課題先進地域」とよく言われますが、このままではマズいということで、自然発生的にさまざまなアイデアが生まれて、ニセコのような大きな変化が芽生えつつあるように感じます。そういう新たな地殻変動が起きそうな地域に身を置いて何かに取り組むというところに、私自身も非常に面白さみたいなものを感じています。

HKP代表取締役社長 岩崎 俊一郎

課題の多さはニーズの多さ。HKPだから解決できることがある

―北海道の地方企業が今抱えている課題は何だとお感じになっていますか?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
人手不足の問題というのは、これは全国的にそうだと思うんですけれども、続いています。特に水産加工業や建設業、サービス業は圧倒的に人手が不足しているので、外国人労働者がかなり増えてきています。

―人手不足の背景は?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
働き手や経営者の高齢化です。高齢になって働けないんだよという方が多い。しかし子どもたちは都会に出てしまっている。誰もいないので、外国人を活用しよう、というふうになっているのかなと思います。
一方、観光業は好調です。大箱を作って安売りをして、バスツアーを組んでグループでまわってもらう。1箇所に長期滞在してもらって、何箇所かまわってもらう、というスタイルの観光が定着しつつあり、単価も上がってきているんです。観光業は非常にいい傾向にありますね。

―HKPの設立から2年が経過し、手応えはいかがですか?

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
僕は正直、こんなにニーズがあるとは思っていませんでした。お客様のところをまわってみると、中小企業の経営者の方々は相談相手を潜在的に欲していたんだろうなというのを非常に強く感じるようになったんです。そこに相談する相手として入っていって、相談相手になるだけじゃなく、きちっとパフォーマンスをあげることができたら、会社ももっと伸びていくはず。地方企業にはそんな伸びしろを感じます。HKPの役割はまさにそういうポテンシャルを顕在化させるお手伝いです。醍醐味がある仕事だと思うし、まだまだニーズがあるのではないでしょうか。

小鹿(HKPコンサルタント)/
リピートしてくださるお客様もとても多いです。新規からのリピート率は5割から6割に達しています。我々がどれだけ汗をかくチームなのか、1度働きぶりを見ていただければ、その後はかなりの信頼関係の中で、いいプロジェエクトができあがっていくという手応えがありますね。

―具体的な支援事例はありますか?

小鹿(HKPコンサルタント)/
私は今、ある町の医療機関のプロジェクトに入っています。この医療機関はこれまで、街の声を聞いたことがありませんでした。町民や役場が自分たちのことをどういう風に思っていて、職員がどう感じているかという本音を聞いたことがなかったんですね。そこで我々が客観的にアンケートやインタビューを行ってみたところ、見えてきたのは、その医療機関に対する期待感がすごく高いということでした。地域になくてはならない病院なんだけれども、そこに気がついていない。職員はその期待に応えきれていないし、経営陣は日々の診療に追われ、進むべき方向性が見えていない。職員からは:「自分たちの職場を守りたいので、アドバイスをして欲しい」という声を数多くいただきました。自分たちからはなかなか経営陣には言えないんだけれども、HKPを介して、自分たちの声を経営陣に伝えて欲しいと。こうした取り組みは地方の雇用の維持にもつながっていきますし、我々も非常にやりがいを感じています。

組織が小さいからこそ、1人のインパクトが大きい

―職員にアプローチして、経営者を奮起させるというのも、深く入り込んでいるからこそ成し得る取り組みですね

岩崎(HKP代表取締役社長)/
そうですね。表面的に「今期は赤字だから」と右往左往するものの、真の課題や自分たちの強みには気づいていない経営陣も少なくないんです。そこに我々が入って、客観的な視点を持ちつつ、「伴走」するのは、非常に意味があることだと思いますね。

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
そこはたぶん、外から来た人だからこそ見える部分なんですよね。自分たちにとっては当たり前だと思っている部分は、実は、東京の人からすると「すごいじゃん!」ということがあるんです。それを指摘することで大きな気づきにつながったり、それをコアにしながら新しい戦略を考えることもできますので。

―東京から来た人だから見えるものもある、ということですね

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
その通りです。もう1つは、地方企業もHKPもそんなに大きな所帯ではないので、プロジェクトも少人数なんです。そうすると逆に真剣勝負といいますか、HKPの1人の力量がその企業の命運を変えてしまうぐらいのインパクトがあると思うんです。そこが大手のコンサルとはいちばん違うところ。地域に密着した、かつ小さな会社を相手にしているがゆえに、1人ひとりの真価が問われるので、かなり緊張感の高い仕事かなと思いますし、それをやりがいに変えて欲しいと思います。

