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この春から独立起業を考えている方へ 意識してほしい心構えとは
浅賀 桃子
2019/03/11 (月) - 12:00

春は年度初めであり、進学や入・転職など、人生の節目の時期です。春の訪れとともに、新しいことを始めたいという心の変化がもたらされることが多いようです。会社員生活に別れを告げ、独立起業を予定している方もいらっしゃるでしょう。独立起業にあたりぜひ意識してほしい心構えについてまとめます。

起業後の「生存率」

「これから起業しようというときに生存率の話とは何事か」と思われるかもしれませんが、つくったからには維持させなければなりません。つくるだけでしたら、フリーランスや個人事業であれば、極端にいえば独立を決めてすぐにスタートさせることも可能です。法人であっても資本金1円から株式会社ができるようになりましたので、手持ちの資金が少なくても始めることは可能でしょう(起業の細かな「始め方」については、本記事では省略します)。しかし、独立したあとに稼ぎそれを継続・維持するのは想像以上に大変なことは、初めの段階から認識していただきたいと思います。

総務省統計局が公開している2014年時点での事業所数データによると、事業所数の総数は約554万。うち、2014年の新設事業所が85万9962ありますが、一方で同年に廃業した事業所数が87万2366あります。すなわち、新設事業所数<廃業事業所数となっているわけです。

続いて、起業後の生存率を考えていきます。少々古い2006年の統計になりますが、中小企業白書「開業年次別事業所の経過年数別生存率」によると、全事業所ベースでみたときの1年目の生存率は約7割、3年後で5割、10年後まで生存している割合は2.5割に過ぎません。正確には、事業所≒会社であり、また個人事業と会社とが混ざったデータになっていることにも注意が必要なのですが、大まかな実態を把握するには十分でしょう。

1年目での生存率が7割、すなわち1年未満で3割が廃業に追い込まれていることになります。では、なぜこれだけ起業がうまくいかない方が多いのでしょうか。その理由を考えることが、起業に向けての心構えにつながります。

起業を「維持」するために必要な心構えとは

筆者自身、数年の個人事業主を経て2014年に法人化しています。起業の少し先輩として、起業を維持するために必要な心構えをいくつかご紹介します。

自分で仕事を取れなければ、自身の毎月の給与が出ないとわきまえる
会社員であれば、いわれた仕事をやっていれば毎月の給与が振り込まれます。その保証がなくなること、かつ「自分のやる仕事をとることが仕事」であることをしっかり考える必要があります。初めのうちはとにかく「安くてもいいから仕事を受けよう」と考えがちですが、慈善事業としてやるのではないなら「自分が受けた仕事で利益がどのくらいでるのか」という経営の観点で考えていく必要があります。

「自分は●●の分野で十分な実績があるから仕事もたくさんとれるだろう」と考えるのは甘いです。会社員時代の実績は、会社の看板があったからこそ得られたものかもしれません。また仕事を遂行するスキルと仕事を獲得するスキルは別物であることにも思いを巡らす必要があるでしょう。

必要経費を考える
会社員であれば基本給与・税金の計算は会社がしてくれますので、医療費控除等で確定申告をされる方を除けば、社会保険や税金にいくらかかっているかなどあまり意識してこられなかったかもしれません。しかし、独立起業すれば、売上だけではなく控除される費用のこともこれまで以上に考える必要があります。「黒字倒産」という言葉があるように、いかに売上が上がっていても、必要経費(家賃や外注費、給与など)を支払えなければ事業活動が成立しなくなります。

自己肯定感を高める
独立起業は正直、不安も多いことでしょう。ただ、その不安からネガティブに考えて何か新しい何かをすることに躊躇してしまうようでは、独立起業は長続きしないでしょう。事業の舵取りをするのはあなた自身。たとえ不安なことがあったとしても、道は自分で切り開くしかないのです。そのことを「楽しい」「ワクワクする」「なんとかなるさ、大丈夫」と思える、自己肯定感の高さが求められるのです。

自分を過信しすぎない
先述の「なんとかなるさ」と矛盾していると思われたかもしれませんが、事業には時に軌道修正が必要になります。自分のやり方があまりよくなかったな、力不足だなと感じることがあれば、自分を過信しすぎずにさらなる自己研鑽を積みましょう。その姿勢があなたへの信頼感を高め、事業継続につながります。

いかがでしたか。会社の一スタッフとしての発想から抜け出せないままでは、独立後の経営はなりゆかないものです。上記心構えを頭の片隅に置いたうえで、独立への道を踏み出していただければ幸いです。

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