―小城さんも地方創生の舞台で東京と地方を行き来されているからこそ、きっと多くの気づきがおありですよね

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
東京では知られていないけれど、地方には本当にいい会社がいっぱいあるんですよ。そこに知恵を持っている人が加われば、本当に大きく変わるんでね。その醍醐味は、東京ではなかなか味わえないと思いますよ。

地方で活躍できる人材の条件は、スキルだけではない

―では次に、これまでお話いただいた環境の話を踏まえて、首都圏から来た人材は具体的にどういったことを期待されているのでしょうか?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
小城社長がおっしゃった通り、北海道には地域に密着した会社が多いので、ずっと寄り添い続けること、ずっと継続していくことが重要。その企業から逃げないという姿勢を示すことが一番のポイントだと思います。ですので、まずは一緒に走り続けることを目指していきたいと思うし、そういうマインドを持って働いて欲しいですね。

―ともに汗を流して、泥臭く、というような?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
そうですね。経営者って孤独なんです。社内に相談できない経営者もたくさんいます。それを外部から来た、冷静な目を持った人に話をして、楽になって、何かしらのアドバイスをもらって着想する、着眼する。そういったことを繰り返していけば、経営もよくなっていくはず。そういう意味では、経営スキルや経営リテラシーも大事なのですが、たぶん最終的には人間性がいちばん重要なのかなと思います。信頼して喋ってもらわないと何事も進まないのでね。HKPとすれば、経営者が信頼できる人材が揃っていて、相談相手となりいつもそばに寄り添うような形で関わっていくことがいちばんいいのかなと。

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
全く同感ですね。奇をてらったものは必要なくて、側にいる、逃げない、ずっと伴走する、ということを続けていくことが非常に大事で。北洋銀行さん自身がそういうスタンスの銀行でいらっしゃるので、HKPも同様に、企業からずっと逃げずに向き合って、オーナーと伴走するような立ち位置を目指していくべきなんだと思います。

小鹿(HKPコンサルタント)/
伴走する相手は、オーナーだけではありません。ミドル層の部長・課長クラスとも一緒になって作り上げていくという一体感の中で取り組んでいけるのも、我々の強みだと思います。そういった姿勢は常にメンバーにも伝えていますし、これからも大事にしていきたいと思っています。

岩崎(HKP代表取締役社長)/
ただ、「伴走」って実はそう簡単じゃないんです。当然ですけど企業の経営者は「東京から来ました」「銀行から来ました」と言えばすぐに心を開いてくれるわけではないですし、何か専門性を持っているからすぐ「この人、信用してみよう」となるわけでもないんですね。やっぱり信頼関係を築くためにはしっかりと汗をかいて、「この人信頼できるな」と思ってもらうことがいちばん大事なんじゃないかと、僕はこの2年間やってきてみて思っています。そういう意味で言うと、専門性は強みにはなると思うんですけれども、それよりも人間性、例えば地道に少しずつでも確実に前進していくような粘り強さを持った方のほうが、地方企業の経営者と仕事をしていく上では、フィット感があるんじゃないかなと感じています。

HKPも人材不足。案件の増加に供給が追いついていない

―HKPは先日も地方創生大臣より表彰を受けていらっしゃいましたが、組織として、現状の足りない部分や課題などはおありですか?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
お客様から高い評価をいただいているのですが、収支的にはまだまだノビシロがあると思っているので、ぜひ優秀な人材に来ていただければ、もっと広がっていくのかなと思っています。お客様はやはり「北洋銀行が」と期待されている方もかなりいらっしゃるので、それを裏切らないようにしなければならないし、さらに銀行と一体の動きが取れるように進めていきたいと思っています。

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
確かにHKPにとっても人材不足は大きな課題ですね。供給量が追いつかないというのが現状なんですよ。1件1件が、我々にとっては全体の中の1件ですが、お客さんにとっては1分の1。当たり前ですけれども、絶対に手は抜けないし、全力でやらなきゃならない。我々のパフォーマンス次第でその企業やその地域の状況も変わるという真剣勝負のなかで、1人でも多くの方に仲間に加わって欲しいというのが実情だと思います。案件数がどんどん増えてきていて、受注しきれないというくらいまできてしまっているので、一刻も早く、我々の仕事に共感していただける方、特に若い力が欲しいですね。

岩崎(HKP代表取締役社長)/
先ほどの話と重複してしまうんですけれども、僕はHKPで2年間やってきて、お客様に喜んでもらえるパターンの1つ、勝ちパターンの1つが、しっかりと汗をかいて信頼関係を築くということなんだろうなという確信を持っているんです。それを地道に楽しんでやることができる人に参画していただきたいなと思います。

小鹿(HKPコンサルタント)/
社長の悩みは千差万別。自分の得意分野や専門分野以外でも、様々なオーダーがいっぱい降ってきます。ですから自分の守備範囲以外のことも、探究心を持って学び、自分自身を成長させていくために努力していける方にぜひ来てほしいと思っています。

「山が動き出した」?首都圏から地方へ転職する人材が急増中

―都市部からの転職者について、実態はいかがでしょうか?

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
いよいよ来たな、という感じがしていますよ。ひとことで言うと、山が動き出した。弊社でデータを取っているんですけれども、「ここ2?3年のうちに首都圏から地方の中堅企業に転職した人がいますか?」という質問を東京の大企業で聞くと、28%が「いる」と答えるんですよね。これは予想をはるかに超える数字で。でも考えてみると日本は狭いので、東京だけなんて言っている場合じゃない。力のある人が、自分の力を試す場所を求めて日本中を動くというのは、本来望ましい姿だなと思っているんです。そういう働き方に向かって、首都圏のビジネスパーソンたちがようやく動き出したのかなと思っています。

―そこで気になるのは地方での生活なのですが、北海道の暮らし心地についてはいかがですか?

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
やっぱりいちばん北海道の優れているなぁと思っている点は、職場と住宅が近いので、通勤に時間を要さないことですね。どこに行くにも移動がスムーズなので、朝ゴルフをしたとしても、午後から仕事ができる環境。住みやすいのは間違いありません。大手のゼネコンさんの子会社の支社長さんが家族を帯同してきて、マンションを購入して、札幌に移住しようという話もよく聞きますよ。札幌は東京と何も変わらないような暮らしができつつ、空気もきれいですし、食事も美味しい。住むところもまだまだたくさんあります。

―札幌は道内で唯一、地下鉄も走っていますしね

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
ええ、地下鉄通勤している方もどんどん増えています。そのうえ、車でちょっと出かけるということもできますし、札幌は交通の便もいいですよ。

地方の企業を元気にすることが、地方創生につながる

―最後に、HKPの今後のビジョンについてもお聞かせください

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
中長期的な計画は今、北洋銀行と共同で練り上げている最中なのですが、個人的には、人材コンサルを中心に、法人に対するソリューションの機能を集中的に行っていきたいという気持ちがあります。例えばM&A業務をこちらにくっつけるとか、地域の事業承継をこちらで立ち上げるというような動きを視野に入れて検討しているところです。

岩崎(HKP代表取締役社長)/
現場としては、法人向けのサービスはニーズが豊富にあるし、まだまだ応えきれていないという状況です。北洋銀行グループとして、ひいては北海道の経済として、潜在的なニーズがまだまだあると感じているので、大きな方向感としては、そこにもっと応えられるような体制を作っていかなければならないと思っています。そのためには、新たな人材の獲得が必要です。結局HKPが行う「伴走型」サービスは、人がすべて。事業の規模を増やすためにも、サービスの質をさらに上げていくためにも、気概のある優秀な人材を獲得していかなければいけないというのが、大きな方向性ですね。

竹内(北洋銀行取締役副頭取)/
私は、地方の企業についても、首都圏での人材についても、どちらも広く深く知っている組織にしたいなと思っているんです。どちらの情報も持っていて、よくわかっている。ここにはこういう人がいる、ここにはこういう担当がいる、そういう判断ができるような仕組みができれば、他社とは違った仕事ができるんじゃないかと思います。

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
東京の人材の気持ちがわかった人間が、こちら側にいるということが大事なんですよね。東京から北海道に来た人が、首都圏に誘いに行く。誘われた側からすると、自分の立場を理解してくれている人が誘いに来てくれること以上に、心強いことはないですから。

―確かに、同じ目線を持ち合わせる人の言葉は説得力が違いますね

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
もう1つは、地方創生で実はいちばん大事で、いちばん抜けていた部分が、HKPが取り組んでいるようなことだと思っているんですよ。自治体に補助金を回すのもいいんだけれど、地方創生でいちばん大事なのは、地方の企業が元気になること。ところが今までは、そのために必要な知恵やノウハウや人材を提供できる存在が残念ながらあまりなかった。そこを切り開くのがHKPなので、ある種、この仕事は地方創生の本丸だと思っているんです。地方創生の最前線であり、いちばん大事な仕事なんじゃないかと。

―だからこそ、当事者が感じる意義ややりがいも大きそうですね

小城(日本人材機構 代表取締役社長)/
私は、都心で培ってきたこれまでの経験が本当に現場で生きる場所は地方だと真面目に思っています。北海道は自分のポテンシャルを試せる絶好の場所。自信がある人はぜひ来て欲しいですね。その自信が、人や地域のためになる、ということを実感して欲しいと思います。

>>>9月上旬配信の「後編」へ続きます。

株式会社北海道共創パートナーズでは人材を募集しています。

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